高齢者がウォーキングを楽しく習慣化することをサポートするアプリ「うごくま」。この度、文京区、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)、筑波大学 教授の産官学による、「うごくま」を利用した高齢者の社会課題に対する解決策への取り組みが、「2024年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
健康寿命を延ばすために重要なのがフレイル対策
加齢に伴い心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間に位置する「フレイル」。生活習慣を変えることで、健康な状態へと改善できる可能性があります。そのための効果的な対策の1つとなるのが、ウォーキングです。しかし、なかなか習慣化することが難しく、継続するためには励ましや寄り添いが重要となります。
また、シニア世代のスマートフォン利用がなかなか進まないことが、自治体DXを推進する上での課題となっていることから、この2つの課題に取り組むことになりました。
スマホ利用と高齢者の健康増進でグッドデザイン賞受賞
文京区とソフトバンクは「高齢者等におけるICT利用の促進を図るための事業連携協定」の下、区在住の高齢者向けにスマホアプリ「うごくま」を提供し、2023年3月に実証実験を実施。「うごくま」アプリを利用することで、歩数や歩行距離、消費カロリーの記録に加えて、画面上の親しみやすいキャラクターである「うごくま」との会話がウォーキングの励みとなり、スマホを持ち歩き、楽しみながら利用することを目指しました。
さらに、実証実験を通じて、ウォーキング意識の向上と行動変容を促すことで、高齢者のフレイル予防と健康寿命を延ばす効果を検証。筑波大学 山田実教授による「フレイル対策講座」も開催し、フレイル対策への意識向上だけでなく、体力測定結果とフィードバックを住民に説明することで、ウォーキングの効果や自身が取り組むべき課題を確認できるようにしました。
この産学官連携での取り組みにより、スマホがどのように役に立つのかを理解し、スマホの利用増加につながっただけでなく、参加住民全体の55%の人が「うごくま」を利用したことによって、ウォーキングを習慣化することに成功しました。また体力測定の結果、歩数の向上をはじめとして、歩行速度や骨格筋量などの日常生活に必要な筋力についても増進し、参加住民全体の平均歩数と体力測定の結果が向上。区の高齢者の健康増進という大きな目的も達成することができました。
ソフトバンク株式会社 コンシューマ事業推進統括 UX企画統括部
小野寺 理紗(おのでら・りさ)
今回の受賞は、「うごくま」アプリを軸とした産学官の連携により、一過性ではなく、 ウォーキングの習慣化ができる仕組みが評価されました。実際「うごくま」を使ってイベントに参加された住民の方からも「『うごくま』がウォーキングの励みになっている」などのうれしいお言葉を多数いただいています。これからもシニア世代のユーザの方々が健康な毎日を送る助けとなるサービスを提供できるよう、日々挑戦していきます!
関連情報
フレイル対策サポートアプリ「うごくま」
「うごくま」は、ウォーキング習慣の定着を促し、キャラクターとの対話機能や歩行データの記録、フレイルリスクのセルフチェック機能を提供します。
(掲載日:2024年11月13日)
文:ソフトバンクニュース編集部