ソフトバンク人事担当に聞いたリスキリングの悩みと進め方

2023年3月24日掲載

人事担当者向けリスキリングの進め方

ビジネスで必要なスキルが変化する中、企業の成長を維持するために欠かせない取り組みとして注目が集まる「リスキリング」。しかし、その実施には悩みを抱える人事担当者も少なくありません。そこで、本ブログではそうした悩める人事担当者へ、リスキリングを効果的に進めるステップをお伝えします。

目次

人事部門担当者が悩む「リスキリング」

近年、AIなどデジタル技術の業務利用が急速に進んだことにより、社内の人材にそれらの扱いなどを学習させるリスキリングへの関心が高まっています。貴社でもリスキリングについて関心を持つ方が増えているのではないでしょうか。

しかし、リスキリングでは下記の点で悩むことが多いと、ソフトバンクで人材開発部の部長を務める岩月は語ります。

 

-社内のスキル状況が分からない

-どのようなスキルを学ばせるべきか決められない

-リスキリングで知識を身に付けた人材をどう扱ったらよいのか

 

そこで、本ブログではこれらの悩みを解決してリスキリングを進める手順を紹介します。 

リスキリング実施のステップ

①人材データベースを作り、誰が学ぶかを決める

はじめに、社内の人材情報を網羅的に可視化することが必要です。業務履歴や保有スキルなどを確認できるデータベースを作成しましょう。

ただ、日本企業では社内や関連会社間での人事異動が多く、支社や部門などに人材データが点在している場合があるので、部署横断的な情報収集が必要になります。そのため、経営層に情報提供の呼びかけなどへの協力を求めましょう。

その上で、経営戦略の観点から、どの部門の誰がリスキリングをするべきかを決めます。

②必要なスキルを割り出す

本会社が掲げている経営戦略を達成するのために必要な人材像とスキルを設定します。

そのためには、①で作成したデータベースから現状のスキルレベルを抽出し、必要なスキルレベルとのギャップを把握します。この時のギャップが、従業員に学ばせる内容を決める際の基準となります。

例えば、経営目標達成のためには「営業支援システムを使いこなし、デジタルセールスを推進する人材が20人必要」だとした場合、現状が「営業活動の記録をExcelなどで行っている」のであれば、「営業支援システムの扱い方を覚える」ことが必要な学習の1つとなります。

③会社と従業員の意思を合わせる

リスキリングを実施する前に、対象の従業員にその必要性を説明し、合意を得ることが求められます。本人のキャリア意向と会社の要望がマッチしてこそ、従業員は意欲的に学習することができるのです。

業務でどのようなことを成し遂げたいのか、将来的にどのような職種につきたいのかといった従業員の希望を1on1ミーティングなどで確認し、リスキリングの方向性を柔軟にすりあわせていき、従業員と会社側の双方が納得した上で学習できるように調整しましょう。

④学習計画を立案し、実行する

設定した必要なスキルを従業員に習得させるための計画を作成します。既存の業務をより高度化したり、新しい職務につけるようにするためのスキルは一朝一夕には身に付かないこともあるため、初歩的な内容からはじめて徐々に高度なものにするなど、段階的な学習計画を組みましょう。

また、リスキリングは個人の意思ではなく、会社の意向で従業員に知識を学ばせるものです。そのため学習は業務の一環として捉え、就業時間内に行うことが一般的ですので、従業員が在籍している部署のマネージャとも事前によく話し合い、業務量を調整することも必要です。

こうした準備を整えた上で、研修など従業員がスキルを学習できる方法を用意します。現在はテレワークが普及しているため、オンラインでの学習サービスも数多く存在しています。従業員の就業形態を考え、適した学びのスタイルを選択しましょう。

⑤学んだスキルを実践させる

リスキリングの最終局面として、従業員が学んだスキルを実践できる場を作ることも重要です。

例えば、営業担当者に営業支援システムの使い方を習得させた後、そのスキルを利用して業界全体を対象とする営業施策の立案を任せたり、あるいはプログラミングを学ばせた後、システム部門に異動させて営業視点も持ったエンジニアとして活躍してもらうなどの実践方法が有効です。こうして学んだスキルを業務で活用することでリスキリングの目的を果たすことができます。

また、リスキリングにより新たな業務や職務についた従業員は昇進・昇格の対象とするなど、インセンティブを設けることも学習を社内に根付かせる上で効果的です。

リスキリングには社内の理解も重要

リスキリングは新しいスキルを学ばせるという性質上、実際に効果が出るまでにはある程度の時間を要します。また、就業時間を割いて学習に充てるため、施策の初期段階では社内に反対の声が上がることも考えられます。

しかし、ビジネスに必要なスキルが急速に変化してきていることを踏まえると、企業が今後の成長を維持するためには必要不可欠な取り組みです。経営層などとも協力し、社内の理解をしっかりと得た上で進めていくことが求められます。

ソフトバンクでは自社のリスキリング情報をまとめたWebサイトを用意しています。リスキリングを効果的にすすめるためのツールも紹介していますので、ご興味がある方は下記リンクから各種の資料やオンラインセミナーなどをぜひご活用ください。

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