「顔認証」によるバックオフィスの効率化

2021年8月4日掲載

多くの企業で人手不足が課題となっています。また、働き方改革による残業の見直しが行われ、1つ1つの業務への正確さ、スピードが求められています。バックオフィス業務は専門的な知識やノウハウが求められることが多いものの、こうした状況下では人手不足や働き方改革の影響を受けやすく、業務効率がなかなか上がらないのが現状です。こうしたバックオフィスの課題を解決するソリューションとして注目されているのが、店舗の入口などで来客の温度検知として活用が広まった「顔認証」です。本稿では「顔認証」のバックオフィスでの活用について説明します。

目次

あらゆる場面で活用が進む顔認証とは

顔認証とは、「目」「鼻」「口」「輪郭」などの特徴で本人を識別する生体認証です。カメラなどのデバイスで顔を検出し特徴を取得、あらかじめデータベースに登録した顔データと照らしあわせて本人を特定します。照合にはディープラーニング(深層学習)されたAIが使用され、精度の高い認証が可能になります。日常生活の中にもスマートフォンのロック画面の解除に活用されるなど身近な存在になっています。

顔認証のメリット

顔認証のメリットを見てみると、パスワードの管理が簡単になったり高いセキュリティレベルを維持できたりと、バックオフィス業務の効率化を進める要素が備わっています。

①高度な人物解析が可能

先進的なAIを活用した顔認証は非常に高い認識精度を誇っています。また、生体検知により写真では認証させなかったり、大人数でも精密に個人を判別できたりするなど高度な人物解析が可能です。

②パスワード忘れや紛失をなくすことができる

顔認証では顔を使って本人認証を行うため、パスワードの記憶や保管をする必要がありません。一般的な認証システムの場合、パスワードを覚えたり、定期的にパスワードを変更したりすることが必要になりますが、顔認証は自分の顔そのものがパスワードとなるため、こうしたパスワード管理にかかる手間を省くことができます。

③セキュリティレベルが高い

多くの企業でICカードやID、パスワードを使用した認証が採用されています。ICカードやIDを使った認証では、ICカードさえ持っていれば誰でも認証システムをパスできるため、犯罪などに悪用される恐れもあります。しかし、本人の顔を認証手段とする顔認証であれば、ICカードの盗難といった心配がないので、なりすましや悪用を防ぐことができます。

④入退室に必要な情報を一元化できる

顔認証は入退室に必要な情報の一元化を可能にします。社員や現場スタッフの場合、ICカードや社員証・鍵など入退室に必要なものを複数持ち歩いている人も多いでしょう。ロックを解除するためのツールがたくさんあると、入退室に時間がかかってしまいます。さらに鍵の管理の手間も発生します。顔認証を導入することで、複数のツールを持ち歩くわずらわしさがなくなり、鍵の管理の手間も軽減できます。

⑤感染症対策につながる

顔認証はカメラに顔を近けるだけで認証を行うことができる非接触認証のため、暗証番号の入力や鍵の使用などの接触機会がありません。そのため、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症対策にも有効です。システムによってはマスクを付けた状態でも認証可能で、マスク着用の有無や温度の検知など、コロナ禍に役立つ機能を揃えているものもあります。

バックオフィスでの顔認証の活用シーン

バックオフィス業務においても、業務の効率化やセキュリティ向上のために顔認証を導入するケースが増えています。

①顔認証による入館・入室

オフィスの入館ゲートやオフィス内の共用スペースや会議室、役員室などの各部屋の入口に顔認証システムを導入することで、顔認証で入館・入室ができるようになります。顔認証システムは認証後にゲートや扉が開く仕組みと組み合わせることで、登録された社員以外の侵入を防ぐことができます。また、ICカード管理などの手間を軽減する業務の効率化や両手がふさがった状態でも利用できる利便性、非接触による感染症対策などの効果が期待できます。

②顔認証で勤務管理

顔認証データと従業員データを紐付けることで勤怠管理にも活用することができます。例えば、オフィスや工場の入口にカメラを設置し出社時と退勤時にカメラに顔を映すことで勤怠打刻ができるようになります。これにより勤怠打刻を素早く済ませることができたり、打刻忘れを防ぎ、勤務管理にかかる負担を軽くすることができます。

③要注意人物の来店注意

あらかじめ顔認証システムに要注意人物などの顔を登録しておくと、該当者が施設に来訪した際に通知が送られます。そうすることで警備員が迅速に対応でき、店舗や施設全体のセキュリティレベルを上げることにつながります。

他社の取り組みを参考に

顔認証を活用し業務効率化やセキュリティ強化を進めたいと思った方の中には、自社で導入から運用まで対応できるのか懸念される方も多いかもしれません。そんな時は、他社の取り組みを確認し、どのような経緯から導入まで進めたのか確認することをお勧めします。

顔認証を活用した入退室管理のメリットやユースケースを紹介

導入事例 イオン株式会社様

AI温度検知ソリューション「SenseThunder」

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