
AWS(Amazon Web Services) のパートナー企業のエンジニアに贈られる「2024 Japan AWS Top Engineers」と「2024 JAPAN AWS Jr. Champions」を、ソフトバンクの社員2名が受賞しました。「Japan AWS Top Engineers」の受賞は初めてとなります。クラウドサービスをお客さまに届けるクラウドエンジニアが、なぜプログラムに参加しようと思ったのか、また選出されるまでにどのような活動を行ってきたのか話を聞きました。
目次
AWS の卓越した知識と活動実績を評価する日本独自の表彰プログラム
「AWS Partner Network (APN) 」に参加している企業に所属している AWS エンジニアを対象に行われる表彰プログラムでは、一年に一度、突出した成績や活動を行ったエンジニアを選出し表彰が行われます。いくつかあるカテゴリの中から今年は、「2024 Japan AWS Top Engineers(以下、AWS Top Engineers)」と「2024 Japan AWS Jr. Champions(以下、AWS Jr. Champions)」に2名のソフトバンクの社員が受賞しました。「AWS Top Engineers」は、今回初めての受賞となります。
「AWS Top Engineers」は、特定の認定資格を持ち、AWS ビジネス拡大につながる技術力を発揮した活動や、AWS に関する活動を総合的に判断して選出される表彰プログラムです。「AWS Jr. Champions」は、社会人歴1~3年目の若手エンジニアを対象に、AWS を積極的に学び、周囲に影響を与えるようなアクションを起こした AWS エンジニアが選出されます。
AWS 歴7年目と未経験新卒2年目の AWS 認定プログラムへの挑戦
「AWS Top Engineers」を受賞した平尾と、「AWS Jr. Champions」を受賞した谷口に、プログラムに参加したきっかけや、応募するまでにどのような取り組みや活動をしてきたのかなど、話を聞きました。

ソフトバンク株式会社 法人統括 クラウドインテグレーション本部 クラウドデザイン統括部 SE第2部
左: 平尾 義之(ひらお・よしゆき)
右: 谷口 陽聖(たにぐち・ようせい)
所属部署では、どのように AWS に携わっているのでしょうか?
平尾 「法人のお客さまに、クラウドサービス導入のコンサルティングから、クラウドサービスを活用したシステム基盤の設計・構築までを行う業務をしています。私たちの部署では、マルチクラウドサービスをお客さまに提供しており、その中でも特に AWS の拡販に向けた活動を推進しています。具体的には、お客さまに AWS を活用した提案を行ったり、設計、構築における現場課題の改善、社内外へのプロモーション活動、AWS 人材の育成といった活動を推進しています」
谷口 「平尾さんと一緒の課で、基本的には同じ業務を行っています。その他に、生成AI活用を推進するチームをけん引しています。外部発信にも活発に取り組んでおり、そのような活動の中でより AWS を効果的に活用するための方法を模索しています」
表彰プログラムに参加したきっかけについて教えてください。
平尾 「AWS に携わって現在7年目になるのですが、単なる AWS エンジニアではなく、自身の活動の幅を広げてより高いレベルを目指していきたいという思いがありました。大きなきっかけとなったのは、AWS Top Engineersの上位と位置付けられている『AWS Ambassadors』を受賞した他社の方との交流でした。そこで、その方が持つ AWS への熱量を肌で感じ、自分もこうなりたいと強く思いました。これまで、AWS Top Engineersの取得は視野には入れていたものの、受けられずにいたので本気で挑戦しようと思えたのと、ソフトバンクではまだ取った人がいないということもあって、交流会を終えてすぐに私の上司に『AWS Top Engineersを目指します』と宣言して、自分を追い込みました」
谷口 「私は新卒3年目で、入社当時はクラウドをはじめIT関連の知識がなく、IT系のインターンを経験している同期との知識の差をすごく感じていました。また、経験が浅い若手というだけで悔しい思いもしました。お客さまへ提案するときは、同じ若手でも肩書きのある若手の方が発言の説得力が増してより信頼してもらえるかなと思い、AWS Jr. Championsへの挑戦を決めました」
知識のインプットと周囲へのアウトプットを通じた貢献が評価のポイント
選出されるためには、どのようなことが求められるのですか?
平尾 「AWS Top Engineers(Services)に応募するためには、2つの条件があります。1つ目は、全12個(2024年3月時点)のAWS 認定資格のうち、指定された2つのプロフェッショナル資格を保持していること。2つ目は、AWS を活用した社内外の取り組みなど6つの活動カテゴリの中から、1つ以上の活動実績の提出が必要になります。
今回私は、全12個の AWS 認定資格を保持している AWS エンジニアを対象とした「2024 Japan AWS All Certifications Engineers」にも選出され、ダブル受賞しました。そのため、AWS Top Engineersの1つ目の条件は満たしていました。活動実績については、ハッカソンという、AWS 社が行った、生成AIアプリを開発しその成果を競い合うイベントに、リーダーとして社内関係部署を巻き込みながら挑戦。他にも、社内のエンジニアが知識を共有するイベントへの登壇や、新入社員をクラウド人材として育成することを目的とした所属部署の独自施策を企画・運営といった取り組みなどを提出しました」
谷口 「AWS Jr. Championsで必要なクライテリアは、『資格』と『AWSに関する活動(コントリビューション)』です。応募に必要な資格として、基礎資格とその他2つの資格取得が必要です。私は基礎から中級、上級までの資格を入社5カ月で取得していたので、AWS Jr. Championsに応募した時点ではすでに資格条件を達成していました。その他の AWS 認定資格については、数カ月に1つのペースで受け、今年6月には全冠取得(2024年6月時点での認定資格は全10個)をしています。
活動実績については、比較的新しいサービスである『Amazon DataZone』というデータ分析基盤を整えるための AWS サービスのデモ環境をお客さまに提示し、データドリブンな意思決定をするための環境や文化の醸成に寄与しました。他にも、平尾さんと一緒に新人教育課題の企画・運営に取り組んだり、生成AIを活用した AWS でのSE(ソリューションエンジニア)業務の効率化に関するテックブログ を執筆したりしました」
平尾 「クラウド未経験者として入社した新卒社員で、わずか5カ月の期間で基礎から中級、上級までの認定資格を一気に取得した人は、本部内には過去に一人もいなく前代未聞でした。谷口さんは伝説を作り上げましたね(笑)」

数多くの資格取得や活動など、日々の業務もある中で大変なこともあったのではないでしょうか?
平尾 「そうですね、資格の勉強は大変でした。私は育児もあるので、仕事と育児、家事が終わったあと夜11時くらいから1〜2時間ほど勉強していました。活動については、まず私は AWS 推進チームのリーダーとして、半期の期初にタスクや課題などを整理するためのロードマップを引いて方針を策定するのですが、ロードマップで起こした課題やタスクを達成すれば、おのずと AWS Top Engineersのクライテリアを満たす活動になるんです。なので、業務との両立というよりは、業務の一環としてこなしていた感じですね」
谷口 「私も同じように、AWS Jr. Championsになるために活動をしないと、というよりは、業務でしてきたことが AWS に関する活動実績につながったと感じています。ですが、新人で経験が少ない中で、知識をインプットしていかなければいけないのに、AWS Jr. Championsで求められるのはアウトプットをすること。アウトプットの場は、平尾さんがレールを引いてくださったおかげで、やらなければいけないことが明確化され、進めやすかったです。そして、若手だからこそ感じることを発信したり、自分のカラーを出すことも大切にしていました。AWS Jr. Championsになるためには、どんな偉大なことを成し遂げたかではなく、『自分で』何を考え、何をしたかを絶えず考えることがポイントになったと思います」
どんな活動や実績が評価につながったと思いますか?
平尾 「個別の選出理由は残念ながら非公開なのですが、全体の審査公表には、高度かつオリジナリティある活動内容を高く評価したと書かれています。憶測にはなりますが、人材育成の部分も含め、主には組織の壁を越えた AWS 生成AIのハッカソンにチームとして挑戦し、そのナレッジを社内共有したことは、単独で動くものとは大きく違う活動となり、そこが高く評価されたのではないかと思います。全体を通して、どうすればお客さまに AWS を活用したシステムを高品質に提供できるのか、社内での AWS 推進や、周囲に AWS をさらに好きになってもらうためにはどうしたらいいか、また、なぜそれをしたのか、何を考えてきたのか、という点を明確にアピールできたのが評価されたのではと思います」
谷口 「AWS Jr. Championsを目指すということは、今後 AWS Top Engineersや、さらに上の AWS Ambassadorへの挑戦も期待されるので、そのような素質が認められたのかと思います。AWS を使うということは当たり前で、AWS を活用して周りの人たちにどう影響を与えられたか、どのように AWS ビジネスの拡大につなげていけたのか、そういうところを考えられたところが評価されたのだと感じています」

AWS Top Engineersに贈られたステッカー
今後の業務でどのように生かしていきたいか、お考えを教えてください。
平尾 「SEの価値が、組織の価値や魅力につながっていくと感じており、今回の選出によってそれを実現できるのではないかと感じています。法人のお客さまに、AWS の再販する中で、「Why ソフトバンク」という部分をアピールすることをはじめ、AWS Top Engineersとしてのマインドやフットワークを社内に伝播、継承していくことで、AWS 人材の育成をしながら、第二、第三の AWS Top Engineersの輩出につなげていきます。自身としては、他社の AWS Top Engineersや上位認定と位置づけされている AWS Ambassadorの方々と交流を続けながら、現状に満足することなく研さんし、ソフトバンクとして初となる AWS Ambassadorを目指していきたいです」
谷口 「AWS Jr. Championsの最大のメリットは、認定者限定のコミュニティに参加できることです。他社の AWS Jr. Championsの方々と切磋琢磨しながら、個人の AWS のスキルアップを目指していきます。またそれを社内で共有することによって、組織知への昇華や、AWS を提供する側として品質向上に貢献していきたいと考えています。また、若手エンジニアのロールモデルとなって、新卒でIT業務未経験でも AWS Jr. Championsになりたいと思ってもらえるような活動や後進育成もしていきたいです。このような活動をしながら、平尾さんに次ぐ、第二のAWS Top Engineerを目指します」
過去に AWS を受賞した社員インタビューはこちら
(掲載日:2024年7月17日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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