実際に導入した担当者が語る ソフトバンクの電子サイン導入秘話

2021年6月23日掲載

ソフトバンクの電子サイン導入秘話

ソフトバンクの法人部門では、電子サインを導入することで申込書受取りのための出社が必要なくなり、テレワークの促進に大きく貢献しています。また、申込書送付からサインバックまでの期間を5営業日から1営業日に短縮することもできました。 当社が電子サインの本格運用に至るまで、何から取り組み始め、どのように導入を進めたのでしょうか?導入プロジェクトの担当者に聞きました。

目次

【資料】
電子契約の始め方完全ガイド

契約締結プロセスの「脱・紙面」が悲願

ソフトバンクの法人部門が、導入を決定した背景は何だったのでしょうか?

ソフトバンクでは、法人のお客さま向けに提供しているサービスが数百種類あり、毎月数万件の申込書を受領しているため、業務効率の悪さや作業工数の多さに課題がありました。
また当社では以前からテレワークが浸透していましたが、紙の申込書を受け取って記入漏れがないか内容を確認し、保管場所に送付するためには出社が必要という点も課題でした。
2019年頃から社内各所より契約書の電子化を求める声が上がり始め、同時に法人の業務プロセスを統一化しようという社内プロジェックトが発足したのをきっかけに、電子サインの検討が開始されました。
緊急事態宣言が発令されたことで、お客さまから電子サインを利用した申し込みの打診が増え、「一刻も早く導入しなければ」という思いで検討が加速したという背景があります。

導入プロジェクトの発足

導入を進めるにあたって、どのような課題がありましたか?

紙の申込書を廃止してPDFを受領するだけという訳にはいかず、「電子帳簿保存法」(以下、電帳法)に準拠した運用が必要でした。電帳法とは、「従来、紙で保存していた契約書や領収書を、要件を満たした場合は電子データとして保存してもよい」と定めた法律です。

電磁的記録で書類を保存するための要件

プロジェクトはどのように進められたのでしょうか?

契約に関わるさまざまな部門から「紙」脱却を切望するメンバーが集められ、プロジェクトチームが発足しました。当初は数人の体制でしたが、現在は17名のメンバーが参画して取り組んでいます。

ソフトバンクの電子サイン導入 プロジェクト体制図

プロジェクトでは、まず社内調整とベンダ選定からはじめました。 社内調整に関しては、専門的な部分は関連部署へ確認するという手法で進めました。
法人サービス申込書は税務調査の対象で電帳法に準拠した運用が必要だったため税務担当部門に相談し、契約書としての証拠力は法務部門、印章規定は総務部門に相談しています。クラウドサービスに顧客情報が保存されるため、保存可能な情報の精査や、顧客データの流れをセキュリティ管理部門に相談しました。
ベンダ選定に関しては、複数社の機能を比較し、法人サービス申込業務の要件を満たせるかを中心に検討を進めました。無料のデモ環境でさまざまな契約パターンを検証し、課題の把握と社内調整を同時進行で行いました。
導入の目途がついた段階で、電子サインを用いた申し込みを可能にするために、サービス約款・規約、申込書の確認や改訂をおこないました。
その後、特定の部門とサービスでのトライアル運用で意見を集約し、全社展開にむけた運用ルールを決めて本格運用をスタートさせました。

ソフトバンクの電子サイン導入計画

利用するツールを選定するにあたり、重視したポイントを教えてください。

当初は内製の可能性を探りましたが、導入期間や開発予算などを考慮した結果、外部サービス利用のほうが効率的と結論付けました。
外部サービスを検討するにあたっては、業務に必要な要件とセキュリティ基準を満たしていること、既存業務フローへの影響が少ないこと、シンプルな操作性、電帳法に準拠した保管運用を早期に準備できること、という観点で比較し、「最もスピーディに導入できる」サービスを見極めながら選定しました。

申込書送付からサインバックが1日に短縮

導入後、どのような効果がありましたか?

テレワーク対応を進めつつビジネスのスピードがアップする、という効果を実感しています。
お客さまも担当者も「押印のための出社」「申込書受領のための出社」が不要になりました。特にテレワーク中のお客さまや、広範囲を営業している地方拠点の担当者から、非常に便利との声が寄せられています。
また、業務工数削減という効果もありました。紙の申込書の場合はお客さま押印から到着まで約5営業日かかっておりましたが、電子サイン導入後は申込書の約8割が1営業日以内に申込完了しています。

導入後にどのような課題を感じていますか?

汎用パッケージをカスタマイズせずに使用しているため、当社の運用方針と合わないケースや、欲しい機能が実装されていない場合があります。これらの課題は運用ルールでカバーする必要があるため、正しい使い方を浸透できるように啓蒙活動を手厚く実施しています。また、機能の拡張開発を電子サインベンダに依頼するなど、利便性の向上にも取り組んでいます。

今後はどのような展開を考えていますか?

対象範囲を現状の30商材から最大300商材まで広げようと考えています。また、電子サインの利用を促進し活用件数を増やすことで、申込書原本の保管費用と送付にかかる工数の削減を目指しています。

電子サインとハンコの違いを、何度も確認することが重要

これから電子契約を導入する企業へのアドバイスをお願いします。

電子サインの導入を検討する際は、実際に使ってみないと分からなかった部分も多いため、無料のデモ環境でさまざまな契約パターンを検証し、課題を把握しながら社内調整を進めるとよいと思います。電子契約と紙への押印の違いを把握して、手順に見落としがないか、想定に漏れがないか、何度も振り返ることが重要です。運用開始段階では比較的影響の少ない範囲から導入して、徐々に範囲を広げていくことをお勧めします。

まとめ

ソフトバンクが電子サインを導入するにあたって、何に悩みどのように解決したかを、導入プロジェクト担当者に語ってもらいました。 電子サインが業務効率向上やテレワーク推進に効果的であると分かってはいるものの、「何から取り組めばよいか分からない」という方も多いと思います。今回の事例では、プロジェクトチームが関連部署を巻き込む形で、さまざまな視点から課題の抽出と解決を進めていきました。 実際に試行錯誤した経験をもとに、導入担当者・利用ユーザ双方の目線からアドバイスできるソフトバンクへ、お気軽にご相談ください。

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