総務業務のDXは「目的と進め方」が重要

2021年5月18掲載

Business marketing concept.

データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが進んでいます。多くの企業では、デジタル技術を活用した改革を実現できていません。
ソフトバンクではDXの一部として、総務業務のデジタル改革を実施しています。その取り組みを例として、結果を出せない原因と改革を進めるためのポイントを紹介します。

目次

結果が出ない理由は成功ビジョンが共有されていないため

狙い通りの結果が出ないのは、以下の2つが大きな原因です。

目的、目指す姿が不明瞭

何をどうすれば改革が実現したことになるのか、成功ビジョンが全社で共有されていなくては、担当者が苦労してデジタイゼーションしても社内で浸透しないまま、気が付けばアナログのプロセスに戻っていることがあります。
また、「新システムを導入すること」だけがデジタル改革ではありません。効率化や生産性向上などの目的を見失って手段が目的になってしまうと成功ビジョンが曖昧になり、望んでいる結果にたどり着くことができません。
何を実現したくて取り組んでいるか、常に意識することが大切です。

進め方がわからず挫折してしまう

既存の業務を大きく変革させる取り組みは、担当者も含めて社内の誰もが初挑戦です。何から手を付けたらいいか、どのように進めたらいいか、分からないことはたくさんあるはずです。
予算の使い方が決まっている大企業では遅れがそのまま挫折につながりやすいため、期間内にやりきることが重要です。

目的・行程・体制・支援を明確にしてやりきる

4,000人分の業務時間創出を目指しているソフトバンクの「DW(デジタルワーカー)4000プロジェクト」をもとに、デジタル改革実現のポイントを紹介します。

①改革の下地として成功ビジョンを全社で共有

新しいことに取り組む際には、必ず反対する人や馴染めない人がいます。
現場の協力を得るためにも、ソフトバンクではプロジェクトマネージャから一般社員まで、成功ビジョンを徹底的に周知しました。改革へのモチベーションを高くするためには「全員が同じゴールを見据えること」が大切です。

②まずは業務のボリュームゾーン特定から始める

何から始めたらいいのかわからなければ、改善検討すべき業務の特定から始めましょう。
ソフトバンクでは、現場社員・部門長のインタビューをしてからカテゴリ別に業務の棚卸を行い、工数がかかっているボリュームゾーンを特定・可視化しました。
改善すべき業務を明確にすると、原因と解決策の検討ができ、あるべき姿を策定できます。この段階で重要なのは、最初からダメだと決めつけずに柔軟に改善策を模索すること。「予算やリソースがないからダメ」と言っていては、いつまでも変化はできません。
次の段階として、社内リソースに基づく実現容易性と削減効果の2軸で業務を整理して、取り組みの優先度を決めます。

③現場の意見を反映しつつ部門連携が取りやすい体制に

体制によっては改革の進みが遅くなる原因となります。
各部門で担当者を選出すると部門間の連携が取りづらく、プロジェクト部署だけが主体となると部門の意見を反映できません。
ソフトバンクでは、現場に寄り添いつつ全社で改革を推進させるために、改革推進役の専門部署を作り、各部門にも担当者を配置する体制にしました。

④改革推進役は業務を深く知り、現場を支援

変化した業務を担うのは現場の社員です。
彼らがスムーズに慣れるため、そしてしっかりと運用していくため、部門の担当者は業務量の把握、課題の洗い出し、あるべき姿の策定、計画の実行、保守・運用のサポートを全て担い、徹底的に現場支援をする必要があります。

詳細なプロセスと改革した業務を動画で確認

ソフトバンクのデジタル改革におけるプロセスと具体的な業務は動画で詳しく紹介しています。
部門長へのヒアリングのポイント、業務の棚卸の具体的なカテゴリ、工数可視化の方法、あるべき姿の策定方法、優先度の決定方法など、多くの企業でも生かせるノウハウとなっています。

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