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本記事は、ソフトバンク Advent Calendar 2022の14日目の記事です。
FY22新卒の金と申します。主に社内向けシステムの開発・改善やMSPサービスの開発、お客さまのクラウド環境構築に携わっております。これらの業務のためにAzureの学習を初めめ、2022年9月に日本語でMicrosoft Certified: Azure Administrator Associate (以後、AZ-104)を受験、2022年11月に英語でMicrosoft Certified: Azure Developer Associate (以後、AZ-204)を受験し、ともに一発で合格しました。
本記事では、クラウドに慣れていない方を対象に、クラウド勉強の第二歩としてAZ-104とAZ-204を紹介しています。第一歩となるMicrosoft Certified: Azure Fundamentals (AZ-900)については、こちらの記事を参考にしてください。アソシエイトレベルであるAZ-104とAZ-204を取得するまで私がやったことをわかりやすく解説します。
*試験合格=資格取得なので、試験と資格という言葉が混用されます。
*本記事の情報は2022年12月時点のものになっております。
AZ-104(Azure Administrator Associate)は、Microsoft Azureに関する認定資格として、中級(アソシエイト)に位置付けられています。この試験ではMicrosoft Azure環境の実装、管理、監視に関する専門知識が問われます。受験資格として実務経験は求められませんが、受験者層として6か月以上のAzureの実務経験がある人が想定されています。Microsoftの公式Webページをご確認ください。
AZ-204 (Developing Solutions for Microsoft Azure)は、Microsoft Azureに関する認定資格として、中級(アソシエイト)に位置付けられています。この試験では、要件の定義と設計から、開発、デプロイ、保守に至るまで、開発の全ての段階の専門知識が問われます。受験資格として実務経験は求められませんが、受験者層として1年から2年のAzureの実務経験がある人が想定されています。Microsoftの公式Webページをご確認ください。
上記の二つの資格を簡単に比較すると以下のようになります。
AZ-104 | AZ-204 | |
---|---|---|
名称 | Azure Administrator Associate | Developing Solutions for Microsoft Azure |
想定ロール | 管理者 | 開発者 |
方式 | CBT(Computer Based Testing)方式(マウスとキーボードで回答) | |
受験場所 | テストセンター・職場・自宅の中で選択 | |
言語 | 言語選択可能(英語、日本語など) | |
試験時間 | 150分 | 180分 |
問題数 | 50問前後 | |
合格条件 | 700点以上(1,000点満点) | |
有効期限 | 1年 | |
受験料 | 一般:21,103円(税込) | |
評価項目 | • Manage Azure identities and governance (15–20%) • Implement and manage storage (15–20%) • Deploy and manage Azure compute resources (20–25%) • Configure and manage virtual networking (20-25%) • Monitor and maintain Azure resources (10–15%) | • Develop Azure compute solutions (25–30%) • Develop for Azure storage (15–20%) • Implement Azure security (20–25%) • Monitor, troubleshoot, and optimize Azure solutions (15–20%) • Connect to and consume Azure services and third-party services (15–20%) |
*試験に関する最新情報は公式のドキュメントを参考にしてください。
普段、関わっている業務の内容や、身につけたい内容によって取るべき資格が分かれます。クラウドの管理や運用を担当する人はAZ-104を受けるべきかと思います。クラウドを活用した開発に興味を持っている人はAZ-204がおすすめです。
AZ-104は管理者として、幅広くAzureの知識を要求する印象で、覚えるべきものが多かったです。AZ-204はプログラミングの問題が多い印象で、試験時間ももう少し長く、ある程度プログラミングの経験があった方が楽な印象です。両方とも試験時間には余裕があり、考える時間は十分です。
開発経験がある方、英語に抵抗感がない方には特にAZ-204の方をおすすめします。AZ-204の場合、日本語での勉強素材がほぼ存在しません。そのため、勉強を進める際には英語の活用がほぼ必須になります。希少性や技術力のアピール、勉強時間を考えた時、コストパフォーマンス的な面ではAZ-104よりAZ-204が勝ると思います。
開発経験がなく、関係する業務に携わる機会が少ない方、英語に抵抗感がある方には、AZ-104を推奨します。多くの方が取得している資格であるため、日本語でのコンテンツや情報も豊かです。また、プログラムを完成させるような応用問題がAZ-204より少ないです。迷っている方は、とりあえずAZ-104がおすすめです。
もちろん、両方取ることも可能です。おすすめの順番は特にはありません。AZ-104の方が勉強量や範囲が広いということを頭に入れたあと、ご自身に合う順番で受けてください。
当社はマイクロソフトのパートナー社として、ESI(Enterprise Skills Initiative)を無料で提供していただいています。AZ-900受験の際には、活用していませんが、せっかくの機会だと思い、今回は積極的に活用しました。私には本での学習は時間的にあまり効率がよくないと思い、ESIを含め、基本的にインターネット上のコンテンツを活用しました。
やったことをまとめた表はこちらです。
メリット | デメリット | コスト | 言語 | |
---|---|---|---|---|
Microsoft learn |
|
| 無料 | 英語・日本語 |
Udemy 模擬試験 |
|
| 有料 | 英語・日本語 (AZ-204は英語のみ) |
Udemy講義 |
|
| 有料 | 英語・日本語 (AZ-204は英語のみ) |
Microsoft-Delivered Courses |
|
| 有料 (高額) | 英語・日本語 |
ESI模擬試験 |
|
| 無料 (パートナー社限定) | 英語 のみ |
AZ-900を2022年7月4日に取得してから、AZ-104の勉強をはじめ、2022年9月6日に取得しました。期間としては2ヵ月かかりました。特に週末には勉強していないので、1日1.5時間の勉強を40営業日行ったとして計算すると、およそ60時間所要したという結果になります。
コース AZ-104T00は4日間講義+実機演習(ハンズオンラボ)で構成されています。ハンズオンラボとしての環境が用意されていて、ハンズオンのためのAzureのクレジットももらえます。
私はESIにて、コース AZ-104T00を受講することができましたので、受講してみました。自腹で受講する際は、およそ264,000円相当のコストが発生します。
独学に慣れていない方、お金や時間に余裕がある方、リアルタイムで質問したい方にはおすすめします。
お馴染みのUdemyです。この模擬試験問題では選択式問題を経験することができます。模擬試験で解いた問題の7割以上正解が合格扱いですが、私は6割正解でも実際のテストで合格することができました。本番より少し難しい方だと思った方が良さそうです。
基本、模擬試験はどなたにでも推奨します。ぜひ、受けてみてください!
AZ-104を2022年9月6日に取得した後、2022年10月9日の応用情報技術者試験に備えていました。そのため、AZ-204の勉強はその翌日からはじめ、2022年11月16日に取得しました。途中でCCNAの研修(8営業日)や有給・休日が挟まれているため、実際の勉強期間は15日くらいになります。1日1.5時間で計算するとおよそ25時間以下になります。ただし、AZ-104で学んだ知識もある程度は活かされていた点、普段の業務で少し開発に触れていた点を考慮すると、およそ30〜50時間かかったことになります。
AZ-204は日本語でのコンテンツが少なかったので、最初から全部英語で揃えて勉強しました。英語に抵抗感がない方は、英語での受験を推奨します。
全体感①:Udemy講義 (英語)
AZ-204 Developing Solutions for Microsoft Azure - 2022(参考:Udemy)
AZ-204は、コースの受講の代わりにMicrosoft learnとUdemyの講義を活用しました。AZ-104で受講したコースは内容はよかったのですが、時間がかかりすぎたので、時間短縮のため2倍速再生で受講しました。より時間短縮に繋がりますので試してみてください。
独学に慣れていない方、時間を短縮したい方、何から勉強しはじめればいいか分からない方におすすめです。
全体感②、ハンズオン:Microsoft learn(英語版利用、日本語も可)
Microsoft learnは公式の学習コンテンツであり、一部、サンドボックス形式でハンズオンも備えております。特にコストも発生しない上で、基礎からハンズオンまでを取り扱いますので、一番おすすめです。
基本的にMicrosoft learnはどなたにでも推奨します。ぜひ、受けてみてください!
問題①:Udemy模擬試験(英語)
AZ-204 Microsoft Azure Developer Practice Tests (参考:Udemy)
言語が英語のみになったこと以外はAZ-104で記載した内容と同じです。上のAZ-104のところを参考にしてください。
問題②:ESI模擬試験 (英語)
こちらは、マイクロソフト社のパートナーである必要があるためオプションです。基本英語しか提供されません。マイクロソフトが直接提供する分、模擬テストの中では一番クォリティが高いと思います。身に付けるべき知識のレベル感がすぐに分かり、豊富な解説が付いていることが特徴です。正解した問題だとしても、他の選択肢の解説を丁寧に読むことを推奨します。実際のテストに比べて難易度は、ESIの方が結構高めだと感じました。
ESIの模擬試験はUdemyより優れていると思います。英語に抵抗感がない方、ESIを利用することができる方はぜひ受験してください!
私が実際にさまざまなコンテンツを用いて学習を進めながらまとめたポイントです。ぜひ、参考にしてください。
今振り返ると、私にとって一番役に立ったものは模擬試験です。詳しい解説はもちろん、問題の形式や方向性、レベル感に慣れることができるので強く推奨します。Udemyのさまざまな問題集やESIなど種類に関係なく受けてみることを推奨します。
コンテンツの質や量の面で、日本語もかなり優秀な方だと思いますが、やはり英語の方がコンテンツの量や質の面で明らかに優秀だと思います。普段磨いてきた英語力を活かしてみることはどうですか?
AZ-204の場合、有料・無料を問わず、ほぼ全てのコンテンツが英語のみでした。Microsoft learnやMicrosoft-Delivered Coursesを用いると日本語で勉強を進めることも可能ではありますが、模擬試験やUdemyのコンテンツを活用したい場合は英語が必須になります。
AZ-104の場合は、ほぼ全てのコンテンツに日本語もありました。なので、日本語で受験しても問題にはなりませんが、ESIなどのコンテンツは英語のみとなります。
英語で受験や勉強の際は、翻訳が入っていないため文章が自然であり、用語が統一されています。そのため、言葉を間違えてしまうことはありません。日本語での学習及び受験の際には同じ意味の言葉が複数登場することがあります。合格・不合格に大きく影響しないと思いますが、日本語で勉強を進める際には同義語には気をつけてください。
実際のAzure環境に触れながら、リソースの作成や削除を行うことで、理解がより深まります。Azureには多くの無料のハンズオンコンテンツ(サンドボックス)や無料クレジットがあります。これらを活用することで、座学で終わらず、実務に活かせる経験を積むことができます。特に、MS Learnのサンドボックスで手を動かしてみることを推奨します。
*VMや各種リソースの停止・削除を忘れずに実施してください。
IT業界の会社や職務の場合、会社で資格取得をサポートする制度がある場合があります。これらの制度をうまく生かすべきです。費用補助や資格手当、各種研修などに関する制度を見逃すことなく、使いこなしましょう。
一発で合格できなかった場合は、再受験することを推奨します。実際のテストは、模擬試験よりはるかに有益な経験です。この経験と、今までの努力を合わせることで、より合格に近づくと思います。むしろ、時間やお金に余裕がある方は何回か受け直してみることもいいかも知りません。
今までの内容を踏まえて、私がおすすめする素材を下記に示します。
Microsoft learn + ESI模擬試験
(+Udemyの講義、Azureでのハンズオン or Microsoft-Delivered Courses)
Microsoft learn + Udemyの模擬試験
(+ Udemyの講義、Azureでのハンズオン)
本記事では、AZ-104とAZ-204に関する内容を紹介しました。両方ともアソシエイト(中級)レベルの資格であり、AZ-104は管理者向け、AZ-204は開発者向けの資格です。
私が実際に活用した学習コンテンツとして、Microsoft learn、Microsoft-Delivered Courses、ESI模擬試験、Udemy模擬試験、Udemyの講義を紹介しました。その中で学習のポイントと勉強素材の組み合わせについてまとめました。
本記事の情報を参考に、ご自身に必要だと思う資格を選択してチャレンジしてみてください。
ちなみに私は次の資格としては、Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert (AZ-400)を目指そうとしています。その次は、Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert (AZ-304)を目指そうとしていますので、ぜひ参考にしてください。
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