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宮古島・石垣島でも、安定かつ快適なネットワークを目指す。光海底ケーブルで実現する高速通信

宮古島・石垣島でも、安定かつ快適なネットワークを目指す。光海底ケーブルで実現する高速通信

年間800万人以上の観光客が訪れる沖縄県。エメラルドグリーンに輝く海に囲まれた大小さまざまな島々が点在する島しょ地域です。沖縄本島に次ぐ人気の観光地である宮古島と石垣島でも、より快適にスマホを利用いただくため、光海底ケーブルを整備し、5Gネットワークのエリア拡大に取り組んでいます。

海底ケーブルを切り替えることで、宮古島・石垣島の通信品質の改善を目指す

海底ケーブルを切り替えることで、宮古島・石垣島の通信品質の改善を目指す

日本全国津々浦々で通信サービスを利用するためには、スマートフォンと直接信号のやり取りを行う基地局だけでなく、基地局とコア設備(ネットワークの中核を担う通信センター)の間でデータ送受信を行うための通信ネットワークも重要な役割を担っています。

これまで、沖縄本島と海で隔たりがある宮古島や石垣島などの離島地域では、本島と同等のネットワークを構築できていませんでした。沖縄本島との間の伝送路、つまり海底ケーブルの利用可能なネットワーク帯域の幅が狭く、一度に送信できるデータ量が制限されるため、高速で大容量の通信を行うことが困難な状況でした。そこでKDDI株式会社や西日本電信電話株式会社などの協力のもと、2023年度に沖縄本島と石垣島、宮古島、久米島を結ぶ大容量光海底ケーブル(以下「本海底ケーブル」)の整備を完了させました。

海底ケーブルを切り替えることで、宮古島・石垣島の通信品質の改善を目指す
  • 国土地理院の白地図を加工して作成

現在では宮古島・石垣島内の各基地局と本海底ケーブルの間の伝送路の帯域を徐々に拡大する作業「基地局アクセス回線の広帯域化」を行い、宮古島・石垣島地域での5Gなどの高速・大容量通信の展開を推進しています。これにより、宮古島・石垣島でのIoTやAIなどを活用した産業の多様化や、南海トラフ地震などによる大規模災害への備え、地域社会の活性化を目指しています。

  • 高速大容量5G(新周波数)は限定エリアで提供しています。詳細はエリアマップをご確認ください。

海底ケーブルを切り替えることで、宮古島・石垣島の通信品質の改善を目指す

通信インフラ整備に取り組む技術者たちの思い。離島エリアならではの対策も

伊藤 毅(いとう・たけし)

ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット統括 モバイル&ネットワーク本部 JR技術計画部 課長

伊藤 毅(いとう・たけし)

2012年にソフトバンク株式会社入社。
伝送ネットワーク展開に向けた設備設計・構築、導入設備に対する品質管理などに携わる。

加藤 良和(かとう・よしかず)

ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット統括 エリア建設本部プロジェクトマネジメント部 課長

加藤 良和(かとう・よしかず)

2001年にJ-フォン西日本(現ソフトバンク)入社。
伝送ネットワークの開発、設計、構築、保守、地域での基地局建設マネジメント業務を経て、全国の基地局アクセス伝送回線の設計、構築マネジメントに携わる。

離島地域での対策だからこそ、意識したことはありましたか?

伊藤 他の事業者と連携しながら海底ケーブルの接続地点を慎重に選定したり、プロジェクトの進捗管理や役割分担などを担当しました。2021年4月から対策を進めて、2024年の台風が来るシーズンの前に海底ケーブル敷設を完了させたいという思いで取り組んでいましたね。

加藤 そうですね。私は基地局アクセス回線の広帯域化を促進するために、基地局アクセス回線の手配や、開通、切り替えの全体工程管理を担当していました。台風シーズン前におおむね対策を完了させるため、基地局の開通時期を前倒しし、基地局オーナーさまに対して早期作業を依頼するため現地で交渉するなど、あらゆる調整をしました。

伊藤 また、台風によるケーブル切断のリスクも懸念点でした。このリスクを軽減し、通信サービスの安定性を確保するため、従来のように2つの島をつなぐケーブルを敷設するだけではなく、既存のケーブルと新設したケーブルを接続して、4島を結ぶループ状のネットワークを実現しています。これにより、ケーブルの一部が損傷を受けても、通信を維持することが可能になりました。

通信インフラ整備に取り組む技術者たちの思い。離島エリアならではの対策も。

無事に作業を終えられていかがですか?

伊藤 目標としていた台風のシーズン前に海底ケーブル敷設が問題なく完了し、ほっとしています。実効速度が設計どおりにできていると聞いたときはうれしかったですね。

加藤 私は、お客さまから「ありがとう」という言葉をもらったことが印象に残っています。また、作業現場で現地の方からねぎらいの言葉をいただくこともあり、「ゆいまーる」の精神を感じることができました。

  • ゆいまーる:沖縄の方言で、地域の人との関わりや助け合いの精神を大切にすること。

今回の対策はどのような思いで取り組んできましたか?

加藤 沖縄の基地局アクセス回線の広帯域化を実現するためには、海底ケーブルの構築は必須であり、念願でした。構築完了後、早期に基地局アクセス回線の広帯域化を促進して、宮古島・石垣島のお客さまに高品質で快適なネットワークを提供したいという思いで取り組んできました。

伊藤 ソフトバンクのネットワークはほぼ全国に展開していますが、離島など一部の地域ではまだ高速通信サービスが行き届いていないのが課題です。今回のプロジェクトを通して、ケーブル構築部隊としての役割を再確認し、まだまだ取り組むべきことが多いと感じました。基地局アクセス回線の広帯域化をさらに推進して、安定運用できるよう維持管理に努めていきたいです。

通信インフラ整備に取り組む技術者たちの思い。離島エリアならではの対策も。

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(掲載日:2024年8月29日)
文:ソフトバンクニュース編集部