自治体(茨城県境町)で定期運行している自動運転バスに乗って来た

2023年12月17日掲載

キービジュアル

こんにちは、寺尾です。

ソフトバンクアドベントカレンダー2023  の17日目の記事です。

この記事は、茨城県境町で運行中の自動運転バスに乗車体験をしてきたレポートです。境町の自動運転バスは事前の登録なども不要で手軽に乗れると聞いたので行ってきました。

最初思っていたよりも遠かったり、見たいところが多くて時間が足りなくなったりしたので、もし行きたいと思っている方は、このレポートを参考にして貰えたらと思います。

茨城県の「茨城デスティネーションキャンペーン」の実施に合わせ、10月から3月までアニメのキャラクターが茨城の観光スポットを旅するバージョンのオープニングが放送されているのですが、有名な観光スポットの1つとして境町の自動運転バスに乗車するシーンが登場します。ハンドルが無いので驚いている様子がみられますので、是非アニメ番組もオープニングも見てみてください。

目次

この記事では
  • 境町の自動運転バスの体験乗車のレポートです
  • 東京からの行き方や境町の見どころを紹介します
  • この記事を参考にして、是非行ってみてください

はじめに

今年は自動運転レベル4が解禁されて自動運転に注目が集まっています。筆者はまだ自動運転の車両に乗ったことが無かったので、何処かで乗りたいなと考えていました。時間が取れたので、茨城県の境町の自動運転バスに乗車してみようと計画して行ってきました。

自動運転レベルとは

自動運転は国土交通省によって以下のような5つのレベル分けがおこなわれています。

レベル5

完全自動運転

レベル4

特定条件下における完全自動運転

レベル3

条件付き自動運転

レベル2

特定条件下での自動運転機能(高機能化)

特定条件下での自動運転機能(レベル1の組みあわせ)

レベル1

運転支援

茨城県境町の自動運転バス

茨城県境町観光協会のWebサイトに詳細が載っています。

自動運転バスはフランス製『ARMA(アルマ)』、複数の自動運転車両の運行を遠隔地から同時に管理・監視できるBOLDLYの自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活用して、町内の医療施設や郵便局、学校、銀行などをつなぐルートで自律走行バスの運行が可能。自治体が自動運転バスを公道で定時運行させたのは茨城県のみならず、全国初となります。」

高齢者などが免許を返納すると自家用車による移動手段を失ってしまうことから、新たな取り組みとして自動運転バスの導入を行ったとのことです。現在の自動運転レベルはレベル2となっています。

予約などの事前準備は不用で、どなたでも乗車でき、乗車運賃は無料となっています。

茨城県境町ってどこにあるの?

だいたい下の地図のあたりで、東京からは車や公共交通機関で約90〜2時間程度の距離です。

地図はGoogleマップを利用

自治体のWebサイトにもアクセス方法が載っていますので参考にしてみてください。

私が調べたモデルコースを紹介してみたいと思います。

 

高速バスで移動する方法

一つ目は高速バスを使う方法があります。境町からは、東京駅と王子駅に高速バスが走っていて、高速バスの到着時間と自動運転バスの発車時間は丁度良いように調整されているため便利です。

自動運転バスの本数はあまり多くないため時間に間に合わないと1−2時間待たなければいけない場合がありますので、事前に良く下調べをして、時間に余裕を持って移動しましょう。

※移動しやすそうな便のみを掲載しています。他にも運行便がありますので最新の時刻表を再度確認ください。
※交通状況等により時間通りに運行できない場合があります。

車で移動する方法

2つめは車で行く方法。筆者は車で向かいました。

道の駅さかいは、駐車場もあり、向い側にはドン・キホーテや御老公の湯などもあり、時間が自由になる場合、立ち寄りも出来るためおすすめです。

※移動しやすそうな便のみを掲載しています。他にも運航便がありますので最新の時刻表を再度確認ください。

※交通状況等により時間通りに運行できない場合があります。

乗車体験

まず、道の駅さかいの駐車場に到着。
バス乗り場が良く分からずお店の人に聞いたところ建物の裏側にあるらしい。
道路を急いで歩いているとおしゃれな建物が見えてくる。
隈研吾氏設計のレストランらしい。その向こう側に駐車していました。

出発の2分前にギリギリ間に合って、無事乗車できました。余裕を持っていきましょう。

乗車したのは、境町オリジナルのラッピングが施された自動運転バスです。

このデザインは、境町出身の美術家である内海 聖史氏が、境町のコンセプトである「自然と近未来が体験できるまち」をイメージしたものだそうです。

中にはオペレーターの方が1名乗車しており、1人目の乗客でした。

車内は多くのカメラが設置されており、入口では体温や乗車人数をカウントするのに利用しているそうです。ゆくゆくは顔認証決済なども目指したいとオペレーターの方は仰っていました。

オペレーターの方が操作をして、スタートします。

動き始めや停止時はちょっと強めの衝撃を感じます。急な障害物を検知した際のブレーキングは停止を優先して強めのようです。進行方向に向いている座席では前のめりにならないよう必ずシートベルトをしてくださいと案内されました。

見ての通り、境町の道路は道幅が狭く自動運転には必ずしも最適な環境では無いようです。現状の運行は自動運転のレベル2で、オペレーターが主となり、可能な部分は自動運転。一時停止は必ず停止。オペレーターが安全を確認して発進操作をする感じでした。

デザインが可愛らしく、スピードも比較的緩やかなので少年が隣を走って併走する場面にも遭遇して地元に愛されているなと感じましたが、自動運転的には危険ですし、併走していると障害物と認識して接触防止で緊急停止するそうで、オペレーターの方が手動で停止して、隣を走らないように注意をしていました。

自動運転はあらかじめコースをデータ化し、障害物や建物の3次元地図として保持しておくことで、カメラと8つのライダーセンサーを使った障害物認識と保持している地形図を照らし合わせ、異常な点が無いかを把握しているそうです。地面に特に埋めていないので構築が楽な面もありますが、建物の形状が建て替え等で変わってコース周辺の状況が変化すると認識がエラーになるため自動運転出来なくなるという特性があるそうです。

初めて見ましたが、路面には、このような黄色と青の標識があります。

黄色は自動運転バスのバス停を表し、青は自動運転バスの運行ルートで有ることを示しているそうです。初めて見ましたが、これが町中に溢れる日がそんなに遠くない未来では無いかと感じました。

エコスというスーパーで乗り換えます。

帰りは、町民の方の公募デザインのバスで、道の駅さかいに戻りました。

このコースでは約30分程度で戻って来れました。

道の駅さかい周辺のみどころを紹介

道の駅さかい

境町特産の物産コーナーや、沖縄物産コーナーなどがあり、お土産を買うには最適です。

さかい河岸レストラン茶蔵

道の駅さかいの隣にあるレストラン茶蔵は、有名な隈研吾氏設計の建物です。外観を覆うように杉材がデザインされ内側にあるポットではさしま茶が栽培されて環境にも配慮されています。

この建物の奥に自動運転バスの停留所があります。

境町には隈研吾氏デザインの建物が6つもあり、道の駅さかいにある「さかいサンド」、次に紹介する「干し芋カフェ」も隈研吾氏設計の建物です。自動運転バス体験のついでに建築探訪してみるのも良いのではないでしょうか。

干し芋カフェ

干し芋カフェの干し芋プリンがとても美味しかったので是非行ってみてください。

河岸の駅さかい(店頭販売は終了)

写真はhttps://www.sakaimachi.co.jp/feature/detail?id=2561 より引用

アニメ番組のオープニングにも登場する「河岸の駅さかい」は2023年3月31日をもって店頭販売は終了して、製造だけしており、道の駅さかいで販売しているそうです。ご注意ください。道の駅さかいからは徒歩で行ける距離にありますのでアニメと同じようにここから自動運転バスに乗車するのもおもしろいかも知れません。

まとめ

  • 案外境町は遠かったので、時間に余裕を持ってプランニングしてください
  • 手軽に行くには高速バス、車で行ける方は道の駅さかいの駐車場に停めると便利です。
  • 現在の自動運転レベルはレベル2。
  • 対向車や歩行者などがいる環境で自動運転を行うにはもう少しの性能向上が必要だと感じました。レベル3以上を実現するには広い道幅や歩車分離などが整備されている方が有利であることも分かりました。
  • 羽田で実現に向けた準備をしているレベル4の自動運転も是非体験してみたくなった。
  • やはり、聞くだけと体験するのでは情報量が格段に違うので是非体験してみてください。

すでに、12/12 から新型の自動運転バスが運行しているそうなので、また乗りに行ってみたいと思います。

では、16日目にバトンを渡します。

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