(2020年4月9日掲載)
こんにちは。ソフトバンクの島崎と申します。業務では主にクライアントのIaaS関連のクラウド移行のお手伝いや、Azure仮想デスクトップサービスWVDの提案などを行っています。 さて、みなさまのソフトウェア開発現場において、以下のような課題を感じたことはありませんでしょうか?
- ソースコードの管理が煩雑になっている
- コードレビューで多くの時間がかかっている
- 社内からしかコードにアクセスできず、リモートワークの妨げになっている
今回は上記の課題でお悩みの方に、パブリッククラウド「Microsoft Azure」の中のDevOpsツール、「Azure DevOps」の基本を解説していきたいと思います。機能が多岐にわたるので、本ブログでは、2回にわたりリポジトリを提供する「Azure Repos」について基本的な利用方法について、実際の画面を見ながら紹介したいと思います!
目次
1. Azure DevOpsとは
一言で言うと、パブリッククラウド「Microsoft Azure」 から提供されている、DevOpsのサービス群になります。ソフトウェアにおけるチーム開発を効率化し、またその品質の向上を支援します。
【Azure DevOpsの主な機能】
・Azure Repos
リポジトリ機能。ソースコードを保管し、そのバージョンを管理します。
・Azure Boards
チームタスクの見える化を行うかんばん機能。
・Azure Pipelines
継続的インテグレーション&デリバリー(CI/CD)機能を提供。ソースコードの、ビルド、テスト、デプロイを行います。
・Azure Test Plans
手動テスト項目の作成、共有、レポート出力機能。
・Azure Artifacts
自身で作成したパッケージを共有する機能。
本記事では、リポジトリ機能である「Azure Repos」について解説したいと思います!
2. Azure Reposとは
バージョン管理システム「git」に対応したリポジトリサービスになります。開発者が作成したソースコードを保管し、チームで共有、またそのバージョンを管理します。同じような機能を持つサービスとして、「GitHub」や「GitLab」などがあります。
【Azure Reposの主な機能】
・分散バージョン管理(git)の機能
リポジトリをローカルPCに複製することができるため、ローカルPC内でコードの修正内容の動作確認などを行うことができます。
・ソースコードバージョン管理
誰が、いつ、どの箇所を修正したのかが、全て記録されています。
・コラボレーション機能
プルリクエストによるチームレビュー機能を提供します。
それでは、詳しい使い方について見ていきましょう!
3. Azure DevOpsのデプロイ
Azure Reposを利用するためには、Azure上で「Azure DevOps」サービスをデプロイする必要があります。本章でAzure DevOpsをデプロイしていきます。
3.1 Azure Portalへログイン
①Azure Portalへ、ログインします。
3.2 Azure DevOpsのデプロイ
①ポータル画面左タブ「すべてのサービス」から、検索バーにて「devops」と入力します。
②「Azure DevOps」を選択します
③ 画面中部の、「My Azure DevOps Organizations」を選択します
Azure DevOpsを利用するためには、はじめに「organization」を作成する必要があります。
「organization」は、Azure DevOpsにおいて、最も上位の階層に位置し、複数のユーザを束ねる組織になります。各ユーザは、organizationにアクセスできる権限を与えられることで、当該organizationに紐づけられているproject(後述)を利用し、ソースコードの共有など、各種機能を利用することができます。
④新しい組織を作成するため、「新しい組織の作成」を選択します
⑤「Continue」を選択します。
⑥任意のorganization名を入力し、ホストするリージョンを選択、その後「Continue」を押します。
※organization名は、グローバルで一意である必要があります。
以上で、「Azure DevOps」と、そこで利用する組織がデプロイされました!
3.3 projectの作成
本章で「project」を作成していきます。
「project」とは、organizationに参加しているメンバーで進行する、各案件(プロジェクト)に該当します。各ソースコードなどは、projectごとに管理されます。
メンバーは1つ以上のprojectにアサインされることで、Azure DevOpsを利用して、コード開発などの業務を行っていきます。Azure DevOps画面上から、新規でprojectを作成し、開発中のソースコードをプッシュ(アップロード)して、利用をはじめることができます。
ただ今回は、Azureから提供されているサンプルアプリケーションが格納されているprojectを利用してAzure DevOpsの動きを確認したいと思います。手順①より、Azure ポータルから、「DevOps Projectsサービス」を、作成していきます。
① Azureのポータル画面に戻ります。「すべてのサービス」で「devops」と入力し、「DevOps Projects」を選択します。
②「DevOps projectsの作成」を選択します。
③「Start fresh with a new application」にて、アプリケーションの言語を選択し、「Next」を押します。※今回は「Python」を選択します。
④「Choose an application framework」にて、フレームワークを選択し、「Next」を押します。※今回は「Simple Python App」を選択します。PythonによるWebアプリがデプロイされます。
⑤「Select an Azure service to deploy the application」にて、デプロイ先のAzureサービスを選択し、「Next」を押します。「Function App」しかないので、これを選択します。※サーバレスサービス(Function App)を利用したアプリが作成されます。
⑥ 最後に、以下の項目を入力し、「Done」を押します。
- 「Project name」:任意のproject名
- 「Azure DevOps Organization」:前手順で作成したOraganization
- 「Subscription」:任意のサブスクリプション
- 「Function app name」:サーバレスサービスの名前
- 「Location」:デプロイする場所
以上で、サンプルアプリケーションのソースコードと、サーバレスなどのリソースがデプロイされ、同時に新規の「project」が作成されました!
ここからいよいよ、Azure Reposを使って、ソースコードを編集していきますが、長くなってまいりましたので、前編としてはここまでとさせていただきます。後編に関しては、「~ソースコードバージョン管理「Azure Repos」について(後編)~」をご確認いただければと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
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