AI映像サービスでリテール業に革命が? 実際に体験してみました

2023年7月21日掲載

AI映像サービス AI解析サービス

AIソリューションが一堂に集う展示会「AIワールド」が、7月11日より3日間にわたって東京ビックサイトで開催されました。AIによる業務改革を提案する企業が200社近く集い、多くの来場者で賑わいを見せたAIワールドの会場で注目を集めていた「リテール向けAI映像サービス(AI解析サービス)」とは、どういうものか。体験してきたので、詳しくご紹介していきます。

目次

集客減少や人手不足、今リテール業界が抱える課題

多様化する顧客ニーズへの対応や、ECサイトの急速な普及による店舗集客の減少、近隣競合との差別化など、リテール業界ではさまざまな課題に直面しています。さらには慢性的な人手不足が問題視される中、より効率的な店舗運用が必要とされています。

従業員不足に悩まされている場合、レジ待ちの混雑や接客対応のパフォーマンス低下、商品の補充や欠品の対応が遅れ、結果として顧客離れや評判の低下につながる恐れもあります。限られた人員で効果的に店舗を運営するためには、顧客の行動を取得・分析することで、適切な人員配置や混雑緩和を行うことが重要で、そうしたデータの取得に役立つのが「AI映像サービス」なのです。

AI映像サービスの仕組みとは?

AI映像サービスとは、カメラで撮影された映像から、AIが自動的に人物や物体を認識するものです。解析データを数値化し、各種分析に役立てることができます。

カメラに映った映像からAIが「人」を検知し、エッジデバイスを経由してリアルタイムで解析。クラウド上にデータを送信し、専用のアプリケーションで可視化・定量化ができる仕組みになっています。クラウド上に上がるのは数値データのみなので通信費は比較的低コストとなり、顧客情報などはクラウド上には上がらないためセキュリティ面も安心です。

AI映像サービス AI解析サービス

 

リテール向けAI映像サービスは、来店人数のカウントや滞在時間の測定をすることでレジ待ちや混雑緩和を解消し、商品陳列や店内レイアウトの改善、欠品の解消につなげます。

また、性別や年代などの属性による行動パターンの解析をすることで、顧客の購買頻度や傾向、売れ筋商品などの情報を分析し、販売戦略の最適化を図ることができます。ニーズが多様化する小売業において、競合との差別化を図るためにも今後必要不可欠なツールになるでしょう。

AI映像サービスの体験レポート

今回AIワールドで体験したブースには、2台のカメラ(人数カウントをする広角エリアを映すカメラと人の滞在時間を計測するカメラ)とエッジデバイスがあり、その他にデータを可視化するPCがありました。

STAION スタイオン

実際の現場で利用する際には、既存の防犯カメラに専用の機器を設置することで、手軽かつセキュアに映像データの分析、可視化を実現できるそうです。

まず、人数をカウントする様子を見て行きます。AIが人を自動認識しており、認識した人に対してそれぞれのIDが付与されています。このデータは広角エリアを映すカメラで人を検知しているので、カメラに映る人全てをくまなく検知できており、どのくらいの人がその場を訪れているのかが、簡単に可視化できています。

AIワールド

また、カウントしたいエリアを設定することも可能です。下の写真のようにしきい値(青い部分)を設定することが可能で、例えば「このブース内に入ってきた人だけ」を集計することも可能です。

AI映像サービス AI解析サービス

下の画面は、PCのアプリケーションの画面です。カメラごとに人数カウントが表示されており、集計期間を日、週、月、年別に見ることができます。前回比(画面では昨対比)も可視化できています。

STAION 管理画面

また性別や年代別にも集計が可能です。ターゲット別にマーケティング戦略を実施することができるので、顧客層に合わせたサービスや商品の提供によって顧客満足度を向上させることにもつながるでしょう。

STAION 管理画面

 

続いて滞在時間の測定についても見せていただきました。人がどのくらい滞在したかをアプリケーション画面で可視化できています。今回、ブースのPCは更新時間が10分おきに設定されていましたが、集計間隔はカスタマイズすることも可能です。顧客がどのエリアによく滞在するか、傾向を把握することでレイアウト設計の最適化を図ったり、お客さまの興味を引く商品の配置を行ったり、プロモーションを行うことができるでしょう。

 

STAION 管理画面

 

また、会場には「AIサイネージ」という筐体型のシステムも出展されていました。AIサイネージは、カメラがなくてもサイネージ単体で視聴時間の計測が可能です。スーパーマーケット入口や、イベント会場などでも見かけることの多いデジタルサイネージですが、設置は簡単なものの何人が視聴したのか、狙ったターゲット層に情報がきちんと届いているのかなどは可視化ができておらず、掲示板のような役割しか果たせていませんでした。しかし、AIサイネージなら、カメラ一体型なので工事不要で手軽に導入ができ、サイネージに搭載された画像解析AIが通行者・視聴者を解析。顧客の視聴効果を簡単に測定・分析が可能です。

 

最後に、開発中のAI技術について、コニカミノルタ株式会社の事業推進担当の方にお話を伺うことができました。こちらの画面ではAIで映像を解析し、各関節点(青丸)と骨格(緑の線)をリアルタイムで見える化しています。

AI 骨格 検知

 

また進入検知のエリア(黄色の枠)を設け、そこに人の特定の部位が入ったらアラートを発報することが可能です。例えば工場の生産現場において、稼働中の機械に手を触れる・近づける、足元が滑りやすい場所で走るといった危険な行動を即座に解析・通知することができます。それにより、工場内での事故防止につながり、安心・安全な現場を維持することに貢献できる技術となっているとのこと。

この「行動解析」技術は、すでに介護の現場での導入が進んでおり、人が倒れている可能性があることを働く介護士の方にすぐに通知することが可能です。さらにリテール業界でも、どの商品棚に手を伸ばしたか識別することで、マーケティングにも活用が可能です。この技術は、今後さまざまな分野での展開が期待されていると担当者は語っていました。

検証結果のまとめ

以上、実際に体験したAI映像サービスのレポートでした。

カメラの映像がAIの技術によって人を自動で認識し、行動パターンや滞在時間、視聴率を分析するのに非常に効果的であることが分かりました。専用のアプリケーションでデータの可視化ができるので、マーケティング戦略にも応用が可能です。また、カメラ一体型のAIサイネージを使えば、広告の配信を店舗で一元管理しながら、視聴率などの効果測定が可能なので、リテール店舗でのデータ解析に活用することができるのではないでしょうか。

今回の体験レポートでお伝えした、来場・来店者の属性、滞在時間を分析できる仕組みは、ソフトバンクが提供する、AI映像解析プラットフォーム「STAION」というソリューションです。リテール現場でのお悩み、課題解決、このAIソリューションで解決するヒントが見つかるかもしれません。

STAIONを活用すれば、実店舗でのファネル分析が可能となります。顧客が店舗に入店する前から購買に至るまでの流れを、人流、認知、興味、検討、購買など、いくつかのフェーズに分け、それぞれのステップで行動分析することが可能です。ぜひSTAIONを活用し、店舗の最適な改善策を見つけ出してみませんか?

 

詳しいサービス情報はこちらからご覧いただけます。

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