
今後30年以内に約70~80%の確率で発生すると予測されている「南海トラフ地震」。発生した場合、静岡県は震度6強から7の強い揺れや津波被害に見舞われる可能性があると予想されています。
2025年10月19日に開催された「令和7年静岡県・焼津市・藤枝市総合防災訓練」において、ソフトバンク株式会社は被災想定地域のリアルタイムモニタリングを行うため、ドローンの遠隔制御システムである「クラウド型グラウンドコントロールシステム(以下、クラウドGCS)」を活用した、防災DXの実証訓練に技術協力しました。
大津波と孤立集落を想定した大規模防災訓練に、約31,000名が参加

静岡県総合防災訓練は、県と市町村の連携により、年に一度行われる大規模な防災訓練です。行政・消防・自衛隊・警察など310団体から約31,000名が参加しました。今回は、静岡県内の広範囲で震度7の地震を観測し、焼津港を有する沿岸部で大津波、中山間部の藤枝市では土砂災害による孤立集落の発生などで起こる甚大な被害を想定。被災者救出やドローンによる物資の運搬、避難所設営、医療救護体制の確立など、実践的な訓練が展開されました。


倒壊家屋から被災者を救出する訓練
救助活動は発災初動の状況把握が重要。ドローン2機での “流域単位” のリアルタイム監視を実証

災害発生時の初動対応では、4時間以内の状況把握と応急判断、および24時間以内の被害確認と初期指令が求められます。これらの初動対応の遅れは、人命救助や被害拡大防止に甚大な影響を及ぼします。また、流域単位※や県をまたいで集落があるエリアでは、防災初動での状況把握が難しいという課題が顕在化しています。
さらに、被災地では被災状況に応じて警報が発令されるなど、職員が現地に立ち入るのが困難である場合もあります。
これらの課題に対して、ソフトバンクは、遠隔でドローンを操作、リアルタイムモニタリングできる機能を備えたクラウドGCSを自治体に提案。訓練では次の3点について実証を行いました。
- ドローンの配信映像から、消防など関係機関がどのように情報連携を実現できるか
- 複数台のドローン飛行により、広範囲の情報収集が可能であるのか
- ドローンの操作における手動・自動操縦の使い分けシーンの判断基準を精査
- ※
降雨や降雪がその河川に流入する全地域をひとまとまりの単位とした捉え方。洪水や渇水、土砂崩れなど、自然災害は行政区単位ではなく、流域単位で発生することから自然災害リスクなどを考える上で重要な単位。

クラウドGCS構成図
実証では、情報収集エリアを広域にカバーするため、双葉電子工業製「FMC-02」とDJI製「Matrice3TD」のドローン2機を同時に飛行させ、静岡県庁のネットワークが被災した想定でソフトバンクのLTEモバイルネットワークを使用しました。
ドローンがポートから自動操縦で離着陸、飛行する様子
飛行ルートには、情報把握が難しいとされるエリアとして、瀬戸川を間に挟む焼津市総合グラウンドと藤枝市を設定。被災状況を2機のドローンが撮影し、静岡県庁や藤枝市役所、焼津市役所、首都圏の関係者へ配信しました。


クラウドGCSによるドローンの遠隔制御画面
関係者は、リアルタイムの映像をオンラインで同時に確認しながら、会議ツールでスムーズに意見を交換しました。また、ドローンの操縦について、災害直後は被害の全体把握を行うため「自動操縦」が適しており、詳細を確認したい場合には、「手動操縦」に切り替えるのが効果的だと検証されました。


今回の実証により、上空からの広域状況を把握することで、行政や消防が被害状況を迅速に共有・意見交換や判断ができる仕組みを提示し、静岡県の防災DXを支援しました。
訓練に参加したソフトバンク 法人統括に所属する徳永和紀は、実証を次のように振り返り、今後の意気込みを話しました。「訓練を通じて得られた成果に加え、ドローンのモニタリング映像は、職員の被災状況を理解するスピードや深さに大きく貢献できることが判明しました。映像を見ていない職員とのギャップを埋める手だての検討も今後の課題として重要だと認識しています。
今後も行政や自治体と協働し、流域単位での防災DXや近隣自治体との連携を通じて、有事の際にもICTでつながる仕組みづくりの実現にまい進したいです」
ソフトバンクは、テクノロジーを通じて有事の際の現場を支える防災DXを推進していきます。
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(掲載日:2025年11月20日)
文:ソフトバンクニュース編集部





