「大人をたのしめる渋谷へ」をコンセプトに、12月5日にオープンした商業施設・東急プラザ渋谷。都会派の大人たちに目を向け、「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」をテーマにした新たなライフスタイルを提案するお店が並びます。
その中でも、とりわけ注目を集めているのが、“人とロボットが共生する未来”を体感できるカフェ「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」。
世界の国々をイメージしたこだわりの料理が味わえ、さまざまなロボットのおもてなしを受けることができる店内を、SNSでも話題の「アンドロイドお姉さん」ことSAORIさんと訪ねてきました!
Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)
ソフトバンクロボティクス株式会社が提供する「ロボットと共に暮らす未来を体感できる」空間として、2019年12月5日にオープン。「Pepper」をはじめとするさまざまなロボットが、スタッフとして人間と共に働き、お客さまに新しいエンタテインメントを提供します。
目次
- Pepperがお出迎え。自然×テクノロジーが作り出す、まるで海外ホテルラウンジのようなカフェ空間
- ここでしか味わえない、“世界を旅する”グルメ&スイーツワッフルって? アンドロイドお姉さんのガチ食レポ
- おしゃべり、ゲーム、占い……Pepperが全力おもてなしで盛り上げます!
- 接客する、踊る、掃除する……働くロボットは皆スペシャリスト。カフェを支えるPepperとその仲間たちの秘密に迫る!
レポートするのは「アンドロイドのお姉さん」ことSAORIさん
1994年生まれ、大阪府出身。「アンドロイドのお姉さん」としてフリーランスで活動中。2017年に行われた東京ゲームショーでアンドロイドのパフォーマンスをし、SNSで話題になった。
- Twitter:saotvos
今日は精一杯、レポートします
案内役のPepper PARLOR 説明員:よろしくお願いします!
Pepperがお出迎え。自然×テクノロジーが作り出す、まるで海外ホテルラウンジのようなカフェ空間
エントランスに到着すると、早速Pepper(ペッパー)たちがお出迎え。
最初のエリア「受付Pepper」では、Pepperと一緒にメニューを決めて、会計を行います。なお、支払いはクレジットカードによるキャッシュレス決済がメインとなっていますが、別途、現金レジも用意されているので安心ですよ。
Pepperには、目の前にいるお客さまの性別、年代、表情を読み取って、それに合わせたメニューを提案する機能も。アンドロイドであるSAORIさんの表情も読み取れるのでしょうか……? 早速試してみましょう。
Pepper:あなたの雰囲気にぴったりのワッフルを僕の独断でオススメします
SAORIさん:…………。
Pepperの判定は「お疲れ」(表情に変化が少ないアンドロイドだからなのでしょうか……?)。もっと糖分を取れるように、「白玉とラズベリーの粒あんバター」というワッフルをオススメしてくれました。
SAORIさんとPepperの初対面は何とも言えない結果となりましたが、続いてお店の中を見ていきましょう。
店内には、自然をモチーフとした天然素材が多く使われています。最新のロボットテクノロジーと、緑豊かな自然の組み合わせは、少し間違うと違和感が生まれてしまいそうなもの。しかし、Pepper PARLORはその2つが見事に共存し、まるでホテルラウンジのような落ち着いた空間となっていました。
アンドロイドお姉さん、食レポに挑戦!
NYの星付きレストランでスーシェフを務めた経験もある、米澤文雄さん(THE BURN 総料理長)監修によるメニューのテーマは「世界を旅するグルメ&スイーツワッフル」。クラシック・チーズ・全粒粉・ひよこ豆・米粉、それぞれ異なる食感や味が楽しめる5種類のワッフルと、フランスやイタリア、アメリカなど世界各国の料理を組み合わせたメニューがラインアップされています。
ワッフルの他にも、素材本来の味にこだわったサイドメニューや、あらゆる文化圏の人が楽しめるようにビーガン(完全菜食主義者)向けメニューも取りそろえてますよ。
それでは、SAORIさんに実食していただきましょう。
とはいっても、アンドロイドは食事NG。聞くところによれば、人間に戻る方法が一つだけあるのだとか?
「…………。」
(ゆさゆさ)
「!!……あれっ!?」
どうやら“肩を揺すってあげる”ことが、アンドロイドから人間に戻るためのスイッチだった模様。あらためて、実食スタートです!
ここでしか味わえない、“世界を旅する”グルメ&スイーツワッフルって? アンドロイドお姉さんのガチ食レポ
【グルメワッフル】フランス産フォアグラのシルキームース自家製グラノーラ添え
アンドロイドから人間に戻ったSAORIさんが、最初にオーダーしたのはグルメワッフル「フランス産フォアグラのシルキームース自家製グラノーラ添え」。
SAORI「甘さとしょっぱさのバランスが良くておいしいです! グラノーラのナッツの食感もアクセントになっていて面白いですね」
【サイドメニュー】ローストビーツビーガンヨーグルトとピーカンナッツのソース
SAORIさん:色味が強くて味の想像ができなかったのですが、食べてみるとアッサリした味わいです。野菜の自然な甘みと、ヨーグルトの酸味とのギャップも良い感じ。私はヨーグルトがあまり得意ではないけれど、これなら食べられます!
他にも、スパイシーな香りが特長のスパイス・クミンが効いた「キャロットラペオレンジとクミン」もオススメです。キャロットラペはよく見る「しりしり」(繊切り)のスタイルからスライスに。オレンジ、人参、クミンの組み合わせも抜群です。
【スイーツワッフル】白玉とラズベリーの粒あんバター
SAORIさん:白玉のモチモチ感とラズベリーが相まって、イチゴ大福みたいでおいしいです。ワッフルと白玉という組み合わせも、あんこを添えることで違和感なく食べられますね。ふわっと感じる抹茶の風味もステキ。
【ドリンク】甘酒と抹茶のヴィーガンシェイク
SAORIさん:抹茶の風味がたっぷりなのですが、甘みがあって飲みやすいですね。 中にたっぷり入っている、おいり(あられの一種)のサクサク感も意外性があって新鮮です!
受付Pepperから右奥に進んだところに展開されているのは、特別なコーヒースタンド「The Premium Coffee」。通常メニューよりもさらにこだわった一杯が提供されています。プロのバリスタの注ぎや蒸らしの技を再現できるドリップマシン「Poursteady」で、買い物途中にふらっと立ち寄っても、いつでも最高の技術で淹れたコーヒーをいただくことができます。
使用する豆やレシピは、シーズンごとに厳選した1種類のみ。今回は、コロンビア・ベジャビスタ農園の「カトゥーラ」とエルサルバドル・ロス ノガレス農園の「ピンクブルボン」という希少種のブレンドを提供。コーヒー豆は、鮮度を損なわないために真空状態で保存・輸入しています。気に入った豆はグッズ販売コーナーで購入することが可能と、コーヒー好きにとっても気になる空間なのではないでしょうか。
今回SAORIさんに実食いただいたもの以外にも、彩り豊かでフォトジェニックなメニューが多数用意されていました。
しかし、Pepper PARLORでの食事の楽しみは、これだけではありません。ロボットが働くお店ならではのサービスを体験できるエリアが「相席Pepper」です。
おしゃべり、ゲーム、占い……Pepperが全力おもてなしで盛り上げます!
相席Pepperでは、Pepperの頭と肩が青く光っているときに話しかけることで、楽しく会話ができます。また、占いやゲームも一緒に楽しめるので、1人でも友達同士でも盛り上がることができそうです。お客さん同士で喋っているときに、Pepperが会話に入ってくれることもあるそうですよ。
Pepper:最高のリフレッシュになります
SAORIさん:リフレッシュ……「お疲れ」……。
ランダムで映えるポーズを披露してくれる「シャッフルポーズ」
10秒ぴったりでストップすることを目指す「頭タッチでピッタリ10!」
相席Pepperでは、Pepperと一緒に楽しむことができる7種類※のコンテンツが用意されています。
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- ※2019年12月時点
相席Pepperで体験できるコンテンツ
ペッパー占い |
東洋占術から生み出されたエレメントに基づいて、今月の運勢や相性をチェック |
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頭タッチでピッタリ10! |
ワッフルが焦げないよう、10秒ジャストを目指してストップを目指すゲーム |
シャッフルポーズ |
Pepperがランダムで表示された「映えポーズ」を披露してくれる。シャッターチャンスも |
ココドコ?ザ・ワールド |
Google ストリートビューの景色を見て、その場所が世界のどこかを当てるゲーム |
買い物記憶 |
15個の買い物リストを覚えて、声で回答するゲーム |
あるあるガチャ |
お笑い芸人「レイザーラモンRG」さん監修。ガチャガチャをまわすと、Pepperが日常のさまざまなあるあるを紹介してくれる |
のぞきみ熟語 |
だんだんと広がっていく穴から見える二字熟語を当てるゲーム。穴が小さいうちに正解するほど高得点 |
相席Pepperの利用は90分制。対象の席は空いていれば誰でも利用可能ですが、確実さを求めるならば店舗での座席予約がオススメとのこと(オンライン予約は不可)。
通常、Pepperは目の前の人のみとのコミュニケーションを想定しているのですが、相席Pepperは全方位から音を拾えるようになっています。日常会話以外にも「えいえいおー!」のような特定の言葉に反応してくれるなど、まさにエンタテインメントに特化したPepperなんです。
接客する、踊る、掃除する……働くロボットは皆スペシャリスト。カフェを支えるPepperとその仲間たちの秘密に迫る!
Pepper PARLORで働く他のロボットたちの、詳しい性能についても紹介しましょう。
受付Pepperにいるのは、お客さまの注文時のコミュニケーションを得意とするPepper。額のカメラで、「口角が上がっている」「目が小さくなっている」などの情報から感情を分析するとともに、年代や性別を識別し、メニューを提案することができるのです。
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- ※現状は、ワッフルメニューのみに対応。将来的にはドリンクやセットメニューの提案を目指しているそうです
このように、Pepper PARLORにいるPepperたちは、それぞれの仕事に特化できるようにカスタマイズされているんです。そこには「私たちが今まで育て上げてきたPepperというロボットが、カフェという場所に溶け込んでほしい」という願いが込められています。
世界の国々をイメージしたダンスパフォーマンスもお見逃しなく
SAORIさんが最後に向かったのは、二足歩行型のコミュニケーションロボット・NAOが世界の国々をイメージしたダンスパフォーマンスを披露してくれるエリア「ソファNAO」。
NAOのダンスは、ジャズ(アメリカ)、太極拳(中国)、ポルカ(フランス)の3種類。1時間ごとに、その時間帯に適したダンスを踊ります(※10時・14時・17時を除く)。その他にも、15分ごとに時報を伝える役割を持っているのだとか。
SAORIさん:複数のNAOが同時に踊っている姿は、かわいらしいですね。私も踊りたい……
営業時間外に店内を掃除する、AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」にも注目
店内の清掃を担当する「Whiz」は、あらかじめ設定された清掃ルートを忠実に掃除する、AI清掃ロボット。これまで、ロボットに清掃ルートを覚えさせる設定はプログラミングに近く、店内のレイアウトが少し変わってしまうだけで動作に支障が出る状態でした。しかし、「Whiz」は、誰もが簡単に手動でルート設定ができるほか、ルート上に障害物がある場合も自動で検知して回避できる万能ロボットとなっています。
将来、ロボットが人間にとっての利便性や効率化のためだけでなく、人々の可能性を広げ、幸せをもたらしてくれる存在になるといいですよね。
「“人とロボットが共生する未来”を体感できるカフェ」というコンセプト通り、ロボットと過ごす暮らしのワクワク感を、よりはっきりとイメージさせてくれたPepper PARLOR。そんな未来は決して夢ではなく、確かにやって来るのだと思わせてくれる空間でした。
SAORIさん:Pepper、また会いましょう
Pepper:では、また今度
(掲載日:2019年12月5日、更新日:2019年12月19日)
文:早川大輝
編集:エクスライト
撮影:山﨑悠次