阪神・淡路大震災から30年。兵庫県伊丹市とソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)はスマホを活用した災害への備えが学べる「スマホ教室 防災講座」を開催。被災地となった伊丹市の住民の皆さんが集まり、スマホアプリで避難所や家族の安否を確認する方法などを学びました。
目次
いざというときのために。スマホを活用した災害への備えと対策
伊丹市の生涯学習センターで行われたのは、2024年10月に内容の見直しを行った「スマホ教室 防災講座」です。新たに追加された「始めよう! 災害の備え 設定編」「始めよう! 災害の備え 避難訓練編」「LINE ~避難訓練編~」の3つの講座を、伊丹市からの要望を元に、90分に凝縮したもの。スマホでできる災害の備えや活用方法を知っていただく機会として、約20名の市民の皆さんに参加いただきました。
始めよう! 災害の備え
まずは「Yahoo!防災速報」アプリを使って避難所や避難経路を確認する方法からスタート! この日講師を務めるのは、スマホアドバイザーの北本恒輔です。

皆さんご存じですか? 実は、避難所は水害や地震などの災害によって分かれている場合があるそうです。このアプリを使うことで、自宅や勤務先近くの避難所の場所だけでなく、どんな災害に対応しているのか確認することもできます。その他にも、アプリ内の「防災手帳」では、日常の備えとして何をどのくらい用意する必要があるのかなど、災害関連の情報を入手することも可能です。
災害の時の連絡方法は複数用意しておこう

阪神・淡路大震災をきっかけに作られた災害用伝言板「171」。本講座が開催されたのは災害用伝言板の体験利用ができる15日だったので、仕組みを理解した上で、スマホアドバイザーが登録したメッセージを聞く方法を試してみました。ただ、電話番号が分かれば誰でも聞くことができるので、いざ利用するときは個人情報を入れないようにとの注意も。注意事項も教えてもらえるのは助かりますね。

もう一つの連絡方法として、今ではコミュニケーション手段の筆頭となっているスマホアプリの「LINE」です。LINEのグループ機能を使った連絡方法だけではなく、音声入力や、災害時に自身や今いる場所の状況を写真に撮って送る方法などについて説明がありました。また伊丹市LINE公式アカウント「伊丹市防災」を友だち追加するようにとのアドバイスも。
その他にも、災害時だけではなく日常でも使える鉄道の運行を確認する方法や、Google アシスタントでスマホのバッテリーのもちをよくするために画面を暗くしたり、スマホのライト機能のオンオフなどの音声操作の方法についても説明がありました。
震災の教訓を再確認「ヤフー防災模試」
最後に紹介されたのが「ヤフー防災模試」です。震災の風化防止と防災力強化のために、「阪神・淡路大震災30年特別編」が公開されています。災害時に身を守るための総点検として活用してほしいと紹介されました。

参加者の皆さんからは「音声入力が一番勉強になった。スマホを使いこなせてないので、デジタル化に遅れないようにしないと」「家に帰ってから災害用伝言板の復習をしてみようと思う」「なかなかついていくのが大変。おさらいという意味でもお店の方に行ってみたい」など、感想が寄せられました。
スマホが自助、共助、公助をつなぐ、災害時の架け橋に
伊丹市役所 総務部 総務室
主幹 中西 寛(なかにし・ひろし)さん
参加された市民の皆さんの表情や熱心に取り組む姿勢を拝見していると、阪神・淡路大震災から30年という節目に有意義な講座が開催できたのではないかと思います。これまで伊丹市は復興と再生として、学校耐震化やインフラ整備などさまざまな形でまちの防災強化に努めてきました。そして、この節目に防災拠点となる市役所のグランドオープンを迎えるなど、災害対策の備えをより一層進めています。
災害対策でよく言われるのが、自助、共助、公助です。われわれ自治体ができることは公助ですが、これまでの災害での対応を見ていると、やはり自助・共助の割合が大きいと思っています。行政と市民をつなぐ通信やスマホというのは、非常に重要な役割を果たしています。今回は災害対策でしたが、スマホセミナーを通じて、デジタルデバイド(情報格差)解消のほか、市民の方々の便益や安全がさらに向上することを期待します。
「スマホ教室 防災講座」を地域防災の一助に
ソフトバンクは、デジタルデバイドの解消に向けて、初めてスマホを利用されるお客さまやスマホに不慣れなお客さまが安心かつ快適に利用できるよう、全国のソフトバンクショップでスマホの使い方を無料でレクチャーするスマホ教室を開催しています。
その中でも、スマホを活用した防災対策が学べる「スマホ教室 防災講座」の開催店舗数は、昨年の2倍以上となる約1,900店に拡大。地震や豪雨をはじめとする自然災害が増える中、2024年1月に発生した能登半島地震では、スマホで災害関連の情報を確認する方法が分からないという被災者が多く、自治体のLINE公式アカウントなどから発信される避難情報や物資情報が届かないという課題がありました。これらの課題を踏まえ、災害時でもスマホを活用できるよう、「スマホ教室 防災講座」に「始めよう! 災害の備え 設定編」「始めよう! 災害の備え 避難訓練編」「LINE ~避難訓練編~」の3つの講座が新たに追加されました。
話を聞いた人
ソフトバンク株式会社 コンシューマ営業統括 関西スマホ推進課
課長 堀江 大(ほりえ・だい)
関西、岡山四国エリアを担当し、スマホアドバイザーやスマホ教室、スマホセミナーなど全般を担当。スマサポ号の運営にも従事。
伊丹市での取り組みを教えてください。
数年前から伊丹市とスマホセミナーを開催する中、2024年度から始まった防災講座には、多くの住民の方にご参加いただいています。今年は阪神・淡路大震災から30年の節目となることもあり、1月15〜17日の3日間、伊丹市での取り組みを皮切りに、兵庫県内では63のショップで防災講座を実施しています。
自治体と連携した防災講座の開催は増えているのでしょうか?
ソフトバンクから提案させていただくこともありますが、実は自治体からの要望は現時点で昨年の2倍になっています。地震や豪雨など昨今の災害の増加を背景に、住民の皆さんの防災意識が高くなっていると感じますね。
スマホ教室や防災講座はどなたでも利用できるんですよね?
スマホに不慣れなシニア世代の皆さんのご利用が多いのですが、年齢や性別、またお使いの携帯電話会社に関係なくどなたでも参加可能です。特に防災講座は、家族でお越しいただくこともあります。災害が発生した際、どこで待ち合わせするのか、どの避難場所に行くのか、どこの経路を通るかなど家族間で話し合っていただくきっかけとして、また防災の意識を高めるためにも、ぜひご家族で参加いただきたいですね。
スマホでできる防災対策とは? 「スマホ教室 防災講座」
「スマホ」を活用した災害への備え。ソフトバンクでは意外と知らない地域の防災・避難経路などを「スマホ教室 防災講座」を通じてお伝えしています。ご家族・ご友人と一緒に、スマホのプロから一緒に学びませんか?
(掲載日:2025年1月17日)
文:ソフトバンクニュース編集部