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多くのトレーナーでにぎわった万博記念公園。「Pokémon GO Fest」を支えた通信ネットワーク対策

多くのトレーナーでにぎわった万博記念公園。『Pokémon GO Fest』を支えた通信ネットワーク対策

2025年5月29日から6月1日の4日間、大阪万博記念公園で「Pokémon GO Fest 2025」が開催され、多くの来場者が集まりました。今回のようなイベントで大人数が同時に同じ場所でプレイすると通信回線への負荷が高くなりますが、通信環境はトレーナーの体験に直結するため、安定したネットワークの確保が欠かせません。高所作業車を使った広域カバーや、衛星通信サービス「Starlink Business」と組み合わせたソフトバンクユーザー向けWi-Fiの提供など新しい試みも実施。こうした大規模イベントでの通信ネットワーク対策について、担当者に聞きました。

ストレスフリーなプレー環境を。アップデートした通信対策で大規模イベントをサポート

多くのトレーナーでにぎわった万博記念公園。『Pokémon GO Fest』を支えた通信ネットワーク対策

大規模なイベントである『Pokèmon GO』。トレーナーと呼ばれる参加者は、会場内を移動し、ポケモンを捕まえたり、限定ミッションをこなしたりと、常にスマートフォンを操作して通信を行います。位置情報の取得や歩行距離のカウント、リアルタイムの通信を前提とするゲーム特性もあり、会場内では通信トラフィックが一気に集中します。

お話を聞いた人

ソフトバンク株式会社 エリア建設本部 関西ネットワークソリューション部

奥 勇介(おく・ゆうすけ)

ネットワーク品質課

奥 勇介(おく・ゆうすけ)

沖本 雄大(おきもと・ゆうた)

ネットワーク設計課

沖本 雄大(おきもと・ゆうた)

前回に比べて、今年のネットワーク対策はどんな点が進化したのでしょうか?

「今年も多くの人が来場することが見込まれたため、体制を強化する必要がありました。従来の移動基地局車に加え、今年はアンテナを高く設置できる高所作業車を活用することで、より広範囲をカバーできるようにしました。加えて、衛星通信サービス『Starlink Business』と連携したソフトバンクユーザー向けのWi-Fiを導入し、園内のソフトバンクユーザー数と通信量増加にも対応できる体制を整えました」

高所作業車

来場者に安定した通信を届けるために、特に意識した工夫は何だったのでしょうか?

「5Gの広い帯域をフルに使うことで、高速通信を利用できるようにしました。通信が一部に集中すると遅延や接続不良につながるため、利用状況をモニタリングしながらトラフィックを分散させました。
数カ月前から人の導線を踏まえて検討し、移動基地局の配置やアンテナの角度、出力、周波数の割り当てを設計段階で最適化することで、混雑が発生しやすい時間帯やエリアでも安定した通信を維持できたのが大きな成果でした」

移動基地局車

設備面の工夫に加え、忘れてはならないのが “人の力” です。関係部門間の調整や工事の進行、モニタリング体制の構築など、見えない努力の積み重ねが通信の安定を支えています。

多くの来場者を支えるためには、設備だけではなく現場の体制や連携も必要だったんですね

沖本 「設備強化に加え、現場を支えたのはネットワーク設計や建設、品質管理など、複数部門のメンバーの連携でした。代替局の工事を急ピッチで進めてもらうなど、チーム一丸となって対応しました。モニタリングチームと現場チームの間の連携も非常にスムーズで印象に残っています。
結果的に、会場を歩き回るトレーナーの皆さんに安心して楽しんでいただけましたし、主催者のナイアンティック社から通信が安定していたと言っていただけたのもとてもうれしかったです」

こうした人と設備の両輪によって、会場全体で快適な通信を届ける体制が整えられていました。

イベントを思い切り楽しめるように。多彩な対策の組み合わせで安定通信を実現

もし通信が混雑した場合、トレーナーにはどんな影響が出るのでしょうか?

「通信が混雑すると、動作がスムーズにいかなくなるため、トレーナーにとっては大きな不満につながります。だからこそ、通信状況を見ながらその場で負荷を分散させる仕組みがとても重要でした」

万博記念公園『Pokémon GO Fest』の様子

この課題に対応するため、ソフトバンクは会場周辺の既存基地局に加え、移動基地局車を出動させ、より多くの人が快適に通信できるようにしました。複数の周波数帯をフルに活用し、利用状況をモニタリングしながらリアルタイムで分散制御を行いました。イベントの進行に合わせてアンテナの設定や周波数の割り当ても調整し、混雑する時間帯やエリアでも安定した通信を提供しました。

万博記念公園『Pokémon GO Fest』の横断幕をつけた移動基地局車

運用面で工夫したことに加えて、当日の現場で特に印象に残った対応はありましたか?

「会場では『Pokémon GO』の横断幕を付けた移動基地局車の前で、トレーナーの方々が記念撮影している姿も多く見られて、思わず笑顔になりました」

見えない努力が支える、大規模イベント通信

来場者にとっては「当たり前」に感じられる快適な通信。しかし、その裏には数カ月にわたる準備と、現場での柔軟な対応がありました。

今回のイベントで得た知見や学びを、今後の大規模イベント対策にどのように生かしていきたいですか?

「主催者の意図をくみ取りながら、最適な通信環境を提案・実現することが重要だと感じました。これからもイベント参加者が心から楽しめるよう、安定した通信を届けていきたいです」

ポケモントレーナーが快適に楽しめるよう通信を支える技術者

『Pokémon GO』トレーナーが快適に楽しめるよう通信を支える技術者

今後さらに大規模イベントを支えていく上で、ソフトバンクはどんな価値を届けていきたいですか?

沖本 「イベントがより楽しく、安全に運営されるよう、利用者の体感を損ねない環境をこれからも提供していきたいと思います」

「現場での知見を次につなげながら、これからも参加者の皆さんが安心して楽しめる通信環境を整えていきたいです」

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(掲載日:2025年10月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部