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道路交通法の改正に伴い、物流や運輸業だけでなく、自社の荷物や人を運ぶ「白ナンバー」車への点呼・アルコールチェックが義務化されました。アルコールチェッカーを配備したり、検知後のデータ管理やドライバーへの事前教育を行うなどさまざまな実務が伴うため、法改正への十分な理解が求められます。
本ブログでは今回の法改正の背景とポイントを整理し、それに対する必要な準備についてお伝えします。
当初、2022年10月から予定されていた「アルコールチェッカーによる酒気帯び確認」は、機器の供給が間に合わないことから当分の間延期されていましたが、2023年12月1日から義務化が開始されました。
(出典:警察庁 「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集結果について)
すでに施行開始している「目視(もしくは目視同等の)点呼」と「アルコールチェックの記録保存」に加えて「アルコールチェッカーの配備」に備えなければなりません。
「紙運用で対策したものの、思ったよりも管理が煩雑だった」など運用のしにくさも浮き彫りになってはいないでしょうか?
アルコールチェッカーの配備もいずれは必要になるため、日々の運用も機器選びも管理効率を向上できるものを選定していきましょう。
アルコールチェック義務化の対策を進めるなら・・・
2022年中の飲酒運転による交通事故は全国で2,167件に上り、このうち死亡事故は120件発生しました(警察庁Webサイトより)。いまだに飲酒運転による痛ましい事故はなくならず、警察庁は有償で荷物や人を運ぶ「緑ナンバー」へ適用していた点呼やアルコールチェックを、白ナンバー車を一定台数保有する企業にも義務化拡大を決定。2022年4月に法改正されました。
対象者は、定員11人以上の車を1台以上または白ナンバー車を5台以上使う企業です。車種や車両用途は問わず、黄色ナンバー(軽自動車)も対象となります。
道路交通法ではこの条件に当てはまる車両を保有する団体を「安全運転管理者選任事業所」と定め、車両の運行管理や安全運転に関する事業所内の管理者として選任される「安全運転管理者」に対して、新たに管理すべき業務として点呼とアルコールチェックを義務化しました。
今回の法改正で白ナンバー車保有企業に義務化された3つのポイントをまとめました。
①乗車前と後に目視などによる点呼とアルコール検知の実施
②点呼とアルコール検知の確認記録を1年間保存
③常時正常に機能するアルコール検知器の保持
2022年4月より段階を分けて改正され、法令に基づいた十分な対策が求められます。
アルコールチェックは安全運転管理者の業務として規定されており、違反した場合は安全運転管理者の業務違反の扱いとなります。チェックを怠ったことによる直接的な罰則は設けられていませんが、「安全運転管理者の解任命令」や「命令違反」に対する罰則の対象となる可能性はあります。
また、安全運転管理者が解任されれば社用車の利用が認められず、安全運転管理者を新たに選任するにも時間を有します。書類をそろえた上で警察署を経由して、公安委員会に届け出る必要があるため、それまで実質的に業務がストップする恐れがあります。
対象条件に当てはまる企業は、継続して社用車を使用するために義務化の3つのポイントに対して準備をする必要があります。
目視による点呼とアルコールチェッカーを使用して酒気帯びの有無を確認する方法として、事務所へ出社し対面点呼を行う方法、またはスマートフォンやPCのビデオ通話などドライバーと直接対話できる方法を利用する非対面点呼※があります。
ドライバーへの酒気帯び確認は対面点呼を原則としていますが、直行直帰や出張など対面での確認が困難な場合があるため、非対面点呼も認められます。
社用車を利用する頻度や勤務体制にあわせて対面・非対面ともに対応ができる運用を検討しましょう。
点呼と酒気帯び確認の記録を1年間分保持する必要があります。点呼記録の中には日付や名前のほかにも疾病・疲労・睡眠不足がないか、点呼方法は対面かなど多くのチェック項目があります。
点呼記録簿の例
大量の項目を紙で台帳として保存したり、PCでMicrosoft Excelなどに直接記録して運用する場合が多いと思います。しかし記入作業を人が行うアナログな管理方法では、「日々の報告を行うドライバー」と「報告をまとめる管理者」の負担が大きく、チェック形骸化の大きな要因となります。特に紙での保存はデータの改ざんも容易な状況となり、欲しい情報もすぐ取り出せないため、手間をかけずに確実に記録・保存できる方法を検討することが重要です。
アルコールチェッカーの配備には「ドライバーが大勢いるので事務所に設置したい」「直行直帰や出張に対応できるよう車に一台設置・一人一台ずつ携帯させたい」などのパターンが考えられます。各事務所がどのような設置方法をとるのか整理した上で、配備する検知器の数を検討しましょう。
またアルコールチェッカーを「正常に機能する」としている理由は、アルコールチェッカーはメンテナンスが必要な機器であるためです。使用するたびに内蔵センサが劣化し、使用者が自発的に交換しなければ古いまま使用することになるため、検知器としての精度が担保できなくなります。多くの検知器には使用上限回数や交換期間(大体1~2年)が定められており、定期的なメンテナンスが必要になります。
▶関連記事:法対応できる、自社に合った業務用アルコールチェッカーの選び方
ドライバーの状況を管理する体制の構築やアルコールチェッカーの配備には業務負担や金銭的負担というハードルがあり、なかなか導入に踏み切れない企業が多いでしょう。しかし、いったん飲酒運転により事故を引き起こしてしまうと、ドライバー自身はもちろん、所属企業側の社会的責任を問われることになります。企業イメージの低下に加え、取引先からの信頼を失い事業存続を揺るがす可能性もある悪質な行為です。「飲酒運転」を絶対に起こさないためには、企業側からの自発的なリスクマネジメントが必要不可欠なのです。
秋田県秋田市をメインサービスエリアとして、テレビやインターネット・固定電話などの通信サービスを中心に事業を展開する株式会社秋田ケーブルテレビ。
同社では、55台保有している社用車の車両管理業務を「紙」で運用しており、2022年4月の道路交通法改正に伴うアルコールチェック義務化への対応とともに、車両管理の運用方法に課題を抱えていました。
<課題>
これらの課題をアルコールチェックの報告・管理も可能な車両運行管理サービス「スマートフリート」を導入することで解決しました。
検討の経緯から機器の選定、導入後の効果など導入事例の詳細は以下からご確認いただけます。
▶導入事例:株式会社秋田ケーブルテレビ「アルコールチェックと車両管理を一元化し、法改正への対応と業務効率化を同時に実現」
今回の法改正は適用範囲が広範囲かつ短期間での運用建付けが必要なため、業務負担を増やさないツールを活用し対策することが重要です。
<ドライバー目線>
・誰でも簡単に使える
・事務所に戻らず直行直帰ができる
<管理者目線>
・データ管理やメンテナンスが簡単
・不正を防ぎやすい
それぞれの目線での業務負担を軽減するツールとしてスマートフォン連動型のアルコールチェッカーがあります。管理者のデータ管理を簡略化でき、時間や場所を問わずに点呼や酒気帯び確認が可能になることで、ドライバーに利用を徹底することができるだけでなく、検知したデータが自動的に記録されるため、管理者にとっても業務負荷を増やすことなく運用できます。どうしてもアルコールチェッカー本体の価格や性能だけで判断しがちですが、「どのように管理したいか」という運用面もあわせて今後の飲酒運転対策として検討してみてはいかがでしょうか?
ソフトバンクでは、増え続ける安全運転管理者の業務を軽減するためのソリューションを複数ご用意しております。業務用アルコールチェッカーをはじめ、連携して利用するスマートフォンやタブレットなどのご提案もワンストップでご支援させていただきますので、ぜひご検討ください。
▶関連リンク:アルコールチェック義務化に対応。車両情報の可視化もできる車両運行管理サービス「スマートフリート」について詳しく見る
▶管理負担を軽減するアルコールチェックはどう選ぶ?
業務用アルコールチェッカーの選び方
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