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エコな移動を日常の選択肢に。“第4の公共交通” を目指す「HELLO CYCLING」|SoftBank SDGs Actions #38

公共交通を “つなぐ” 存在へ。5万台の自転車がつなぐ「移動の自由」と、地球にやさしい街づくり|SoftBank SDGs Actions #38

シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」を展開するOpenStreet株式会社は、2016年のサービス開始以降、全国へと展開を広げてきました。移動手段の提供にとどまらず、環境に配慮した移動の促進や、使われていなかった土地の活用、自治体や地域と連携した取り組みも進めています。こうした活動を、どのような考えのもとで事業として実装してきたのか担当者にお話を聞きました。

仙石 玲(せんごく・りょう)さん

お話を聞いた人

OpenStreet株式会社 コーポレート統括 広報課

仙石 玲(せんごく・りょう)さん

街のどこへでも行ける「第4の公共交通」に。日常の移動をもっと自由にする「HELLO CYCLING」

OpenStreet株式会社は、シェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を中心に移動プラットフォームを提供しています。2016年11月のサービス開始以降、少しずつエリアを広げていき、今では全国29都道府県・253自治体で展開し、国内最大級のシェアサイクルプラットフォームと言える規模に成長しました。また、自転車だけでなく、小型EVやEVスクーターのシェアリングサービス「HELLO MOBILITY」も展開しています。

街のどこへでも行ける「第4の公共交通」に。日常の移動をもっと自由にする「HELLO CYCLING」

私たちはさまざまな課題と向き合っています。例えば、公共交通が充実している都市部であっても、ちょっとした移動に車を使う習慣が根強く、自動車依存による渋滞やCO2排出が大きな問題になっています。一方で、バスの減便や廃線が進むなど手段が限られている地域では、ちょっとした移動がしづらいなど、生活に制約が生まれている地域もあります。しかし、新しい鉄道を敷いたりバス路線を新設したりするには、膨大なコストと長い年月がかかります。
そこで、既存の交通網を最大限に生かす「最後の一押し」として機能するのがシェアサイクルです。駅から目的地までのわずかな距離がつながるだけで、人々の行動範囲は劇的に広がります。電車やバス、タクシーと同じように、シェアサイクルが移動手段の選択肢のひとつとなることで、それが結果として、環境負荷の低減や地域の回遊性向上につながると思っています。

ちょっとしたスペースが拠点に。全国253自治体に広がった「置きやすさ」の秘密

都心部ではさまざまなモビリティ事業者との競争もあり、利用頻度の高い場所にステーションを設置することは簡単ではありません。そうした中で大きな支えとなっているのが、自治体との協定です。市役所や公民館、公園などの公有地にステーションを設置させていただくことで、エリアを着実に拡大してきました。現在、168自治体と協定を結んでおり、この連携数の多さは大きな強みの一つです。

街のちょっとした隙間が拠点に。全国252自治体に広がった「置きやすさ」の秘密

ステーション設備の仕様にもこだわっており、ラック式で一台ずつ駐輪する方式を採用しています。HELLO CYCLINGのステーションは、床にコンクリートを打つなどの大掛かりな工事を必要としません。設置も撤去も非常に簡単で、大切な土地や建物を傷つけることがないんです。1台ずつラックに自転車を止めるため、複数台をまとめて置く形式とは異なり、道路にはみ出したり、放置自転車のように見えたりすることがありません。景観保全や通行の妨げにならない設計が、多くの自治体から評価を得ている理由の一つだと考えています。

株主さまのための特別なソフトバンク本社ツアー
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また、ステーションを設置する際、私たちは「使われていない土地」の活用にも注力しています。営業チームが新規ステーションを開拓する中で出会う未活用地もあれば、土地のオーナーから「有効活用できないか」とご相談をいただくこともあります。
ステーションは、自転車2台分という極小スペースから設置でき、オーナーさまには初期費用や月々のランニングコストをご負担いただかない形をとっています。保守メンテナンスや保険についても弊社で対応するため、導入のハードルが低いのが特長です。
もう一点、利便性の面で大きいのが、一つのアカウントで全国どこでも使えることです。「東京から乗って神奈川に返せない」といったエリアの制限があると、少し不便ですよね。さらに、長距離の移動や旅行先でもそのまま使えるというのは大きな魅力だと思います。

臨時ステーションの設置で、スポーツやイベント会場周辺の交通混雑解消に一役

特定のイベント時に発生する過度な交通混雑の解消も、重要な社会課題です。私たちはスポーツチームや施設と連携し、試合当日に臨時ステーションを設営することで、サポーターの円滑かつ環境に優しい移動を支えていると考えています。
例えば、Jリーグ・浦和レッズの本拠地である「埼玉スタジアム2○○2」の周辺には、試合日に約200台の臨時拠点を設営しています。

株主さまのための特別なソフトバンク本社ツアー
株主さまのための特別なソフトバンク本社ツアー

この取り組みは2023年から開始し、リーグ戦では毎試合で実施しています。スタジアムへ足を運ぶサポーターの皆さんは、主要駅からの臨時バスを利用する方ばかりではありません。実は、スタジアムから数キロ圏内の近隣自治体に住んでいるサポーターも非常に多いんです。
こうした近隣エリアは、地図上の距離は近いものの、電車を使おうとすると、一度遠くのターミナル駅まで出てから乗り換える必要があり、移動に時間がかかってしまうという課題がありました。そこにシェアサイクルという選択肢が加わったことで、自宅付近からスタジアムまで、乗り換えなしの最短ルートでダイレクトにアクセスできるようになりました。

走行データを分析して面白いなと思ったのは、近くの運動場で開催される別の試合観戦をしてから埼玉スタジアム2○○2へ向かうといった楽しみ方をしている方や、驚くほど遠方から文字通り “全力で” 応援に駆け付けている方の様子が伺えること。シェアサイクルがあることによるこうしたラストワンマイルの補完は、渋滞緩和だけでなく、周辺地域への回遊性を高める効果も生み出しています。

埼玉スタジアム2○○2へ集まってくるシェアサイクルの走行データ

埼玉スタジアム2○○2へ集まってくるシェアサイクルの走行データ

5万台の走行データが「住みやすい街」をつくる。データで支えるこれからの都市計画

現在、全国で稼働している5万5,000台のシェアサイクルには、すべてGPS(ビーコン)が搭載されており、このデータを自分たちのメンテナンスや日々の運用に活用しています。バッテリー残量が低下した車両をリアルタイムで把握して効率的に交換に回るほか、夜間に駅へ集中した自転車を郊外へ戻す再配置作業も、正確なデータがあるからこそ実現できているんです。

5万台の走行データが「住みやすい街」をつくる。データで支えるこれからの都市計画

さらに、これらの移動ログを蓄積・分析することで、新規ステーションの戦略にも役立てています。利用頻度の高いエリアを重点的にケアする体制を整えたり、走行ルートの傾向から「次にどこにステーションを設置すべきか」という新拠点の設定を戦略的に判断したりすることが可能です。
こうした知見は自社内だけにとどまらず、自治体への共有を通じてまちづくりにも貢献しています。駅からどのルートを通る人が多いかを可視化することで、「ここに商業施設や公園を作れば賑わいが生まれるのではないか」といった具体的な施策のエビデンスとなり、データにもとづいたより良い都市計画の実現を支えています。

走った距離に応じて環境に貢献。エコな移動を自然に選択する社会へ

ソフトバンクの消費者参加型森林保全の取り組み「NatureBank」に参画し、走行距離に応じた環境貢献も行っています。HELLO CYCLINGの月間の総走行距離データから削減されたCO2排出量を具体的な数値として算出し、ユーザーの皆さんが「自転車で移動した距離」を、単なる移動の記録としてだけでなく、地球環境にどれだけ貢献したかという具体的な指標に置き換えることで、サステナブルな移動を日常の当たり前の選択肢にしていきたいと考えています。

さらに、世界最大級のシェアモビリティ事業者「Lime」との提携を推進しています。訪日外国人が普段使い慣れたアプリで日本の自転車を利用できる環境を整えることは、観光振興と二次交通の不足というインバウンド特有の課題解決にもつながると考えています。

Lime

また、近年自転車の道路交通法改正による厳格化により、シェアサイクルを取り巻く社会的な責任もより一層重くなっています。マナー向上やルール遵守に力を入れつつ、事業としては損益分岐を考えながら、メンテナンスの質を維持して利用者満足度を高めていく。この両立が非常に重要だと思っています。

こうした環境への貢献という新しい価値の創造を積み重ねていくことで、電車やバスと同じように、誰もが当たり前にシェアサイクルを移動の選択肢として選べるような社会。そして移動データを通じて地域の課題解決に貢献できる未来を目指して、これからも取り組んでいきたいですね。

(掲載日:2026年3月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部

HELLO CYCLING

HELLO CYCLING

「HELLO CYCLING」は、全国の多くの提携ステーションで自由に貸出・返却ができるシェアサイクルサービスです。電動アシスト自転車なので坂道も楽々。街乗りや観光、通勤の足として気軽に活用できます。

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