フォーム読み込み中
ニーハオ!SB TelecomChinaの中戸川です。
SB TelecomChinaはソフトバンクのグループ会社で、中国の大連・北京・上海・蘇州・武漢・広州に拠点があり、当方は北京拠点に在籍してます。
この記事では中国の通信キャリア・クラウド事情をご紹介します。
日本で通信キャリアというとNTT、KDDI、ソフトバンク、楽天などが大手通信キャリアと呼ばれていることは皆さんご存知だと思いますが、中国でも同じように大手通信キャリアが存在しています。
中国3大通信キャリアと呼ばれている企業の詳細は以下です。
1994年に中国政府の郵電部傘下にあった電気通信事業の運営部門である電信総局が分離され国営企業の「中国郵電電信総局(中国電信、チャイナ・テレコム)」となりました。固定電話、インターネット回線、モバイル通信を提供しています。
1994年に中国政府によって設立された「中国聯通(チャイナ・ユニコム)」という通信キャリアです。電信と同様に固定電話、インターネット回線、モバイル通信を提供しています。
2000年に固定通信事業と移動体通信事業の2社に分割が決まり、固定通信事業は「中国電信」、移動体通信は「中国移動(チャイナ・モバイル)」と分かれました。モバイル通信の顧客数は3社の中で一番のシェアを持っています。
以下は参考情報ですが、2022年度の情報で各社のモバイルユーザー数は中国電信3.91億人、中国聯通2.13億人、中国移動9.75億人となっています。中国聯通は2022年02月以降5G以外のモバイルユーザー数を公表していないため5Gのみでカウントしています。
表:中国3大通信キャリア顧客数統計
出典:2023/02 新浪科技
比率で見ても中国移動が大きなシェアを持っていることが分かります。
グラフ:中国3大通信キャリアの5Gユーザー純増加数と合計数の割合
出典:2023/02 新浪科技
中国のクラウドプレイヤーはグローバルとは異なります。
外資企業が直接パブリッククラウド提供を行えないこともあり、Alibaba Cloud、Huawei Cloud、Tencent Cloud、Baidu AI Cloud といった中国国内企業がクラウド市場でマーケットシェアを取っています。
それぞれのクラウドプレイヤーについてご紹介していきます。
阿里云はIDC、クラウド事業を行っている中国企業です。グローバル向けに提供しているAlibaba Cloud はシンガポールに本社を持つ別会社になります。ECサイトで有名なAlibabaのグループ企業で、同社のECプラットフォーム基盤もこのCloud上で稼働しています。中国国内のCloud事業者では最大の規模を持っています。
中国国内で14リージョン、グローバルでは28リージョンが利用可能です。
参考情報 : Alibaba Cloud Global Region
アクティブユーザー10億人を抱えるWechat、QQなどのSNSアプリで有名なテンセントですが、同社でもCloud(腾讯云)を提供しています。AlibabaCloudと同じくベーシックなインスタンスやネットワーク関連のサービスは一通り揃っています。
特色としてSNS、チャットを利用可能なアプリケーションをスクラッチ開発するためのSDKや開発環境を提供しています。Wechatで得たナレッジをCloud上で利用できるようになっているのはテンセントならではのプロダクトですね。
スマートフォンやサーバーなどのハードウェアメーカーとして有名なHuaweiもクラウドサービス(华为云)を提供しています。インスタンス、ネットワーク、CDNなどベーシックなプロダクトは一通り揃っています。
参考情報 : Huawei Cloud ECS Price
AWSはSinnet(北京光环新网科技股份有限公司)というISP、IDC、クラウド事業を行っている中国民間企業と事業提携して提供しており、中国国内におけるAWSのリージョンはこの会社の提供するIDCで運営されています。
Sinnetは上記3台通信キャリアのバックボーンと接続しているネットワークを活用し、ISP(プロバイダー)として中国華北地域(北京など)でマンションやオフィスビルにインターネット回線の提供も行っています。
AWS中国はグローバルとは別アカウントとなっているため、グローバルアカウントを持っていても中国アカウントを新規で作成する必要があります。また提供されているプロダクトも異なっており、地域も中国国内のリージョン(北京、宁夏の2箇所)のみで利用可能です。
以下がTOP画面です。
参考情報 : AWS中国TOP
提供プロダクト(产品)を見るとグローバル版は下にスライドしないとすべてが表示できないぐらいの数があるのに対し、中国版は提供数が少ないことが分かります。
参考情報 : AWS中国プロダクト一覧、コンピューティング
Microsoftは21Vianet(世纪互联集团有限公司)はIDC、クラウド事業を行っている中国民間企業と事業提携していて、中国国内でサービスを提供しています。中国国内におけるAzureやOffice365はこの会社のIDCで運営されています。
参考情報 : Azure中国は21Vianetによって運営
AzureやOffice365も中国版とグローバル版は別のアカウントになります。Microsoftのサイトにも説明記載があります。
参考情報 : Microsoft365の中国版、国際版の違い
「Microsoft 365 国内版(由世纪互联运营)」は翻訳すると「Microsoft 365 中国国内版(21Vianet)」です。Microsoft365には中国国内版とグローバル版の2種類があり、区別されていますよ、と説明しています。こちらもAWSと同様にMicrosoft中国国内版にはTeamsが無かったりと機能の差分があります。
補足として中国市場にICTサービスを提供する際に各種ライセンスが必要になるのですが、外資企業は規制により取得を制限されています。そのためAmazonやMicrosoftなどの大手外資企業は中国企業と提携し、フロントでサービス提供しているのは中国企業、Powerd byという形でテクノロジーを提供しているのは外資企業、という枠組みで展開しています。
グローバルパブリッククラウドと中国パブリッククラウドの違いについては、当ブログの別記事でも詳しくご紹介しているので、こちらをご参考にしてみてください。
中国市場向けにクラウド上で様々なサービスが提供されています。IaaS、PaaS、SaaSなど用途に応じてビジネスで不可欠となるサービスがクラウド上で気軽に利用できるように準備されています。そんな中国ローカル企業が提供しているサービスをカテゴリー別に並べてみました。中国でITサービスをご導入される際のご参考になれば幸いです。
本記事では中国のキャリアやクラウド、クラウド上のサービスを幅広くご紹介させて頂きましたが如何でしたでしょうか。
ソフトバンクの中国法人であるSBTelecom Chinaでは中国現地日系企業向けにIT導入支援を行っております。お気軽にSBTelecom Chinaへお問い合わせください。
最後までご閲覧ありがとうございました!
ソフトバンクはAWS アドバンストティアサービスパートナーです。「はじめてのAWS導入」から大規模なサービス基盤や基幹システムの構築まで、お客さまのご要望にあわせて最適なAWS環境の導入を支援します。
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。
Alibaba Cloudは中国国内でのクラウド利用はもちろん、日本-中国間のネットワークの不安定さの解消、中国サイバーセキュリティ法への対策など、中国進出に際する課題を解消できるパブリッククラウドサービスです。
条件に該当するページがございません