災害大国である日本。地震や台風などの自然災害に備えるため、自宅に防災リュックなどを常備している人も多いと思いますが、災害はいつどこで起こるか分かりません。そこで、普段からバッグに入れて簡単に持ち運ぶことができ、外出先などで被災したときに役立つ「防災ボトル」の作り方をご紹介。実際に編集部が作ってみて感じたコツやポイントもお伝えします。
目次
災害はいつ起こるか分からない。外出時に持ち歩きたい防災ボトルとは
皆さんは、外出時の災害対策はしていますか? 外出先から自宅や避難所まで安全に移動するために、防災グッズを携帯することを “0次の備え” と言いますが、いつどこで起こるか分からない災害に備えて、そうした対策は必要です。ちなみに、 “1次の備え” は自宅や職場などから避難するときに持ち出せる防災リュックのようなコンパクトな備え、 “2次の備え” は被災後の数日間をしのぐためのストックなどを指します。防災ボトルは “0次の備え” の一つ。外出時に被災したときに役立つ、必要最小限の防災グッズをウォーターボトルなどに収納したものです。
使用するボトルの大きさや中身にもよりますが、防災ボトル1本あたりの重さは、500mlペットボトル1本より軽い200〜400g程度。リュックやカバンなどに入れて持ち運ぶことで、外出時の「もしも」に備えることができます。
似たような備えとして、防災ポーチなどもありますが、防災ボトルのメリットは水に強く、中身がつぶれにくい点。ボトルの中身を取り出せば給水にも使えます。カラビナやストラップを装着すれば、リュックやカバンにぶら下げることができ、持ち運ぶのにも便利です。
防災ボトルには何を入れる? 実際に作ってみよう
では、防災ボトルにはどんなものを入れるといいのでしょうか? 実際に防災ボトルを作りながら、基本的なアイテムや詰め込むときのコツをご紹介します。
防災ボトルの基本アイテムは?
防災ボトルの中身は、警視庁警備部災害対策課がX(旧Twitter)で紹介していた内容を参考にしました。最低限そろえたい基本アイテムは、次の通り。ほとんどのアイテムを100円ショップでそろえることができました。
<防災ボトルの基本アイテム>
- ウォーターボトル
- ホイッスル
- ミニライト
- 圧縮タオル
- エチケット袋
- ビニール袋
- アルコール消毒綿
- マスク
- 常備薬
- ばんそうこう
- ようかん
- 現金
- 連絡先メモ
- アルミ製の簡易ブランケット
ようかんは、もしものときの貴重なエネルギー源。疲れているとき、おなかがすくと体力や気力が急速に奪われるもの。長期保存が可能で高カロリーなようかんは、防災用にぴったりです。代用品として、あめやキャラメルなども糖分補給ができていいでしょう。
現金は、停電などによりATMやクレジットカード、電子マネーが使用できなくなる可能性に備えて、交通費+食料・飲料水などを購入できる金額を目安に、小さめのジッパー袋に入れておきましょう。また、公衆電話を使うことを考え、10円玉も数枚入れておくと安心です。現金と一緒に、緊急連絡先や血液型、持病などを記載した「連絡先メモ」を入れるのもお忘れなく。今回は、購入したホイッスルに本体内部に収納できる連絡先メモ(IDカード)が付いていたので、そちらを使用しました。
防災ボトルの作り方
まずは、ウォーターボトルを用意します。容量は、日頃から持ち運びやすい400〜500mlがおススメ。入れたものがすぐに見つかる透明や薄めの色で、口が広めのタイプがよさそうです。
なるべく多くのアイテムを入れるため、パッケージから出せるものは外に出します。詰めるときは、最初にマスクやビニール袋など薄いシート状のものをボトルの壁面に沿わせるように入れ、真ん中にスペースを作るイメージで詰めていくのがおススメですが、人それぞれ詰めやすいやり方でOKです。
次は真ん中のスペースに、残りのアイテムを詰め込んでいきます。ミニライトやホイッスルなど非常時にすぐ使いたいものは取り出しやすい位置に。非常食も、定期的に賞味期限を確認して入れ替えられるよう上部に詰めるといいでしょう。
フタを閉めて完成! 詰め方を工夫したおかげか、500mlボトルであれば、基本アイテムは全て収納できました。まだ隙間があるため、他のアイテムも詰められそうです。日帰り旅行など少し遠出をするときは700mlボトル、普段のお出かけは400〜500mlにするなど、サイズごとに使い分けてもいいかもしれません。
私たちはマイ防災ボトルにコレも入れました!
防災ボトルを作るコツが分かったところで、編集部のメンバーもマイ防災ボトル作りに挑戦! 基本アイテムのほか、災害時に「あったらいいな」と思うアイテムをそれぞれ詰めてみました。
Aさん(40代・女性)は「モバイルバッテリー」「ヘアゴム」
災害時、安否確認や情報収集のツールとして欠かせないスマホ。コンパクトなモバイルバッテリーを入れておけば、もしものときも充電できます。とはいえ、充電されていなければ役に立たないので、普段からこまめに充電しておくか、電源供給されている場所を早めに見つけたいですね。
実際に詰めてみると、簡易ブランケットがかさばったため、くるくると丸めて両端をヘアゴムで留めました。髪を結ぶときにも重宝しそうなので、一石二鳥かなと。持ち運びやすいように、ストラップを付け、小型のLEDライトを装着したのもポイントです。
Bさん(30代・女性)は「コンタクトレンズ」「まゆ毛用ハサミ」
普段から使い捨てコンタクトレンズを着用しているので、災害時に困らないよう入れました。周囲の状況を正確に確認し、無事に帰宅するためにも必要なアイテムだと思います。使用したボトルは、使わなくなったプロテインシェイカー。口が広いタイプなので、華奢なものであればメガネも詰められそうです。
また、便利アイテムとしてまゆ毛用ハサミを入れました。薄い紙を切ったり、段ボール箱を開封するのに役立ちそうです。先が丸いので、他のアイテムやボトル本体を傷つけずに収納できるのもいいですよね。他には簡易トイレや耳栓もチョイス。耳栓は、眠るときに物音が気になるので入れました。
Cさん(20代・男性)は「塩あめやラムネ」「アロマグッズ」
マスクやシートなど変形しても良いものは底の方に押し込んで、とにかくスペースを確保。つらいときに体力・気力を補えるよう、隙間に非常食をたっぷり詰め込みました。ようかん以外に塩あめやラムネ、ゼリーも。ラムネは、脳のエネルギー源であるブドウ糖が主原料なので疲れているときに良さそうだなと思います。
ただ、少し詰め込みすぎて防災グッズが取り出しづらくなってしまったことが反省点…。実際に使うときのことも考えないとダメですね。気持ちをリフレッシュさせるために、試供品でもらったミニ香水もプラスしましたが、詰めている最中に中身が少し漏れてしまったので、匂いが他の物に移らないように小さいジッパー袋に入れるといいかもしれません。
Dさん(20代・女性)は「ライター」「爪切り」
特に寒い冬場に役立ちそうなライターを入れました。もちろん、火災に気を付ける必要はありますが、避難所でお湯を沸かしたり暖を取ったりするのに役立つかなと。何かをカットするのにも役立ちそうな爪切りも、何日か自宅に帰れなかったときの身だしなみを整えるアイテムとしてチョイスしました。
アイテムをできるだけ多く詰めるコツは、いったんフタをしてからボトルを軽くシェイクすること。細かいアイテムが下に落ちていき、隙間ができやすくなります。あと、防災ボトルは普段からバッグに入れて持ち歩くものなので、見た目も自分らしくしたいと思って、シールでデコレーションしました。
実際に作ってみると、思ったより簡単にできた防災ボトル。家族や友人とわいわい話しながら作るとはかどりますし、もしもの事態をみんなで考える機会になります。防災ボトルは、災害時だけでなく、新幹線や飛行機など交通トラブルで足止めをされたときにも役立つもの。いつ遭遇するか分からない危機やトラブルに備えるためにも、ぜひ周りの人たちと防災ボトル作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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(掲載日:2024年9月5日)
文:佐藤由衣
編集・撮影:エクスライト
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