社会課題解決への取り組みを紹介するプロジェクト「社会課題に、アンサーを。」。6月20日からオンエアされているソフトバンクの新CM「宣言」篇には、実務に携わる社員が出演しています。
災害時の臨時衛星伝送路となる「持ち運び衛星アンテナ」を担ぎ山道を登るシーンには、エリア建設本部のエンジニアが参加。平時も災害時もより快適につながる通信を届けるために、連携し合いながら取り組む4名に話を聞きました。
テクノロジーユニット統括 エリア建設本部 関東ネットワーク技術統括部
左から、齋藤 紋(さいとう・あや)さん、田邉 倫太郎(たなべ・りんたろう)さん、須賀 俊介(すが・しゅんすけ)さん、葛 磊(かつ・らい)さん
災害時の臨時衛星伝送路となる「持ち運び衛星アンテナ」
CMに登場する「持ち運び衛星アンテナ」とは、どういったものなのでしょうか?
齋藤 「地震や台風など大規模な災害による停電や基地局の損壊で、通信障害が発生する場合があります。現地の被害状況に応じて、移動電源車や発電機、衛星アンテナや無線機器などの機材を使い、サービスエリアの復旧対応を進めますが、その一つの手段が『可搬型衛星アンテナ』です」
須賀 「軽量化によって背負って持ち運ぶことができる組み立て式のアンテナで、車での移動が困難な場所でも機動力を生かした復旧活動が可能です。断線した通信ケーブルの代わりに衛星通信の電波を自動捕捉し動作します。全国に計282台配備しているんですよ」
通信を届けるために。必要不可欠となる部門間の連携
発災時にはどのような対応を行っているのでしょうか?
齋藤 「私と須賀さんは、光ケーブルが断絶された場合の手配や『可搬型衛星アンテナ』の管理や点検を行っています」
須賀 「『可搬型衛星アンテナ』の不具合が発生した場合のトラブルシューティングやサポートも、私たちの部署で行います。現地で解決できない場合には連絡が入るので、どんなトラブルが起きているか確認し、何かしらのアイデアを出して解決を図っています」
葛 「私は、基地局を建設する際の設計や施工・管理などエリア建設に携わっており、発災時の役割は基地局再建のため、現地に行っているメンバーの管理です。
災害の影響で障害が発生し、基地局に問題がある場合、まず施工班が現地の基地局に行って、電源が切れているのか、伝送路が切れているのか、どの部分が損傷しているのか確認し、報告を受けます。基地局の復旧にあたって優先度を判断するには、田邉さんの部署から提供されるデータが欠かせません」
田邉 「私たちの部署では、関東エリア1都9県にある基地局のパフォーマンスを分析し、よりお客さまが使いやすくなるようネットワーク品質の向上に取り組んでいます。
発災時には、ネットワークが停止してしまったエリアをより早く復旧するため、どの基地局を優先したら良いのかを判断・優先付けを行います。基地局のパフォーマンスを確認し、障害が発生している可能性がある場合には、葛さんや現地の点検班と連携して対応を行っています」
葛 「伝送路が問題なら、齋藤さん・須賀さんの部署に相談。移動基地局車を配備する場合には、田邉さんの部署に最適な設置場所を選定してもらい、派遣先を決定します。災害発生時には、多くの部署と連携しながら、少しでも早い復旧を目指しています」
対象地域は関東だけではなく、全国になるということですか?
田邉 「災害の規模によりますね。近年で言うと、能登半島地震や熊本の震災、新潟の大雪や九州の大雨など特に大きな災害が発生した場合には、全国から支援を行います。普段は各地域でネットワークの復旧を行っていますが、災害が大きくなると各地域だけでは対応できないため、全国規模で対応を行うことになります」
能登半島地震では、皆さんも復旧にあたっていたのでしょうか?
須賀 「大規模災害発生時は緊急対策本部が立ち上がり、全社で対応が進められます。私たちの部署でも発災直後からZOOMでミーティングを行い、シフト体制を組み対応を始めました」
葛 「私たちの部署も元日から、現地と連絡を取り対応していました。被災地に設置されたベースキャンプにも行き、施工するための物品や機材を分配したりと。作業班や機材など現地での位置関係はGPSなどを利用し、リアルタイムに可視化できる『社内情報連携システム』で確認。車両がどこに移動しているのかを把握しながら、壊れている基地局を復旧するためのやりとりをしていました。
今回の震災では道路の損壊が想定外で、地面が崩れかけ、現地へ行くかどうかの状況判断が必要な場面がありました。大雪による悪天候もあり、一歩間違うと大事故になりかねません。早期の復旧が求められているものの、現地の状況を写真で送ってもらい検討した結果、『行くのはやめて、戻ってください』と指示したことがありました。その判断をできたことが、とても印象に残っています。事故なく作業を終えることができて本当によかったです」
少しでも皆さんの役に立ちたい。その気持ちが社会課題の解決へ
社会課題の解決に直接結びついていると感じる瞬間はありますか?
齋藤 「災害のときにやはり一番感じますね。普段何気なく使っているものが使えなくなるのは、一番心細いと思います。支援に携われることで、少しでも皆さんのお役に立てていると感じています。
東日本大震災では、今のような体制が整っておらず、みんなが試行錯誤で対応していました。当時の経験を教訓に、バックアップの重要性を再認識し年々体制が確立。新しいソリューションができ、日々改善・改良を重ねています」
葛 「私の主な担当エリアは東京のど真ん中になるのですが、東京都の島しょ地域も担当しています。通信需要が特に高い都市部にはより快適で安定した通信環境を提供することで、社会全体の利便性向上に寄与できていると思っています。その一方、台風がよく上陸する離島では、生活を維持する上でも通信が欠かせません。父島や母島は、本島からの便が1週間に1便しかないので、何かあったときに現地へ行くには時間もかかり大変です。昨年は、災害時のバックアップ設備を強化するため、大島から南の御蔵島にかけて6島間で伝送路のリプレイスを行いました。来週も、神津島へ行きます」
私たちがやるべきこと、やれることがまだまだあるんですね。
葛 「そうですね。都市部の通信品質の向上だけではなく、電波がつながらないところへ電波を届けること。まさに社会課題の解決に貢献できていると思います。皆さんの期待に応えていきたいですね」
(掲載日:2024年8月6日)
文:ソフトバンクニュース編集部
社会課題に、アンサーを。
テクノロジーは、幸せをつくれるか。「社会課題に、アンサーを。」をテーマに、課題解決に向けたソフトバンクのさまざまな取り組みをご紹介します。