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通期業績予想を上方修正。全セグメント増収増益で順調に進捗 ーソフトバンク株式会社 2025年3月期 第2四半期 決算説明会レポート

2024年11月8日、ソフトバンク株式会社の2025年3月期 第2四半期 決算説明会が開催され、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一が2024年度の通期業績予想の上方修正を発表。あわせて、個人株主拡大に向けた取り組みや次世代社会インフラの構築に向けた進捗などについて説明しました。

通期業績予想を上方修正。全セグメント増収増益で順調に進捗

2024年度上期の売上高は前年同期比で7%増収し3兆1,521億円。全セグメント増収で上期では初の3兆円を突破し、過去最高であると報告。営業利益も全セグメント増益で、前年同期比14%増の5,859億円であると述べました。

売上高 セグメント別

純利益は3,239億円で、前年同期比7%増。通期業績予想に対する上期の進捗率は、営業利益、純利益ともに65%となり非常に順調に進捗していることを説明しました。

2025年3月期 第1四半期 業績予想

2025年3月期 通期業績予想

こうした好調な業績を受け、2024年度の通期業績予想を上方修正したと報告。コンシューマ事業の増益基調の継続や、PayPayの黒字転換などが寄与したと述べ、「下期もさらなる業績の向上に向けて頑張っていきたい」とコメントしました。

モバイル売上高

コンシューマ事業は、売上高が1兆4,269億円で前年同期比3%増収。モバイルサービスの売上高は前年同期比122億円増収で、2024年3月期 下期以降、増収基調が継続しています。

モバイル売上高

スマートフォンの累計契約数は前年同期末比4%増と説明。また、「ワイモバイル」などから「ソフトバンク」ブランドへの移行収支が2021年春の通信料値下げ以降、2024年度上期で初のプラスに転換したと報告し、「この基調が続くよう頑張っていきたい」と意気込みを語りました。

モバイル売上高

エンタープライズ事業は、売上高が4,458億円で前年同期比11%増収、営業利益は944億円で12%の増益となり、「年間の売上高は1兆円が見えてきた」とコメント。ソリューションが引き続き好調で、28%増収したことが要因であると説明しました。

モバイル売上高

ディストリビューション事業は、売上高が4,307億円で前年同期比44%増収。特にAIサーバーの売り上げが順調であるとし、「AIとの共存社会が始まる中で、AIサーバーを構築できる技術力を蓄えるべく、AIエンジニアを多数育成をしてきた」と述べました。

また、「当社が進める次世代社会インフラのデータセンターのサーバー構築を、100%子会社のSB C&Sが担っており、AIサーバーの売上高が大幅に増加している」と説明しました。

モバイル売上高

今後ますます高まるAI需要を受け、「ソフトバンクのエンタープライズ事業や、SBテクノロジー、LINEヤフー、PayPayなどの案件にもSB C&Sが関わることが増えた。グループ内の連携が機能し始め、SB C&Sの価値がディストリビューションの枠を越えて、高まってきている」と期待を示しました。

モバイル売上高

メディア・EC事業は、売上高が8,134億円で前年同期比5%増収。営業利益は、一過性の事業譲渡益などを含め、前年同期比で40%増となりました。

モバイル売上高

ファイナンス事業は、売上高が1,298億円で前年同期比19%の増収。PayPayの営業黒字化が寄与して前年同期のマイナス20億円から156億円改善し、2024年度上期の営業利益は136億円であると説明しました。

モバイル売上高

PayPayの2024年度上期の連結売上高は1,165億円で17%増収、連結EBITDAは196億円となり、上期として2年連続で黒字。営業利益も四半期ベースで2期連続で黒字化を達成したと報告しました。

モバイル売上高

決済代行サービスを展開するSBペイメントサービスは、2024年度上期の決済取扱高(GMV)が4.6兆円で、前年同期比22%増となりました。

株主数が100万人を突破。若年層の株主の割合も増加

個人株主の拡大に向けて、2024年10月1日付で当社普通株式1株につき10株の割合で株式分割を実施したことを報告。

株式分割前の2024年9月末時点の株主数は、2024年3月末比14万人増で100万人を突破。個人株主の年齢構成は、40歳代以下が34%と若年層の割合が増加したと説明。「狙い通りの成果が出ている。今後、さらに若い株主が増えてくれると期待している」と述べ、株主優待の施策などを通じてさらなる個人株主の拡大を目指していくと意欲を示しました。

モバイル売上高

生成AI時代のマーケットリーダーを目指し、次世代インフラ構築への取り組みを加速

次世代社会インフラの構築に向けた取り組みについては、2024年10月末に「NVIDIA Hopper GPU (H100)」約6,000基の整備が完了したと進捗を共有。国内最大級のAI計算基盤を生かして、4,600億パラメーターの日本語国産LLM(大規模言語モデル)の追加学習を加速させ、2025年度の商用展開を目指すとしました。

モバイル売上高

また、2024年10月には、成長投資資金の確保のために第2回社債型種類株式を発行。「中長期的な成長投資を積極的に行うことで、生成AI時代のマーケットリーダーを目指していく」と意欲を示しました。

モバイル売上高

最後に2025年3月期 上期の決算について、「全セグメントが増収増益となり、非常に良い進捗。次世代社会インフラの実現が着々と進んできており、引き続き『情報革命で人々を幸せに』という理念に向かってまい進していく」と述べ、プレゼンテーションを締めくくりました。

2025年3月期 第2四半期 決算説明会

(掲載日:2024年11月7日、最終更新日:2024年11月11日)
文:ソフトバンクニュース編集部