LINE eKYCって何だ?からスタートして開発実装するところまでのお話

2022年12月15日掲載

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こんにちは!

ソフトバンクの法人事業統括でエンジニアをしている澤野と申します。

この記事は、ソフトバンク Advent Calendar 2022 の 15日目の記事になります

今回は、国内で9,200万人(2022年3月時点)が利用する​LINEアプリやLINE Payに比べて、認知度が低く、ネット上でほとんど情報が無いLINE eKYCの開発のお話です。

LINE eKYCって何だろう?からスタートして実際に開発にチャンレジしたところまでのお話を書きます。

目次

  • この記事では、知名度が低くあまり情報が無いLINE eKYCについて、メリットや特徴、試行錯誤しながら、LINE eKYCの開発をした際のお話を書きます。
  • LINEやeKYCに詳しくない方でも、LINE eKYCのメリットや開発範囲について知ることが出来ます。
line-ekyc

エラーのフィードバック例

顔写真と本人確認書類の類似度が一定以下の場合の例。

不備があった場合、不備の内容を自動でフィードバックしてくれる。

LINE eKYCとは?

■LINE eKYCとは?

LINE eKYCは、LINEアプリ上で、​オンライン本人確認(eKYC)を行うAIソリューションです。

■メリット・特徴

LINE eKYCには様々なメリットがあります。私が、個人的につけたメリットの順位が以下です!

  • 最大24時間 途中再開が可能(eKYCは撮影など通常より長い時間がかかる登録フローなので、これはありがたい!個人的に感動したpoint)
  • LINE OCR技術で高い精度で読み取り(ユーザーストレス軽減で離脱防止)
  • メール登録や専用アプリのダウンロードが不要
  • フロント画面のUIが付属しているので開発速度が速く、開発コスト低
  • 不備があった場合、自動フィードバックやLINEで再提出依頼ができる
  • 日本で最も普及しているプラットフォームが入り口※9,200万ユーザー(2022年3月時点)

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LINE eKYCのフロー

  1. トーク上から専用URLでeKYCを起動
  2. 通知メッセージの表示※「いただいた情報は目的以外には利用されません」等
  3. 利用規約の表示※LINE社ではなくサービス提供者の利用規約です。開発中は暫定のURLでOK
  4. 顔写真の撮影
  5. 身分証明書の種類の選択 ※運転免許証、マイナンバー、在留カード
  6. 身分証明書の撮影
  7. サーベイ(アンケート)にて本人情報の入力
  8. 「提出が完了しました」を表示しeKYCを終了

2種類のモデルと開発の範囲

■2種類のモデル

LINE eKYCには、ニーズにより次の2種類のモデル(2種類のアーキテクチャ)があります。

  • eKYC UIモデル:UI + Webhookの提供➡UIが付属しているので開発コスト低
  • eKYC APIモデル:APIのみの提供➡UIページを全て開発するため開発工数高

今回は、UIモデルの開発が対象です。(APIモデルについては別の機会に!)

■開発の範囲

開発の範囲として、「最低限」、次の開発・設定が必要となります。

  • UIモデルコンソールからeKYCプロジェクト作成と必要な設定を行いデプロイ
  • ユニークIDを作成しユーザーに専用URLを送信(Messaging API)
  • 受信したeKYCデータをDBに保存

開発環境の説明:言語・フレームワーク

言語はPython、フレームワークはFlaskを採用

Flaskの特徴は?

  • 軽量でシンプルな機能(マイクロフレームワーク)
  • 学習コストが低い(Djangoと比較すると)
  • 拡張機能が豊富

開発環境の説明:サーバの構成(テスト環境)

テスト環境のサーバー、DBはAlibaba Cloudで構築。

我々のチームではAlibaba Cloud経験者が多く、全員Alibaba Cloudのアカウントを持っているというのが大きな理由。

次のクラウドリソースを用いてテスト環境を構築。

●Alibaba Cloud Function Compute

●マネージドサービスDB (ApsaraDB RDS for PostgreSQL)

FC(Function Cmpute)はサーバレスと呼ばれる種類のアーキテクチャです。CI/CDでは通常k8sなどコンテナを利用することが多いですが、テスト的に利用するにはサーバーレスのサービスでも十分です。アクセスした分だけの支払負担なのでコストも非常に安いです。

ちなみに、本番環境は、CNAP(※)というソフトバンクが提供するクラウド環境でコンテナ(k8s)構成を予定していました。

※CNAP(Cloud Native Application Platform)

まとめ

eKYCのような複雑なオンライン本人確認システムも、LINE eKYCを使えば、比較的簡単に作れちゃいます!

LINE eKYCは、性能が良く、機能も豊富。さらに、使い慣れた公式アカウントから実行できる有望なソリューションです!

この記事が、LINEアプリ開発、eKYC開発のきっかけになりましたら幸いです☆彡

 

明日は、ソフトバンク Advent Calendar 2022 の 16日目です。小野さんよろしくお願いします。

参考情報 今回ブログで書ききれなかった情報を以下にまとめまています!

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