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非常時の通信手段確保の切り札 “ドローン基地局” に込めた思い。 「社会課題に、アンサーを。」CM出演社員インタビュー③

非常時の通信手段確保の切り札 “ドローン基地局” の飛行に込めた思い。 「社会課題に、アンサーを。」CM出演社員インタビュー

社会課題解決への取り組みを紹介するプロジェクト「社会課題に、アンサーを。」。福山雅治さんが出演するCM「宣言」篇には、実際の業務に携わる社員が登場しています。

第1弾は持ち運び衛星アンテナ(可搬型衛星アンテナ)、第2弾はスマホ教室のそれぞれのシーンに登場した社員にインタビュー。今回の第3弾では、有線給電ドローン無線中継システムによる通信障害対策を担当する皆さんに話を聞きました。

CM出演社員

ソフトバンク株式会社 エリア建設本部
左から、東京ネットワーク技術部 岩永 柾輝(いわなが・まさき)、関東技術推進部 伊藤 匠平(いとう・しょうへい)、東京ネットワーク技術部 市川 葵(いちかわ・あおい)、関東技術推進部 松田 圭市(まつだ・けいいち)

通信障害時に上空のドローンでカバーしていち早い復旧を

CMに登場する「ドローン基地局」とは、どういったものなのでしょうか?

松田 「大規模な災害が発生した時に、停電や光伝送路の故障などにより既存基地局が利用できなくなった場合、該当の地域のサービスエリアをカバーするための手段として用意しているシステムです」

市川 「上空100メートルまで上昇して、ホバリングして電波を発射し、半径数km程度のサービスエリアを確保することができるものです。短時間で設置して使い始められることと、ドローンに給電用ケーブルを接続した状態で飛行するため、長時間稼働できるのが特長で『有線給電ドローン無線中継システム』と呼ばれています。

無線でもドローンを使った基地局は実現できたかもしれません。ただ、無線だと常に電力を供給することができないので、ドローンを飛ばしてからしばらくしたら、地上に下ろしてバッテリーを交換する対応が必要になってしまいます。そこで、地上の発電機で発電して、有線でつながっている上空のドローンに給電する方法を採用しています」

飛行訓練の様子

飛行訓練の様子

電力供給を続けることで、24時間ずっと稼働し続けられるということですね。

伊藤 「ドローン基地局には高い機動力もありますね。ワンボックスカー程度の車に、発電機とドローン本体、インターネット接続するための装置を載せて運べるので、車1台で出動して、半径数km程度のサービスエリアがカバーできるというのは大きいです。実際に、2024年1月に発生した能登半島地震の際、石川県輪島市門前町の一部エリアで、このドローン基地局を使って、通信エリアの復旧活動を行いました。

また、2024年9月21日に発生した低気圧と前線による大雨によって石川県で発生した通信障害においても、道路が寸断されて車両が侵入できない地域で、このドローン基地局を通信エリアの暫定復旧に活用しました」

能登半島地震での活動

能登半島地震での活動の様子

石川県での活動

石川県珠洲市での活動の様子

災害によって通信障害が発生した際、ドローン基地局を使ってどんな対応をするのでしょうか?

松田 「災害時の通信障害に備えて、ドローン基地局以外にも、いろいろなソリューションを用意しています。まず、全国で96台(2024年8月時点)で配備している移動基地局車は、避難所やランドマーク、役場などの自治体庁舎など、主要な拠点をカバーします。他には衛星アンテナと発電機を組み合わせたソリューションで、既存基地局の復旧を行うこともあります。

ドローン基地局は、移動基地局車と組み合わせて使うイメージです。道路が寸断され、復旧させたい場所へたどり着けない場合に、上空から通信エリアを構築して離れたエリアをカバーすることになります」

重要な社会インフラ「スマートフォン」のつながりを届けていきたい

能登半島地震での活動の様子

能登半島地震や石川県の大雨災害でも使われた「ドローン基地局」、今後の災害時には活用が進んでいくのでしょうか?

松田 「ドローンを飛ばすためには、ある程度広いスペースが必要になったり、風が穏やかであったりなど、条件が必要です。条件が整った状況では、災害時に有効なソリューションですので、今後、他のソリューションと組み合わせるなどして、活用の場を広げていきたいと考えています」

社会課題の解決に直接結びついていると感じる瞬間はありますか?

松田 「今やスマートフォンは社会インフラとして非常に重要なものになっていて、買い物をする、誰かとコミュニケーションをする、災害時に連絡を取り合う・避難指示を確認するなど、あらゆるものが携帯電話を中心に回っています。いつ何どき、誰とでもどこにいてもつながるような環境を提供するのがわれわれの使命と考えていて、ドローンでの災害対策に関わる活動に携わっています」

松田さん

市川 「松田さんの言葉のとおり、スマートフォンが社会インフラとして欠かせない存在となっている中、災害時に通信障害が起きた際、われわれがアプローチすることで早くネットワークを復旧させることがレジリエンスの向上につながっていると感じています。災害対策以外の日常の業務では、建物の地下など遮蔽(しゃへい)エリアのネットワーク対策を担当していて、圏外のエリアを1カ所ずつエリア化しています。災害対策と同じく、0を1にすることで社会課題に向き合っていると感じますね」

市川さん

“エリア化は0を1にすること” 納得です。

岩永 「能登半島地震では、現地入りしている協力会社の方と連絡を取り合い、基地局の復旧作業について指示を出していました。通信障害が発生していたエリアが次々と復旧していくのを目にすると、自分がやっていることが何かに寄与できているのかなと思います。

普段担当している東京の屋外のエリア対策では、元々通信はできているエリアでさらに通信品質を良くできないかと取り組んでいます。「社会課題」というと難しく感じますが、こうしたことも何かしら社会課題の解決に結びついているのではないでしょうか」

岩永柾輝さん、伊藤匠平さん)

伊藤 「松田さんと一緒に能登半島地震の復旧活動で現地入りしたとき、ソフトバンクの携帯電話が使えないため、情報が手に入らなくて、コントロール部隊とうまくコミュニケーションが取れないという状況を体験しました。
現地でドローン基地局を立ち上げて電波を発射して、やっと携帯電話で通信できるようになったときに、通信ができることの大切さを、実体験を通して感じました。

昨年度までは、東京都内のモバイル基地局建設業務をメインに担当しておりました。東京都の離島に実際に出向き、電波測定や基地局の改修工事などを行ったときに、現地で品質が良くなりましたね、という声をユーザから聞くことがあり、社会課題の解決に何かつながっているのでは、と思いました」

「社会課題に、アンサーを。」CM出演社員インタビュー

(掲載日:2024年10月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部

社会課題に、アンサーを。

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