ソフトバンクは、経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄2025」(以下「DX銘柄2025」)において、DXグランプリ企業に初めて選定され、5月30日に表彰式が行われました。
- 「DXグランプリ2025」に選定(2025年4月11日 ソフトバンク株式会社)
DX銘柄とは
企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定するもの。選定企業の中でも特に、“デジタル時代を先導する企業” として際立った成果をあげている企業がDXグランプリ企業として表彰されます。
通信会社の枠を越え、次世代の社会インフラを提供する企業へ
「DX銘柄2025」の応募企業311社から選定された31社のうち、ソフトバンクを含む2社がDXグランプリ企業に選ばれました。ソフトバンクが「DX銘柄」に選定されるのは、今回で5年連続となります。社内におけるデジタル・AI人材の育成や、既存ビジネスモデルの業務効率化・高度化など、DXの実現能力と企業価値向上につながるDXの幅広い取り組みが高く評価されました。
ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一は、冒頭「2020年からDX銘柄にチャレンジしてきて、5期目でようやくグランプリを受賞できた」と喜びを表明し、これまでの挑戦を振り返りつつ、AI時代を見据えた社会インフラ構築への意欲を語りました。
続けて、AIの進化を背景に、ソフトバンクが通信会社という枠を越え、次世代の社会インフラを再構築してきた経緯に触れました。「人間の脳の計算能力(10ヨタフロップス)を越えるAIモデルが出てきており、AGIやASIといった世界も現実味を帯びてきている」とし、AIとの共存社会の到来を早くから意識していたと語りました。そうした未来に向けた取り組みの一つとして、一極集中型ではない「分散型AIデータセンター」構想を紹介。北海道苫小牧市や大阪府堺市で大規模なAIデータセンターの構築が進行しており、2026年度の稼働を予定しています。
また、生成AI関連の取り組みとして、国産LLM「Sarashina」の開発状況を報告。開発着手から1年で4,600億パラメーターのモデルを構築し、そこから蒸留した700億パラメーターのモデルを2025年内に商用展開する計画であると述べました。「七五三」のような日本特有の文化も理解できる日本語に特化したモデルであると説明しました。
加えて、MEC(Multi-access Edge Computing)の技術を活用し、基地局などにGPUを設置する取り組みにも触れ、リアルタイムでの推論処理に向けた環境整備が進んでいると紹介しました。
今後の取り組みとしては、「クリスタル・インテリジェンス」プロジェクトを挙げ、米OpenAI社とのジョイントベンチャーでAIエージェントのオーケストレーション機能を開発する構想を紹介。企業の意思決定支援や業務の自動化による経営変革を視野に入れていると語りました。
最後に宮川は、「私たちは通信インフラ企業から、次世代の社会インフラを提供する企業への進化を目指している。毎日が試行錯誤の連続だが、その積み重ねが今回の受賞につながったのではないか」と振り返りました。「全社を挙げて引き続き取り組んでいく」と来年の再選出にも意欲を示しました。
ソフトバンクは、人々の生活、社会がより良い方向へ進むよう、今後もDX事業を推進していきます。
ソフトバンクのDX事業

働く人々の問題も、人々の生活も、よりよい方向へ社会が進むよう、ソフトバンクではさまざまなDX事業を推進しています。
(掲載日:2025年6月3日)
文:ソフトバンクニュース編集部