Google Cloud導入事例:GKEを画像認識AIのプラットフォームに採用(JTP株式会社)

2022年11月17日掲載

キービジュアル

あらゆる業界での活用が進む画像認識AI。小売業界・物流業界向けにも、販売促進やデータ連携によるデジタルマーケティングを支援するAIサービスが各社からリリースされ、市場が拡大しています。

その中でもJTP株式会社(以下 JTP)は、AIを活用したサービスの開発・提供に早くから取り組み、国内外で注目されている様々なAI技術を扱うことで、お客さまごとに最適なプラットフォームの導入をサポートしてきました。これにより、人材不足に悩まされている企業の競争優位性を向上させ、今まで実現不可能だと思われていたビジネスを新たにスタートする業務改革の支援につなげています。

目次

1.マルチクラウドによる画像認識AIサービスの強化

昨今の画像認識AIサービスは、マルチオブジェクト認識機能の搭載といった高度化や低価格化が進んでおり、優位性をもってビジネスを拡大するためには、より一層のサービス強化が求められます。そこでJTPは、マルチクラウド化を実現すべく、ソフトバンクが提供する「クラウドネイティブ・アプリケーションプラットフォーム(以下、CNAP)」を用いて他社パブリッククラウドからの移行を実施しました(図1)。

図1.マルチクラウド化によるサービス強化

2.マルチクラウド化に向けて「CNAP」を採用

JTPは、ECサイトやモバイルアプリを運営する事業者向けに、デジタルマーケティングを支援する画像認識AIサービス「レコメンドアイ」を提供しており、数多くの実績を上げてきましたが、さらなる機能拡充と可用性向上を図るため、サービス基盤のマルチクラウド化を検討しました。

マルチクラウドにより享受できるメリットとしては、まず、各クラウドベンダの最適な機能を利用できることが挙げられます。マルチオブジェクトの認識機能や処理能力の向上が期待されることに加え、API Call単価を削減できるため少数ユーザを対象に廉価版の新プランの提供が可能になり、競合優位を築くことができます。

さらに、CNAPを利用することで、マルチクラウドとインフラ自動構成の仕組みによってリスク分散を実現するだけでなく、いずれかのクラウドベンダがAPI提供を停止した際のリスク低減を可能にするため、ビジネス継続性の維持・強化にもつながります(図2)。

図2.クラウドネイティブ・アプリケーションプラットフォーム「CNAP」

3.MSP認定パートナーによるサポートで迅速な移行を実現

JTPは今回のサービスに限らず、マルチクラウド化の推進を行っています。すでに特定のクラウドサービスに関するナレッジはありますが、今回新たにGoogle Cloudをサービス基盤として採用し、移行の経験をすることにより、さらなる知見を獲得したいと考えました。

Google CloudのMSP認定を取得しているソフトバンクであれば、基本的なサポートから蓄積したベストプラクティスまで提供可能であるため、CNAPの採用を決めました。CNAPは、特定のクラウド事業者に依存せず、マルチクラウドでの利用を想定して設計・開発されていることから、最適なツールであるとJTPは期待を寄せています。

マルチクラウド化(モダナイゼーション)を進めるにあたり課題となるのが、インフラ技術の複雑化や選択肢の増加、そして、人材の確保です。人材獲得のコストが高騰するなか、迅速にクラウドインフラを構築できる開発エンジニアや、クラウド前提でのDevOpsやアジャイル的に開発を進める人材を確保することは困難を極めます。これらの課題に対する解決策としてもCNAPの利用が有効であるとJTPは考えています。

マルチクラウドの仕組みづくりに対するCNAPの利点について、JTPは次のように語っています。

「CNAPなら、ソフトバンクのベストプラクティスによるインフラ自動構成が可能なうえ、インフラ構成に必要な個々のサービスがパッケージとして提供されているので、個別に調達する必要がありません。また、アプリケーション開発者が普段使用しているコード管理ツールを用いて、アプリケーションと同じ操作感でインフラを定義することができます。マルチクラウド化をするにあたって、現在のエンジニアリソースで対応可能なため、追加確保が不要である点も、採用の決め手になりました。インフラ構築が効率化されたことで、エンジニアはより最新の技術習得など、他の取り組みに時間を充てられるようになったと実感しています」

4.インフラ開発者の工数削減により新たなサービス開発へ

インフラ技術の複雑化と人材獲得難の中、CNAPを活用してクラウドサービスのモダナイゼーションとサービス改善サイクルの確立を目指す JTP。ソフトバンクとのパートナーシップのもと、引き続きサービスへの導入検討を進めていこうと考えています。CNAPを使用してマルチクラウドへの移行を実施したことで、特にインフラ開発者の工数を削減できたと JTP はコメントしています。

「今回の移行によって、インフラ担当者1人分の工数を削減することができました。CNAPを使用していなければ、インフラ構築のコード作成の工数がかかりますが、それを削減できたことが大きいです。削減できた工数の分、エンジニアは新たな技術を習得することで、新規サービス開発にも生かせると考えています。また、プロジェクト自体も、CNAPなしでは3ヵ月はかかっていたと想定されますが、2ヵ月以内で完了することができました。サービスリリースへの検証スケジュールも間に合わせることができ、大変満足しています。今後、サービスの迅速な提供が可能となることを期待しています」

お問い合わせ

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※CNAPはMSPサービスのオプションサービスです。

お客さま情報

JTP株式会社

事業内容:1987年の設立以来、独立したサービスプロバイダとして、国内外の企業向けに、インテグレーション、システム開発、運用サポートからヘルプデスク、トレーニングなどのICTソリューションをはじめ、AI関連サービスやサイバーセキュリティサービス、ロボティクスなどの技術サービス、そして教育サービスを幅広く提供

所在地:〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー14階
従業員:435名(2022年4月1日現在)
URL:https://www.jtp.co.jp/

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