新しい営業スタイル「インサイドセールス」。その概要と重要性とは?


"新しい営業スタイル「インサイドセールス」。その概要と重要性とは?"

(2020年10月14日 掲載)

目次

従来、日本では多くの企業がお客さま先へ訪問し、対面で商品やサービスの提案を行って取引を成立するフィールドセールスを中心にしていました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、日本においても2020年2月頃から新しい生活様式が模索されるようになり、それまでの営業スタイルを見直す必要性に迫られました。

そこで注目されているのがインサイドセールス(非対面営業)です。今回は、インサイドセールスの概要と重要性について確認し、スムーズに導入するためのポイントを探ってみましょう。

インサイドセールスとは

フィールドセールスが外勤型営業を意味するのに対し、インサイドセールスとは、内勤型営業を指します。インサイドセールスでは、対面で営業するフィールドセールスと違って、電話やメール、Web会議ツールなどを活用して相手と対面せずに営業活動を行います。

営業業務におけるインサイドセールスの位置づけや役割は、商品・サービスや企業によっても異なります。見込み顧客へのアプローチからクロージング(契約締結)までの全工程をインサイドセールスが受け持つ場合もありますが、最も一般的なのは、マーケティングとフィールドセールスの間の業務をインサイドセールスが受け持つパターンです。

このパターンでは、マーケティング部門が広告展開によって集めた見込み顧客のデータをインサイドセールス部門が引き継ぎ、メールや電話などで継続的にコミュニケーションを取ってアポイントメント獲得を目指します。アポイントメント獲得後の訪問とクロージング(契約締結)は、フィールドセールス部門が引き継ぎます。

インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスには多数のメリットがありますが、一方でデメリットもあります。ここでは、その両面を確認していきましょう。

メリット

  • 多数にアプローチできる

直接相手の職場に出向くフィールドセールスでは、移動や名刺交換にも時間をとられるため、1日にアプローチできる見込み顧客の数に限界があります。一方、例えばメールを活用したインサイドセールスであれば、移動時間が削減でき、かつメールの文面や資料はお客さまの反応が良かったものを次のセールス活動に生かすこともできます。その結果、1日にアプローチする件数を大幅に増やすことができるのです。

  • 人手不足の解消につながる

インサイドセールスは、短時間で多数にアプローチできる効率的な営業手法なので、少人数でも十分な成果が期待できます。多様な働き方に対応できるため、子育て中の従業員やシニア人材をうまく活用することができるという利点もあります。

  • 営業範囲を拡大できる

場所に縛られずに営業できるのもメリットです。フィールドセールスの場合、自社の拠点から訪問できる範囲が主なターゲットになりますが、インサイドセールスであれば全国にターゲットを広げられます。

  • 属人化を防げる

フィールドセールス中心の従来型の営業では、アプローチの度合い、提案のタイミング、顧客への対応の仕方がひとりの担当者の判断に委ねられがちです。そのため業務が属人化しやすく、担当者が退社すると顧客が離れてしまうケースもあります。一方、インサイドセールスでは、より情報共有や業務の標準化がしやすいため、フィールドセールスで起こりがちな属人化を防ぐことが期待できます。

デメリット

  • 情報共有の仕組みが必要

先述のとおり、インサイドセールスではアポイント獲得までを受け持ち、訪問とクロージングはフィールドセールス部門が引き継ぐのが一般的なので、両部門の綿密な連携が不可欠です。他部門との連携を強め、業務を標準化して途中で担当者が変わっても問題なく対応できるようにしていくには、デジタルツールを導入して、スムーズに情報を共有できる環境を整備する必要があります。

  • 信頼関係を築きにくい

インサイドセールスは効率的な手法ですが、直接相手と顔を合わせるフィールドセールスに比べると、信頼してもらいにくいというデメリットがあります。対面で会えば、営業担当者の誠意や人柄は自然と伝わるものですが、インサイドセールスでは商品やサービスの内容とともに、それらの要素をメール文面や電話での言葉遣いなどに込めなければなりません。担当者のコミュニケーションスキルによっては、なかなかアポイントを獲得しにくい場合もあるでしょう。

  • 相手の反応が分かりづらい

相手のリアルな反応をその場で確認することができない点も、インサイドセールスのデメリットと言えます。対面で商品やサービスの内容を説明する場合、相手の反応や表情を見ながら、うまく伝わっていない部分についてかみ砕いて説明したり、興味がありそうな情報を追加で伝えたりと、臨機応変に対応することができますが、電話やメールでは、一方的な説明に終始しがちです。そのため、商品の魅力を十分に理解してもらえないケースがフィールドセールス以上に増える可能性があります。

導入のポイント

では、企業がインサイドセールスを導入する場合、どのように定着させていけばいいのでしょうか。順を追って導入のポイントを紹介します。

  • 社内の意識改革

これまで主にフィールドセールスを行ってきた営業担当者がインサイドセールスを担当する場合、まず徹底した意識改革が必要です。新たに人材を集めて専門の部門を立ち上げる場合は、全メンバーにインサイドセールスを導入する理由や目的を理解させ、営業マインドをしっかり根づかせる教育が必要でしょう。メンバーに営業マインドが不足していると、顧客からの問い合わせや要望に受け身で対応するコールセンターのような状態になる場合もあるからです。

  • 営業プロセスの見直しと目標の確認

まずは、自社の営業活動のプロセスを可視化して適切かどうか見直し、プロセスごとの目的を明確にして共有しておきましょう。そのうえで、「フィールドセールスではアプローチが難しかった中小企業へのリーチを増やす」「営業活動の効率を高めてアポイント獲得数を増やす」といったインサイドセールス導入の目標を確認しておくことも重要です。

  • CRM・SFAの活用

インサイドセールスでは、契約締結に向けて営業部門にスムーズに業務を引き継ぐためにも、属人化を防ぐ意味でも、顧客や見込み顧客とのやりとりの内容をデータに残して共有・管理する必要があります。そのために役立つのが、CRM(Customer Relationship Management・顧客管理ツール)やSFA(Sales Force Automation・営業支援自動化システム)です。

CRMは、顧客の基本情報や購入履歴、営業活動の履歴といった情報を一括管理するツールで、傾向の分析やクレーム・問い合わせ対応のサポート、メールの一斉送信などの機能も備えています。一方のSFAは、顧客情報や案件ごとの進捗状況、営業担当者の行動履歴などを管理するとともに、報告書の作成をサポートし、営業業務を効率化、自動化するツールです。

CRM、SFAともにさまざまな製品があり、製品によって使える機能や費用は異なります。なお、現在は両者の機能を網羅した、CRMとしてもSFAとしても使える製品が増えています。

  • 情報管理や顧客対応のルール作り

業務を標準化、効率化するためには、顧客情報のデータ管理や顧客対応の基本ルールを設定し、徹底することが重要です。どの情報をどんなツールやフォーマットで記録して管理するか、明確に決めて共有しておきましょう。基本的な顧客対応については、マニュアル化しておくといいでしょう。

  • 部署間の連携

インサイドセールスは、マーケティング部門、フィールドセールス部門との連携によって機能します。情報共有の仕組みを整えたうえで、両部門と定期的なミーティングの機会を設けて目標や進捗状況を共有し、お互いに評価し合って業務の質を高めていくことが大切です。

成功に導くコツ

インサイドセールスは、訪問や対面の機会を最低限に減らして営業できる手段であると同時に、効率的に目標を達成するための手法でもあります。成功に導くためには、定期的に成果を振り返るというプロセスが欠かせません。目標を達成できたかどうか、できなかった場合は何が原因になっていて、どこを改善すればいいのかを話し合い、仕組みやルールを見直しましょう。
また、さらなる効率化を目指すなら、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)ツールを活用するのもひとつの方法です。興味の度合いに合わせた情報を届けて見込み顧客を育成し、新規の購入・契約へとつなげることは、インサイドセールスの重要な役割のひとつですが、そうした業務の大部分を自動化するのがMAツールです。製品によってはCRMやSFAとの連携も可能で、導入すれば業務負担の軽減、営業活動のスピードアップにつながるほか、売り上げの向上も期待できます。

ニューノーマル時代の営業スタイルを取り入れて、
新たなニーズに対応しよう

インサイドセールスは、これまで以上に注目を集めています。背景には、働き方改革や新型コロナウイルス流行の影響で、社会全体がニューノーマル(新しい常態)への転換を迫られていることがあります。生活様式と同様に、ビジネス様式もニューノーマルに合わせて変革していくべき時期なのです。

インサイドセールスを取り入れることで、企業はより顧客のニーズに対応した営業活動ができるようになり、さらにはこれまでアプローチできなかった層の新たな見込み顧客の掘り起こしにもつながっていくと考えられます。ただし、導入時には自社の営業活動を洗い直し、仕組みを作り直す必要が生じるでしょう。CRMやSFA、MAといったツールをうまく活用することが、効率的にインサイドセールスを行い、営業活動の質を高める鍵となります。

インサイドセールスの導入を検討しているものの、どこから手をつけたらいいのか悩んでいる、どのツールを選べばいいか分からないという場合は、専門の企業に相談することから始めるのも選択肢のひとつです。例えばソフトバンクでは、インサイドセールスに関する専門知識と対応するソリューションを提供しています。これからのデジタル時代に成長し続けられる体制を作るためにも、インサイドセールスの導入と充実を図っていきましょう。

関連リンク

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