テレワーク廃止による従業員離れを防ぐ「ハイブリッドワーク」とは

2021年9月3日掲載

コロナ禍により半強制的に導入されたテレワークですが、感染症対策になるのはもちろん、ワークライフバランスの充実や一人で集中して行う業務の効率アップといったメリットがある一方、メンバーとのディスカッションやちょっとした会話など、新規アイデア創出に結びつくコミュニケーションには不向きであることが分かってきています。そこで最近注目されているのが「ハイブリッドワーク」です。ハイブリッドワークとは、テレワークのメリットとオフィスワークのメリットの両方を取り入れた働き方をさします。 本稿では、ハイブリッドワークが注目される理由をテレワークの視点から解説します。

目次

テレワーク廃止は危険

2020年はテレワーク元年とも言われており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でテレワーク実施に踏み切った企業も多かったと思います。国土交通省の「令和2年度 テレワーク人口実態調査」によると、2020年にテレワークを実施した雇用型就業者の64.3%がテレワークに満足しており、さらに81.5%が今後もテレワークを実施したいと回答しています。

テレワーク満足度・実施意向

また、同調査ではテレワークをして良かった点として「通勤の不要、または通勤の負担が軽減された」が73.8%で1位、ついで「時間の融通が聞くので、時間を有効に使えた」が59.4%で2位、「新型コロナウイルスに感染する可能性がある中で出勤しなくても業務を行えた」が43.3%で3位となっており、コロナ禍特有の理由ではなく、時間の有効活用や通勤の負担軽減などテレワークそのものが評価されていると言えます。

テレワークを実施してよかった点(雇用型テレワーカー全体)

一方、企業はどうでしょうか。パーソル総合研究所が2021年1月に発表した「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、ワクチンが普及する前の2021年上期時点で「全ての従業員向けにテレワークを推進する予定だ」「一部従業員向けにテレワークを推移する予定だ」と回答した企業は34.6%だったのに対し、ワクチンが普及した後について同回答をしたのは25.5%となっており、ワクチン普及後はテレワークを継続しない企業が増えると予想されます。

ワクチン普及前後の企業のテレワーク方針

つまり、企業と従業員間でテレワークに対する意向の乖離(かいり)が起きており、その結果、従業員離れを引き起こす可能性があるといえるでしょう。コロナ禍以降、テレワークの有無で応募する企業を選定する求職者も増えているといいます。テレワークを廃止することで離職者の増加と人材確保の困難な状況を招くことになりかねません

テレワークだけで企業活動を続けることも現実的ではない

そうはいっても、テレワークだけで企業活動を続けることは困難だと実感している企業も多いことでしょう。 テレワークの課題としては

コミュニケーション不足

  • 上長への相談やメンバへの業務依頼やちょっとした確認などが気軽にできない
  • 誰かと会話をする機会がなくなり孤独感が生じてしまう

新規ビジネスなどのイノベーションが生まれにくい

  • Web会議では参加者全員で会話するよりも誰かが発言していることを他の参加者が聴くというスタイルのためディスカッションやブレストなどがしにくい
  • カメラをオンをせずにWeb会議に参加した場合、他の作業をしがちになり参加者意識が薄れやすい
  • 上長やメンバーと何気ない会話をする機会がない

業務に必要な環境・設備がない

  • 自宅でテレワーク専用の部屋を用意できない
  • 仕事に適したデスクや椅子がない
  • インターネット回線が脆弱
  • プリンタやコピー機といったOA設備がない
  • 家族に気を使って業務に集中できない

管理職がメンバーの状況や体調を把握しづらい

  • メンバーの業務態度や表情などが見えないため取り組んでいる業務の進捗やサポートが必要かどうかなどが判断しづらい
  • メンバーの体調を把握しづらい

セキュリティ面での不安

  • テレワークをする従業員の端末やインターネットのセキュリティは企業側で管理することが困難

などが挙げられます。
テレワークを実施した企業であれば、自社でも当てはまるという課題があるのではないでしょうか。

テレワークの課題を解決する「ハイブリッドワーク」

前述したテレワークの課題を解決する方法として、SaaSといったITツールの活用でテレワークの業務効率を向上させるというアプローチだけでなく、オフィスで取り組むことで解決できることもあります。例えばディスカッションやブレストなどはオフィスに集まってざっくばらんに会話をした方が効率的です。また、第3のワークプレイスとしてシェコワーキングスペースを活用することで、Web会議が多い日は家族に迷惑をかけるのでオフィスよりも近いコワーキングスペースで業務をするなど、従業員のライフワークバランスを担保しつつ生産性を高める働き方を実現できます。それがこれからの時代に求められる「ハイブリッドワーク」なのです。

「ハイブリッドワーク」実施に向けてテレワーク環境の改善をしましょう

ハイブリッドワークを実施するには、今までのテレワークで明らかになった課題を見直す必要があります。具体的にどんな課題をどう解決すればよいのでしょうか。そんな疑問にお答えするホワイトペーパーを公開しています。ぜひダウンロードしていただきテレワーク環境の改善にお役立てください。

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