DXが進まない企業はどうなるか 危惧される未来と変わるための最初のステップ

2023年7月14日掲載

DX 進まない

世界中で、急速に台頭しているデジタル技術。日本企業は海外と比べ、その活用が遅れているという指摘を受けて久しいですが、今こそ本腰を入れてDXに取り組まなければ、労働人口の減少や多様化する顧客ニーズなどに対応できず、危機的な未来に直面しかねません。本ブログではDXが進まない企業が今後抱えることになる問題と、それを避けられるようにする最初の一歩についてご紹介します。

目次

DXを取り巻く日本企業の状況

経済産業省はDXが進まない企業の悲劇的な未来を「2025年の崖」として2018年のレポートにまとめました。その中で、2025年には老朽化したシステムの維持や業務効率の悪化が深刻な問題となり、その後の5年で日本企業全体に年間12兆円もの損失が発生するとしています。

こうした状況を受けて、政府は企業や経営者が実施すべきDX事項を整理したデジタルガバナンス・コードを2020年に定めるなど、ここ数年でDXを推進する環境整備を進めてきています。それに伴い、大企業を中心にDXを進める会社が増えてきていますが、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の調査によると、DXの取り組みが一部に留まっていたり、または全く取り組んでいないという企業もまだまだ存在しているようです。

DXが進まない企業は今後どうなるか

DXが不十分な企業は、急速にデジタル化が進む経済に取り残されることが危惧されます。

下記に、日本の代表的な産業である製造業と小売り業において、DXが進まない場合に起きうる問題を紹介します。

製造業での問題

①競争力の低下

顧客の好みを反映した製品作りや市場データを活用したマーケティング活動など、デジタル技術の利用による企業活動の高度化が実現できないため顧客離れが発生し、それがさらに競争力低下の原因となる悪循環に陥ることが予想されます。

②技術の低下

製造プロセスの自動化やロボット導入といったことを行わずに従来の手作業や労働集約型のプロセスを継続すると、生産技術が低下する恐れがあります。特に、少子高齢化が進む日本ではこれまで現場を支えてきた熟練工が定年退職などで次第に少なくなっていくため、生産技術の低迷は今後より顕著な問題となります。

③品質管理の困難化

コンピュータや精密機械、及びそれに使用されている部品など、現代の製品は複雑化が進んでいます。また、多様なニーズを満たすために、製品仕様がそれぞれに異なる多品種生産を行っている企業も多く存在しますが、こうした複雑な製品の品質管理を、担当者が自身の目と耳を用いて行うことには限界があります。そのため、品質データの収集・分析や自動検査技術などを取り入れない場合、従来の手法に頼ることが多くなり、結果としてヒューマンエラーの発生を防げず、品質管理の精度や効率性が低下していきます。

DXが進まない製造業の未来

小売り業での問題

①顧客満足度の低下

購買行動データなどの分析・活用などが十分に行えないため、顧客のニーズに沿ってサービスを継続的に改善することが困難になります。その結果、オンラインストアやモバイルアプリといった便利な購買方法、セルフチェックアウトシステム、個々の顧客に最適化された広告サービスなどの導入が進まず、顧客満足度や忠誠度が低下し、それが自社の市場シェア低下につながることが懸念されます。

②在庫管理と物流の悪化

小売り業にとって在庫管理や物流の効率化は、顧客に商品を届けるために非常に重要な要素です。しかし、在庫を一括管理するシステムやロボットによる貨物ピッキングの運用といったDXが進まない場合、Excelの帳簿や紙、作業員の目検などの方法に頼ることになります。結果として、在庫の管理が追いつかなくなり、誤配や配送遅延などが多発し、販売現場に混乱を引き起こします。特に、多数の店舗を抱える大規模な小売りチェーン業では在庫や物流が複雑化しやすいため、アナログな手法からの脱却が急務です。

DXが進まない小売り業の未来

DX推進にお勧めのファーストステップ

例として挙げた製造業や小売り業だけでなく、それ以外の業界でもDXへの取り組みをすぐにでも始めなければ、これまでにご説明したような理由により生産性の低下や顧客離れが発生し、企業の存続が危ぶまれることになりかねません。DXを推進するには、経営陣の強いコミットメントとリーダーシップ、意思決定の迅速化や業務プロセスの改善など、さまざまなアクションが必要ですが、それら全てを同時に実現するとなると組織の抜本的な見直しや設備入れ替えも必要になり、業務負荷や費用の増大などの困難も伴います。

関連記事:DX推進における課題と成功に導く3つのポイント - DX推進ガイドラインを踏まえ解説

しかし、新しい技術やツールを導入し、業務ベースで改革を進める方法であれば、高額な設備の購入など失敗時のリスクが大きいチャレンジをせずとも、比較的短期間で、かつ安全に企業の体質をDXに適したものに変えていくことができます。そのためには何よりも、新たなデジタル技術やツールを使いこなせる人材が欠かせません。また、そうした人材には内部の従業員を育成した方が、元々の業務内容や人間関係にも詳しい分、DX推進に必要な変革で大きな効果を発揮してくれます。

こうしたDX人材を育成するサービスは各社がさまざまなコンテンツを提供していますが、その中でもソフトバンクが提供する学習ソリューション「Axross Recipe for Biz」はエンジニアが実務で得た有効な知識を、デジタル技術を扱うスキルを手を動かしながら学ぶことができる「レシピ」にまとめているため、より実践に近い形で身に付けることができます。

さらに、「Axross Recipe for Biz」には体験型の研修サービスもあり、必要に応じてオンライン学習サービスと組みあわせる柔軟な学習が可能です。ご興味がある方はぜひ、下記リンクからご覧ください。

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