【2023年4月改定】基本情報技術者試験の改訂内容をまとめてみた

2022年8月31日掲載

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2020年から改訂された基本情報技術者試験ですが、また新たに2023年4月から「試験時間・問題数の変更」「出題範囲の改訂」など、さまざまな改訂が実施され、特に「通年試験化」になることが大きな変更点として取り上げられています。

そこで、今回は基本情報技術者試験の変更点をまとめて、これから基本情報技術者試験がどこに向かうのか?を考察します。そして、これから受験をされる皆さんが抱く、「勉強する内容は変わるのか?」が「受験日程はどう変わるのか」などの疑問に答えていこうと思います。

目次

  • 基本情報技術者試験をこれから受験する方向けの記事です
  • すでに勉強を初めている人は、必ずチェックしてください
  • 本記事を参考に皆さんが合格されることをお祈りしています

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験(FE:Fundamental Information Technology Engineer Examination)はITエンジニアの登竜門といわれており、いわばITエンジニアが知っておくべき基本的な知識を体系的に幅広く身につけているかを確認できる試験です。

試験制度

IPA公式ホームページより引用

 

なお、IPA公式による対象者像・業務と役割・期待する技術水準などは以下の通りに示されています。

対象者像

IT を活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者

業務と役割

上位者の指導の下に、次のいずれかの役割を果たす。
① 組織及び社会の課題に対する、IT を活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義に参加する。
② システムの設計・開発、又は汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、利用者にとって価値の高いシステムを構築する。
③ サービスの安定的な運用の実現に貢献する。

期待する技術水準

IT を活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義、設計・開発・運用に関し、担当する活動に応じて次の知識・技能が要求される。

① IT 全般に関する基本的な事項を理解し、担当する活動に活用できる。
② 上位者の指導の下に、IT 戦略に関する予測・分析・評価に参加できる。
③ 上位者の指導の下に、システム又はサービスの提案活動に参加できる。 
④ 上位者の指導の下に、システムの企画・要件定義に参加できる。
⑤ 上位者の指導の下に、情報セキュリティの確保を考慮して、システムの設計・ 開発・運用ができる。
⑥ 上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる。
⑦ 上位者の方針を理解し、自らプログラムを作成できる。

レベル対応

共通キャリア・スキルフレームワークの 5 人材像(ストラテジスト、システムアーキテクト、サービスマネージャ、プロジェクトマネージャ、テクニカルスペシャリスト)のレベル 2 に相当

試験要綱ver5.0より引用

 

それでは、変更点を具体的に見ていきましょう。

変更点1:上期・下期試験から通年試験に変更

2022年8月現在、基本情報技術者試験は上期・下期に2ヵ月ずつ受験可能期間が設定されていますが、2023年4月からは通年試験として実施されるようになります。

文字通り原則的に毎日受験が可能になる試験に変更されます。

変更点2:午前試験・午後試験がA試験・B試験に変更

「午前試験・午後試験」という名称は、実は古くから使われています。基本情報技術者試験が現在の制度よりも前に「年に2回実施されていた頃」に、文字通り「午前」と「午後」に実施されていたのですが、「午前試験・午後試験」という名称はその頃の名残りによるものです。

今回は、この「午前試験・午後試験」を「A試験・B試験」という名称に変更されます。分かりやすくなります。

変更点3:試験時間・試験問題数が削減

試験時間・試験問題数が大きく変更になり、削減されます。

特にA試験についてはかなり削減されます。試験が楽になる一方で、1問の重みは重たくなりますので、慎重に解答しましょう。

しかし、B試験については試験時間が短くなる一方で、問題数・回答数が増えます。上手く時間配分をしなければいけません。

変更前

変更後

午前試験

(小問)

試験時間:150分

出題数 :80問

解答数 :80問

科目A試験

(小問)

試験時間:90分 (60分減)

出題数 :60問 (20問減)

解答数 :60問 (20問減)

午後試験

(大問)

試験時間:150分

出題数 :11問

解答数 :5問

※選択問題あり

科目B試験

(小問)

試験時間:100分 (50分減)

問題数 :20問 (9問増)

解答数 :20問 (15個増)

※選択問題なし(全問必須)

変更点4:シラバスの改訂と試験範囲への影響

シラバスの改訂によってプログラミング言語試験からプログラミング思考能力試験に移行することが明らかになりました。

また試験範囲においては、特にB試験で情報セキュリティとアルゴリズムのみが出題されることが確定し、午後試験で扱っていたネットワークやデータベース、プロジェクトマネジメントだけでなく、JavaやPythonなどのプログラミング言語の出題はなくなります

変更点5:採点方式の変更

採点方式としてITパスポートで活用されているIRT(Item Response Teory:項目応答理論)に基づく方式に変更されました。

従来のような1問何点といった明確な採点基準ではなく、解答結果に基づいて配点を算出する仕組みを用いることで、複数回の実施や常時受験を可能にしています。

まとめ

通年試験化や午後問題の変更が大きな変更点としてトピックとしてあげられている基本情報技術者試験ですが、午後試験の大幅な改訂から鑑みると、実際は対象者を大きく変えた試験制度の変更と考えることができます。

開発者の基礎的試験から、DXを推進するプロダクト企画・サービス企画に携わる方やDXに携わるユーザを含めたあらゆる人々のための基礎的試験として刷新されると考えられます。

ここまで大きく午後試験の試験範囲が大きく変わりますので、新しい試験の傾向や対策が分かるのには少し時間がかかるでしょうし、学び直しになる点も存在していますので受験を検討される際は、もう一度ご確認されるといいと思います。

参考ページ

最後に、参考文献・補足資料を明記いたしますので、受験の際にはぜひご活用ください。

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