BCP、BCMとは? 違いや対策を簡単解説

2023年5月18日更新
2023年1月30日掲載

BCP・BCMとは?違いや対策を簡単解説

感染症の拡大、大型台風被害、地震の懸念などによって、BCP(事業継続計画)について本格的に検討している企業も多いと思います。企業はこうした予期せぬ感染症や自然災害、テロなど人為的行為による緊急事態が発生したとき、企業活動の損害を最小限にくいとめ、さらには早期復旧や事業継続ができるよう備えておくことが必要です。特に南海トラフのような大地震の懸念や巨大台風が増えている現在の日本において重要な課題だと言えるでしょう。

このブログでは、よく言われるBCPやBCMの違い、予期せぬ事態に企業として備える方法を解説します。

目次

BCP(事業継続計画)とは?

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、緊急事態が発生しても事業継続あるいは企業活動が受ける損害を最小限に留め早期復旧できるように、方法や手段を計画しておくことです。

事業継続計画の流れ

BCPが不十分だと起こりうるリスク

1.取引機会の損失

災害が発生し会社が被災をした場合、直接的な損害だけではなく事業を再開するまでの間に「取引機会」を失うことにもなります。こうした状態が続けば、取引先との継続的な関係も維持できなくなる可能性があります。

2.企業信頼の低下

どの企業でも被災する可能性は等しくあります。しかし、災害に備えて対策が行われているか事業継続計画を立てているかどうかは、企業の信頼性として大きな差が生まれます。つまり、BCP強化が万全でないと顧客から安心した取引相手として見てもらえない可能性があります。

3.人的資産の損失

災害が発生すると会社が物質的な被害を被るだけでなく、従業員やその家族も被災する可能性があります。そうした場合、出社できない従業員の代わりができる人間を育成できているかどうかで事業継続の可否が変わってきます。また、緊急事態が発生した際、従業員やその家族の安全と健康を確保できる体制が整っているかどうかで変わってきます。

4.情報資産の損失

情報資産はさまざまな形で企業が保有しています。紙媒体のものもあれば、オフィス内のサーバにデータで保存されていることもあります。また、従業員が受け継いでいるスキルやプロセスといった情報も資産と言えます。企業が被災した場合でも、それら資産を安全に確保しておかないと業務遂行が難しくなったり情報漏えいの危険性が発生してしまいます。

 

 

これらリスクに対応するために、内閣府が公開している「事業継続ガイドライン」によると、BCM(事業継続マネジメント)とBCPとの関係を理解した上で全体の計画を構築することの重要性を伝えています。

BCM(事業継続マネジメント)とは?

BCMとは「Business Continuity Management」の略で、事業継続するために必要不可欠なマネジメント全般を指します。例えば、BCP策定や内容の見直し、事業を継続させるための予算や資源の確保、平常時など事前対策の実施、さらに従業員に取り組みを浸透させるための教育や訓練、点検や継続的な改善などの行動が含まれます。

こうしたBCMの取り組みは平常時から行う必要があり、通常のマネジメント活動の一環として緊急時の対策計画であるBCPを策定しなければなりません。

BCMとBCPの違い

事業継続のためのチェックリスト

BCPを策定する際に、下記チェックリストを参考にして自社の状況を把握しておきましょう。

1:優先して継続すべき事業はどれか。
2:上記の事業を継続するために必要な業務は何か。
3:緊急時に制約を受ける、あるいは使えなくなると想定される資源は何か。
4:必要資源の確保、保全はできているか。

  ー人的資源(安否確認手段)
  ー情報資源(保管場所、保管方法)
  ー物的資源(PC、在庫、生産手段、拠点の複数化)
  ー資金
5:制約を受ける資源の代替資源あるいは手段はあるか。
6:復旧までの目標時間とレベルは決めてあるか。

これらのチェック項目を確認して、緊急時に優先すべき事業や事業を継続するために必要な対策を洗い出しておきましょう。

 

事業継続できる環境を作る

業務を継続させるために必要となるのが「資源」です。「人・物・金」の資源に加えて「情報」がなければ企業活動を行うことはできません。近年重要度が増しており、かつほかの資源より取り組みやすい「情報資源の保全」からまずは取り組み、事業継続に努めていくことがおススメです。

「情報資源の保全」を行うためには、企業情報の多重化や冗長化、どこでも利用できる環境の構築といった対策が有効です。もし社屋に被害が出ていても業務にあたることができる「人」がいて、場所を問わず「情報」を利用できる環境が整っていれば事業を継続することができます。そのためには緊急時でなくても日ごろから利用できる環境として、オフィスから離れた場所でも従業員とコミュニケーションを取ることができ、業務ができる仕組みづくりをしておくことが重要になってくるでしょう。

例えば、コミュニケーション手段がオフィスの固定電話ではオフィスに行かない限り連絡がとれません。携帯電話やスマートフォンを利用してFMCやクラウドPBXの機能を利用すれば、従業員同士だけではなく会社にかかってきた代表電話も取れるようになり取引機会の損失を防ぐこともできるでしょう。また、移動が難しい場合はリモート会議やチャットツールを用いて対策を行うこともできます。

 

もしもの時と平常時のバランスを理解して計画する

BCP強化を急に行うことはできません。平常時のBCMとの関係を理解した上で、もしものときの計画を構築していきましょう。また、BCPは一度策定したら万全というわけではありません。社会情勢が変化したり資源(人・物・金・情報)の保全方法が変わるなど状況が変化すれば、その状況に対応したBCPに更新していく必要があります。

今回のチェックリストを活用して、自社に最適な対策を講じておきましょう。

導入事例

株式会社TKC

株式会社TKC

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