高性能なカメラ機能を持つ Google Pixel 。天体撮影モードを使用すれば、撮影が難しいといわれる星空もきれいに写し出すことができます。
そこで今回は、星空写真家でありYouTuberとしても活躍する成澤広幸さんに、 Google Pixel を使った星空の撮影を体験していただきました。プロが実際に使ってみて感じた Google Pixel の魅力や、一眼カメラと Google Pixel のカメラ性能の違いとは? 成澤さんが国内外で撮影した星空写真もあわせてお楽しみください!
目次
成澤 広幸(なりさわ・ひろゆき)さん
星空写真家、タイムラプスクリエイター、ミュージシャン。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。全国各地で星空撮影セミナーを多数開催するほか、カメラ雑誌・Webマガジンなどで執筆を担当。著書に『成澤広幸の星空撮影塾 決定版』(双葉社スーパームック)、『星空写真 撮影ハンドブック』(技術評論社)など。動画撮影・編集技術を磨くべくYouTuberとしても活動している。
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普段は一眼カメラを愛用するプロ写真家が、スマホで星空撮影にチャレンジ!
「星空写真を撮る人たちの間で、 Google Pixel が話題になっていたんです。いつかスマートフォンで星空を撮れる時代が来るだろうと思っていましたが、実際のところどうなんでしょうね。きれいに撮れすぎてしまったらどうしよう、と思っています(笑)」
少しドキドキしながら、星空スポットへ
今回、成澤さんが Google Pixel での星空の写真撮影にチャレンジしたのは山梨県・山中湖。当日は快晴で月も細く、まさに絶好の撮影日和!
早速、三脚にスマホホルダーを取り付けて Google Pixel をセットします。
富士山を遠景に、星空と風景を同じ構図に収める星景(せいけい)写真の撮影を行います。湖に富士山が反射して、幻想的な写真に仕上がりそうです。
カメラアプリを開き、撮影モードを「夜景モード」に設定して数秒経過すると、シャッターボタンが月のマークから星のマークに変化。「天体写真モード」に切り替わったことを確認したら、シャッターボタンを押します。
「こんなに簡単にモードが切り替わるとは思いませんでした。AIが周囲の状況を判断してくれるんですね。一眼カメラの場合は状況に合わせてカメラを設定する必要がありますが、 Google Pixel は構図さえ決まれば、すぐに撮影を始められそうです」
カウントが始まってから、撮影が終わるまで、「天体撮影モード」では最大で4分の待ち時間が必要になります。
晴れているとオリオン座がくっきり見えます。オリオン座は冬の星座の代表格ですが、夏の終わり〜秋の初めの、深夜から見られるようになるそうです。星座を通して季節を先取りできるのも、星空撮影の醍醐味なんだとか。
同じ要領で何枚か撮影をしていった成澤さん。撮った写真を見てみると…
「スマホで撮影したと思えないほど、星空がきれいに写っていますね。湖に映った富士山とのコントラストもいい感じ。右側に写っている光の筋は飛行機ですね」
普段は一眼カメラで星空を撮影している成澤さんに、 Google Pixel を使って星空撮影をしてみた印象を聞いてみました。
「一眼カメラだと、レンズを換えて撮影することができます。レンズを換えれば写る範囲が広くなったり、ズームできるようになったりもするので、カスタマイズしてこだわりの写真が撮りたい人は、一眼カメラを使用するのがいいと思います。
でも、スマホでこれだけ撮れれば十分。重いカメラを持ち歩かずとも、旅行先のきれいな星空を写真に残せるのは、 Google Pixel ならではの利点ですね」
↓ Google Pixel で撮影した冬の大三角
↓一眼カメラで撮影した冬の大三角
「 Google Pixel にはタイムラプス動画(1枚ずつ撮影された写真をつなぎ合わせたコマ送り動画)を撮影できる機能も備わっているとか。日常的に使うツールの中に、こんなに充実したカメラ機能が備わっているのは大きな魅力だと思います」
星空をきれいに撮影できる三大条件とは? 成澤さんがアメリカで撮影した神秘的な風景も特別に公開!
星空写真には、どんな魅力があるのでしょうか?
一番の魅力は、人間の目に見えないものが写ることですね。私たちの目が捉える波長(光の色)と、カメラが捉える波長は異なります。人間の目にはぼんやりとしか映らない波長も、写真ではくっきり写るんです。
また、人間の目と違い、カメラは長時間の光を蓄積して1枚の写真に表現することができます。天の川を初めて撮影したとき、液晶モニターに無数の星がパッと表示されて「すごいものが写っている!」と感動しました。今でも、想定していなかったような素晴らしい写真が撮れたときは、自然と涙があふれてしまいます。
星空をきれいに撮影するための条件はありますか?
「天気」「月齢」「光害(ひかりがい)※」が、星空写真の3大条件といわれています。雲があると星が隠れてしまいますし、月明かりや街灯りやがあると星の光がかき消されてしまうからです。本格的な星空写真が撮りたい人は、この3つの条件がそろう日時や場所を調べてから撮影に出かけましょう。
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街の明かりが空を照らして星が見えにくくなる環境問題のこと
天気や月齢、光害はどのように調べればいいのでしょうか。
インターネットやフリーのソフトを使って調べています。
星空写真の難しいところは、撮影する季節や日にち、時間帯によって星の位置が変わること。例えば、10月に千葉の西海岸の海沿いで撮影をすることを想定して考えてみましょう。この時期は、西の方向に夏の天の川が見られます。ところが、千葉沿岸の西側には関東平野の光害があり、天の川の光がかき消されてしまうんですね。このように、撮りたい星や星座がどの方向にあるか、レンズを向ける先が暗いかどうかも事前に確認しておく必要があります。
さまざまな条件がそろって初めて、美しい星空写真が撮れるんですね。
山中湖での撮影前、アメリカでも撮影を行ったという成澤さん。カリフォルニアのジョシュアツリー国立公園で Google Pixel を使って撮影した星空写真を特別に見せていただきました!
「荒涼とした砂漠平原のあちこちに、ジョシュアツリーと呼ばれるユニークな形の木が生育しています。ジョシュアツリーを入れた星景写真を撮りたくてこの場所に向かいました」
「国立公園内は、街灯も人家もない真っ暗な砂漠地帯。あまりにも暗すぎたために、 Google Pixel ではジョシュアツリーが真っ黒に潰れて写ってしまいました。山中湖のように、少し街灯がある場所のほうが Google Pixel と相性がよさそうです。
こうした微妙な濃淡の表現は、一眼カメラのほうがまだまだ上手のようですが、コンパクトな装備で撮影できるので、大きな機材を持ち込みにくい場所にはうってつけだと思います。撮影場所や目的に応じて、一眼カメラと Google Pixel を使い分けるのがおすすめですね」
Google Pixel で撮影した星空写真をきれいに加工するポイントがあれば教えてください。
「手軽に編集もできますよ。カメラアプリや Google フォトから天体撮影モード専用の『Astroフィルター』を選択すれば、ワンタッチで補正ができました。明るいところはより明るく、暗いところはより暗くなり、コントラストのついた写真に仕上がります。
編集した写真をそのままSNSにアップできますし、皆とシェアすることで、星空を撮るのがより楽しくなりそうですね」
「冬は空気が澄んで星がきれいに見えるシーズンでもあります」と成澤さん。これからの季節は晴天率が高くなり、星を楽しめる機会も増えるでしょう。 Google Pixel なら初心者の方でも、手軽に星空を撮ることが可能です。学校や仕事の帰りなど、星がきれいだなと感じたその瞬間に、 Google Pixel で気軽にシャッターを切ってみてはいかがでしょうか。
(掲載日:2022年10月28日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
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