先日、沖縄県恩納村で「恩納村Save The Coralプロジェクト」の一環として、サンゴの苗の植え付けが行われました。恩納村は2018年に「サンゴの村」を宣言。ソフトバンクは環境保全活動「未来とサンゴプロジェクト」を通して、サンゴの苗の植え付けのための寄付を募集してこの取り組みを支援しています。
陸上の施設にある水槽でサンゴの苗を育成
「数十年前に海面を彩っていた黄緑色や青色のカラフルなサンゴは、ほとんど全てが白化してしまいました。地元の住民やボランティアの方と一緒にサンゴの植え付け活動を定期的に行うことで、以前のような豊かな海に戻そうとしているんです」
そう語るのは恩納村で10年以上サンゴの保全活動に取り組む恩納村マリンレジャー協会の内原靖夫さん。海中清掃といったサンゴの保護活動などを通して、地元の漁業関係者やダイバーをはじめ、恩納村漁業協同組合や恩納村観光協会、恩納村と協力しながら、豊かな自然環境の保全と育成に向けた活動に取り組んでいます。
一般社団法人恩納村マリンレジャー協会 会長
内原 靖夫(うちはら・やすお)さん
10年以上海中の清掃やサンゴの保全活動に取り組む。
一般社団法人恩納村マリンレジャー協会 会長
内原 靖夫(うちはら・やすお)さん
10年以上海中の清掃やサンゴの保全活動に取り組む。
- 一般社団法人恩納村マリンレジャー協会:https://oma.or.jp/
「サンゴ礁がなくなると、そこに住む小さなエビやカニや稚魚などがいなくなり、それを餌にする小型の魚もいなくなり、またそれを食べに来る大きな魚もいなくなり、死んだ海になってしまいます。観光客はきれいな魚が見られなくなりますし、村の産業の一つである漁業にも影響が生じてしまいます」
サンゴの苗は、最初は温室のような陸上の施設の水槽の中で数週間育ててから、海底の苗床へと移し、海底の苗床で3カ月から半年間ほど育成します。
植え付けには、岩場のサンゴを復活させるため岩場に植え付ける方法と、海面を埋め尽くすため支柱に針金で苗を巻き付けて植え付ける方法の2つがあります。今回は、前者の方法でドリルを使って岩場へ植え付けしました。
インストラクターの指示に従って海底へ。天気は快晴です
海底でドリルを使って、岩場のサンゴを復活させる
サンゴの苗の植え付けの場所には、サンゴの成育状況が良いとされる海中環境が選ばれているとのこと。潜ってみると、海底に育成中のサンゴの苗が並べられています。
海底の苗床の様子
サンゴは他の海の生き物と違って自分で動くことができないため、地球温暖化の影響をダイレクトに受けやすい生物。恩納村では、比較的高い水温に強い種類のサンゴの苗を中心に植えているそうです。
ドリルを使って岩場に穴を開けて…
穴にサンゴを挿し込み、ハンマーで打ち付けて固定します
「恩納村の海の清掃やサンゴの保全活動に、村外の方にも協力していただけることをありがたく感じています。一般の方も安全に参加できるように、ダイビングのインストラクターによる指導やサポートは欠かせませんし、船を出してくれる漁師の方のご協力があってこそできるこの取り組みは、環境保全だけではなく地元の産業を支えることにもつながっています。沖縄の西海岸リゾートと呼ばれる恩納村には島内から訪れる方もいます。美しい海を見て『恩納村にまた来たい』と感じてもらえることを期待してます」
サンゴの日当日のサンゴの苗の植え付けには地域のボランティアの方たちとソフトバンク社員も参加。グループ会社も含めてSDGsの達成に大きく貢献した取り組みを表彰するソフトバンク独自の「SDGsアクションアワード2022」の受賞企業の社員もその様子を見学しました。
ソフトバンクは「未来とサンゴプロジェクト」を通して恩納村の環境保全活動を支援しています。
その他のサンゴの取り組みについては、こちらの記事もチェックしてみてください。
SDGsの海洋保護とは
国際連合が定める持続可能な開発目標(SDGs)で重要なテーマとして設定されている、「目標14:海の豊かさを守ろう」に対応した取り組み。
海に住む生き物たちの住み家であるサンゴは、温暖化や海洋プラスチックごみの増加による環境破壊の影響で、生態系に大きな影響を与えるため、海洋保護の中でも重要な課題になっています。

(掲載日:2023年6月1日)
文:ソフトバンクニュース編集部