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運動不足解消にウォーキングがピッタリな理由。正しい歩き方と継続のコツ

運動不足解消にウォーキングがピッタリな理由。正しい歩き方と継続のコツ

運動不足が気になるけど、スポーツジムに行くのはちょっとハードルが高い…。そんな方におすすめなのが、手軽に始められるウォーキングです。とはいえ、「ウォーキングって毎日続けないと効果がないんじゃない?」「毎日続けるのは難しそう」というイメージがありますよね。そこで今回は、一般社団法人ケア・ウォーキング普及会代表理事の黒田恵美子さんに、ウォーキングのメリットや正しい歩き方、継続のコツなどを伺いました。

目次

話を聞いた人

黒田恵美子(くろだ・えみこ)さん

一般社団法人ケア・ウォーキング普及会
黒田 恵美子(くろだ・えみこ)さん

健康運動指導士。病院や自治体などで、運動弱者を支援する講演や運動指導を行う。人生の最後まで自分の足で歩くことを目的とした「ケア・ウォーキング®」「ひざちゃん体操」などを考案。簡単で痛みの起こらない体の使い方を提案している。

一般社団法人ケア・ウォーキング普及会

ウォーキングには健康効果がたくさん!

ウォーキングには健康効果がたくさん!

手軽に生活に取り入れられるウォーキングには、さまざまな健康効果があるそうです。まずは、黒田さんにウォーキングのメリットから教えてもらいましょう。

ダイエット効果

長く歩くと脂肪が燃焼し、ダイエット効果があると言われています。正しいフォームで歩くと、体幹が引き締まり姿勢がよくなるため、体重は変わらなくても痩せて見えるといううれしい効果も。有酸素運動は筋肉を鍛える運動ではないので、いわゆる筋トレとは別物ですが、普段から運動不足な人がウォーキングを始めると、最初の頃は筋肉が増えるでしょう。

生活習慣病の予防

ウォーキングは有酸素運動で、血糖値を下げたりインスリンの働きや脂質の代謝を改善したり、血圧を下げるなどの効果もあるため、生活習慣病を予防改善します。

ストレス解消

歩くと脳からセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されるため、やる気が出たり、幸福感を感じやすくなったりする効果があります。さらに、外を歩いて、季節を感じながら街並みの変化を見つけると、視覚や聴覚、嗅覚が刺激され、気分がリフレッシュしますよ。

睡眠の質の向上

歩くことで背中側の強張りがほぐれると寝つきやすくなります。さらに、朝、太陽光を浴びながら歩くと脳内でセロトニンが分泌され、これが14時間後にメラトニンというホルモンに変わり、質の良い睡眠に導いてくれます。

知っておきたいウォーキングの基礎知識

知っておきたいウォーキングの基礎知識

まずは、ウォーキングを始める前に、理想的な歩数や時間帯といった基礎知識を理解しておくことが大切です。また、どのようなシューズやウェアを用意しておくと良いのでしょうか。あわせて、準備運動として取り入れたいストレッチ方法について、黒田先生のお手本とともに紹介します。

理想の歩数は?

黒田さん

「健康効果を得るための一般的な歩数の目安は8,000〜10,000歩、高齢の方は5,000〜7,000歩くらいです。ウォーキングのみではなく、通勤や買い物など移動の歩数も含めて考えましょう。

まずは1週間、今の生活を変えずになるべく毎日歩数を測り、1日の平均を出してください。例えば、1日の平均が3,000歩だった場合は、翌週の1日の平均目標を4,000歩とします。

そうして1カ月続いたら、1,000歩ずつ増やして目標歩数を目指しましょう。仕事がある日の歩数が少なくなってしまう場合は、その分休日にたくさん歩いてもOKです。

また、歩数だけでなく早歩きを取り入れることは、効果を上げるためにとても重要です。小分けで構わないので、慣れてきたら1日に20~30分くらいの早歩きを入れるように心がけましょう」

歩数機能も付いたヘルスケアアプリ「HELPO」

歩数機能も付いたヘルスケアアプリ「HELPO」

歩数を測るには、スマホに搭載されている機能を使うと便利ですよね。

ヘルスケアアプリ「HELPO」にも歩数計機能が付いていて、距離、消費カロリーも確認できます。

歩数に応じてHELPOモールのお買い物やPayPayポイントに変換できるポイントがもらえるプログラムもあり、歩くモチベーションに活用できます。

ヘルスケアアプリ
「HELPO」を
詳しく見る

  • ポイントプログラムは個人向けに提供しているサービスです

理想の時間帯は?

黒田さん

「朝ウォーキングするのは、1日の体内リズムが整い、心を元気にするのでおすすめです。ただし、朝の運動にはリスクもあるので、高齢の方や循環器系に持病がある方はかかりつけ医に相談しておきましょう。

また、血糖値が気になる方、糖尿病の方は、食後30分~1時間くらいの間に歩くと効果的です」

ウォーキングに適したシューズやウェアは?

黒田さん

「ウォーキングに最適なシューズは、『ウォーキングシューズ』や『コンフォートシューズ』と呼ばれるもの。足の骨のアーチをしっかり支え、衝撃を吸収し、歩行をサポートしてくれるものが良いでしょう。一般的な靴屋さんでも購入できますが、メーカーによっては足を計測し、そのデータに基づいたシューズの提案をしてくれる店舗があります。さらに、足がより良い状態になるように、靴のプロがインソールを作ってくれるところもあります。自分の足に合うシューズを履くようにしましょう。

ただし、同じスニーカーであっても、バスケットシューズやテニスシューズはウォーキングには適しません。ランニングシューズとウォーキングシューズにも違いがあるので注意しましょう。

ウェアは、伸縮性のある動きやすいものがおすすめ。吸湿性・速乾性のあるものを選びましょう。秋から冬の肌寒い時期は、畳むとコンパクトになる防風ジャケットやネックウォーマーがあると、体温調節がしやすいです」

ウォーキング前のストレッチで関節をほぐそう!

ストレッチをすると関節が柔らかくなり、歩きやすくなるそうです。ストレッチをせずに関節が強張ったまま歩くのは、錆びた自転車を漕ぐようなもの。歩きやすい状態にメンテナンスしてあげましょう。

ステップ①上半身のストレッチ

握りこぶしを作って肘を引き、5秒間、肩甲骨の間を縮めます。

ステップ①上半身のストレッチ

握りこぶしを作って肘を引き、5秒間、肩甲骨の間を縮めます。

その後、息を吐きながら脱力します。

ステップ①上半身のストレッチ

その後、息を吐きながら脱力します。

ステップ②ふくらはぎのストレッチ

足を肩幅に開き、片足を1歩後ろに引いて、前の足の膝を曲げます。この時、後ろの足の爪先を正面に向けるのがポイント。後ろの足のふくらはぎを20秒しっかり伸ばします。

ステップ②ふくらはぎのストレッチ

足を肩幅に開き、片足を1歩後ろに引いて、前の足の膝を曲げます。この時、後ろの足の爪先を正面に向けるのがポイント。後ろの足のふくらはぎを20秒しっかり伸ばします。

ステップ③脚の付け根のストレッチ

足を肩幅に開き、片足を1歩後ろに引いて、爪先を45°外側に向けます。骨盤のあたりに手をあてて、身体をやや上に向け、股関節の前側の筋肉を片脚20秒ずつ伸ばします。

ステップ③脚の付け根のストレッチ

足を肩幅に開き、片足を1歩後ろに引いて、爪先を45°外側に向けます。骨盤のあたりに手をあてて、身体をやや上に向け、股関節の前側の筋肉を片脚20秒ずつ伸ばします。

いざ実践! 正しい歩き方でウォーキングを始めよう

いざ実践! 正しい歩き方でウォーキングを始めよう

準備が終わったらいざ実践! といきたいところですが、間違った歩き方をしていると、逆に疲労や怪我の原因になることも。ウォーキングの健康効果をアップさせる正しい歩き方についてポイントごとに見ていきましょう。

基本の姿勢

黒田さん

「ウォーキングでは、立ち姿勢が基本。特に意識したいポイントは、『顔を上げて正面を向くこと』・『お腹に力を入れること』です。デスクワークで猫背ぎみな人も、顔を上げるのを意識するだけで姿勢が改善されますよ。ただし、姿勢を良くしようとして体を起こし過ぎるのはNGです」

足はかかとから着地し、素早く重心を乗せる

足は一直線を左右からはさむように、かかとから着地します。膝を伸ばして、おへそから振り子のように前へ出す感じで。

足はかかとから着地し、素早く重心を乗せる

足は一直線を左右からはさむように、かかとから着地します。膝を伸ばして、おへそから振り子のように前へ出す感じで。

出した足の裏に素早く体重を乗せましょう。すると、後ろの足で地面を押すことができ、歩幅が広がって体が前に進み、スピードが出ます。

足はかかとから着地し、素早く重心を乗せる

出した足の裏に素早く体重を乗せましょう。すると、後ろの足で地面を押すことができ、歩幅が広がって体が前に進み、スピードが出ます。

肘を伸ばして腕を大きく振る

腕が開いているときには、腕を体に対して平行、やや後ろに振りましょう。すると、しっかり重心が前の足に乗って、きれいなフォームで効果的な歩きができます。腕を斜めに振るのはNG。姿勢が崩れ、ひざ痛や腰痛のもとになってしまいます。

肘を伸ばして腕を大きく振る

腕が開いているときには、腕を体に対して平行、やや後ろに振りましょう。すると、しっかり重心が前の足に乗って、きれいなフォームで効果的な歩きができます。腕を斜めに振るのはNG。姿勢が崩れ、ひざ痛や腰痛のもとになってしまいます。

呼吸はしっかり意識して

歩くときの呼吸は、鼻から吸って口から吐きましょう。速く歩くときは、足の運びに合わせてリズミカルに。リラックスしたいときには、細く長く吐くようにします。

ダイエットが目的の人は「速歩(早歩き)」をプラスしてみて!

ダイエットが目的の場合、長めの時間にして、10,000歩くらいを毎日歩きたいものです。大事なことは速さ。脂肪の燃焼が起こりやすいのは、ゆっくりすぎず速すぎない『ややきつい』と感じるくらいの速さです。そのためには、1〜3分くらいの速歩(早歩き)を時々入れて歩くのがコツです。『スッスッスッ』と言いながら歩くと、姿勢良く速く歩くことができますよ。

季節ごとの注意点

ウォーキングをするときは、水分補給を忘れずに。最近は真夏以外も気温が高くなることが多いので、ドリンクを持っていくようにしましょう。ドリンクは、糖質の入っていない水が基本です。汗を大量にかく真夏には経口補水液でミネラルの枯渇を防ぎましょう。

冬は、血圧が高い方は室内と屋外の寒暖差にも注意。玄関で少し足踏みをしたりストレッチをしたりして、徐々に寒さに慣らしてから出かけましょう。

他にも注意したいのが、交通事故です。夜に外を歩くときは明るい色の服を着るか、服や靴に反射板をつけると車のドライバーにも見えやすく安心ですよ。

挫折せずにウォーキングを続けるための5つのコツ

挫折せずにウォーキングを続けるコツ5選

毎日ウォーキングしようと思っても、忙しさや天候、体調などによっては難しいもの。いったいどのようにモチベーションを維持すればいいのでしょうか?

黒田さん

「ウォーキングは『頑張って続けよう!』なんて思わなくていいんです。むしろ、いかにハードルを下げるか、心の負担を減らすかが大事。『楽しんでいるうちに気づいたら続いていた』くらいがちょうどいいんです。ウォーキングを楽しみながら続ける5つのコツを紹介していきますね」

①歩いた距離・時間を記録する

黒田さん

「継続することに大切なのは、目標をはっきりとさせること。アプリを使って歩いた距離や時間、歩数を計測し、記録しましょう。歩数を可視化すると、自然とそれを増やしたくなります。『あと100歩で3000歩になる!』と思ったら、実際に100歩歩いてみるなど、ゲーム感覚で楽しんでみてください」

②マップを塗りつぶすことを目標にする

黒田さん

「地図アプリで歩いた軌跡に色がつく機能を使う、紙の地図にペンで書き込むなどして、自分が歩いた道を把握してみるのもおすすめ。そうしていると、地図の白い部分を線で埋めたくなってきます。

このように歩くコースを毎回変えてみるのは、飽きずに続ける効果的な方法です。意識的に初めての道を歩くと、近所でも意外と知らない場所があることに気づきます。知らない景色に出会うと、まるで小さな旅をしているような気分になれますよ」

GPSで描く現代の地上絵。ロマンあふれる「GPSアート」の世界

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③ルーティンを決める

黒田さん

「通勤をしている人であれば、例えば一駅前から歩くなど、通勤のついでにウォーキングをすると楽に続けることができます。通勤をしていない人でも、例えば8時〜8時半は通勤時間のつもりで外を歩いてくると決め、日々のルーティンに組み込みましょう。習慣じゃないから続かないのであって、習慣化してしまえばあとは自然と体が動きますよ」

④人と一緒に歩くイベントを入れておく

黒田さん

「おすすめは、定期的に気の合う友人と歩く予定を入れておくこと。桜の時期だからあの公園を歩こう、ちょっと電車で遠出してトレッキングしよう、などとイベントを入れておきます。すると、『約束の日までにちゃんと歩いておかなきゃ!』と思うため、ウォーキングを続ける理由ができます。仲間との時間も楽しめるし、歩くモチベーションにもなるし、一石二鳥ですね」

⑤自分へのご褒美を用意する

黒田さん

「例えば、ついついコンビニで罪悪感を持ってスイーツを買い食いしてしまうなら、『今日はおいしいケーキを買いに行こう』と決めて少し遠くのケーキ屋さんへ歩いていき、ご褒美としておいしく気持ち良くいただきましょう。心を喜ばせながら続けるのがコツです」

運動不足を解消し、生活習慣病の予防にもなるウォーキング。「毎日歩かなければ!」と思うとハードルが高いですが、できる範囲で、楽しみながら続けてみてはどうでしょうか。「今週はたくさん歩いたな」と思うと自信につながり、自己肯定感もアップします。明日からぜひ、ウォーキングを始めて健康を手に入れてくださいね。

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ソフトバンクでは「心身の健康づくりに関する基本方針」にのっとり、最先端のAI・ICTを積極的に活用しながら、社員とその家族の健康維持・増進を目指した、さまざまな取り組みを行っています。

ソフトバンクの
健康経営宣言

(掲載日:2023年3月20日)
文:吉玉サキ
写真:高島 啓行
編集:エクスライト