デジタルツインソフトウエア「TRANCITY」の取り扱いを開始
~スマートフォンなどの動画から簡単に3D・点群データを生成し、インフラなどの点検・計測業務のDXを実現

2024年4月17日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(以下、「ソフトバンク」)は、CalTa株式会社(以下、「CalTa」)が開発・提供するデジタルツイン※1ソフトウエア「TRANCITY(トランシティ)」の取り扱いを開始しました。
「TRANCITY」は、スマートフォンやドローンなどで撮影した動画データをアップロードするだけで、撮影した構造物や空間の3D・点群データを生成することができるウェブアプリケーションです。線路や橋梁、配管、工場などを簡単にデジタル化することで、3D空間(デジタルツイン)上で、遠隔地にいながら、現場の点検・計測業務などを確認・管理することが可能になります。

  • ※1
    デジタルツイン:現実空間で収集したデータを基に、現実空間を仮想空間に再現する技術
TRANCITY

TRANCITY

1. 「TRANCITY」の主な特長

  • 市販のスマートフォンやデジタルカメラ、ドローンなどで撮影した動画をアップロードするだけで、撮影した構造物や空間の3D・点群データを自動生成し可視化します。生成した3D・点群データから、実物の寸法や面積、体積の計測も可能です
  • 取得時期の異なる3D・点群データやBIM※2データを重ねて表示し、時期の異なる現場状況の確認や、計画構造物との比較が可能です。また時系列バーを備えており、各データの取得時期を時系列に沿って簡単に管理できます。
  • 撮影動画から切り出した写真を表示できる他、3D空間内にメモやURLを保存して、関係者間での情報共有や各種資料への紐付けが可能です。
  • スマートフォン感覚で直感的に扱えるユーザーインターフェースを搭載し、ブラウザー上で複数人が同時にアクセス可能です。また、専用の高機能なパソコンを用意する必要はなく、一般的なパソコンやスマートフォン、タブレットで操作することが可能です。
  • ※2
    BIM:Building Information Modelingの略。さまざまな情報を結び付けた三次元構造物モデル。
画面操作イメージ

画面操作イメージ

点群データの寸法計測イメージ

点群データの寸法計測イメージ

   

BIM・点群データの重ね合わせ

2. 取り扱いの背景

ソフトバンクは、パートナー企業との共創により最新技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、社会課題の解決を目指しています。CalTaが開発・提供する「TRANCITY」は、身近な端末で誰でも簡単に3D・点群データを扱うことができ、インフラやプラント(工場)などの点検・計測業務に関する課題解決につながるソリューションです。また、ソフトバンクが提供しているスマートフォンやタブレット、5G(第5世代移動通信システム)などとの親和性が高いソフトウエアです。

3. 取り扱い開始日

2024年1月18日

4. 事例:日産自動車株式会社での実証実験

日産自動車株式会社では、工場の管理において以下のような課題を抱えていました。

  • 広大な敷地内にある工場の施設点検を少人数で行わなければならない
  • 工場内の設備の入れ替えなどに伴い建屋の各所寸法を計測する際、担当者が都度管理棟から離れた工場建屋へ移動しなければならない

これらの課題解決に向けて、日産自動車株式会社は2024年3月から、ドローンやスマートフォンのカメラで撮影した工場内の映像を「TRANCITY」にアップロードして工場内の3D・点群データを作成し、デジタルツイン上で点検や計測業務を行う実証実験を開始しました。ソフトバンクがサポートするこの新たな取り組みにより、日産自動車株式会社における工場設備管理業務の大幅な効率化が期待できます。

<CalTa株式会社について>

CalTaは、JR東日本スタートアップ株式会社などが出資した、鉄道をはじめとするインフラ業界のデジタル化を進めるスタートアップ企業であり、2021年7月に設立されました。インフラ管理の効率化に向けて、ドローンやロボット技術を活用した現地調査およびデジタルツインを活用した管理手法をお客さまへ提供しています。 TRANCITYはCalTaが開発したデジタルツインソフトウエアで、インフラ業界だけにとどまらず、製造業やプラント業界といった設備管理が必要な業界でも活用が進んでいます。