2024年12月から無線機やトランシーバーが使えなくなる?~電波法関連法令の規定による期限到来

2023年4月19日更新

電波法関連法令の改正による一部アナログ簡易無線機の使用期限到来

さまざまな業種の現場で、コミュニケーション手段として利用されている無線機。
代表的なものにはトランシーバーやインカムがあり、これらを使って連絡を取っている方もいるのではないでしょうか?
実は、2008年の電波法関連法令の改正により2024年11月30日以降、一部のアナログ簡易無線機で使用できなくなるものがあります。そのため、日々の業務にこれらの無線機を利用している場合、期日までに使用機器の見直しをしなければなりません。
「まだ先のことだから大丈夫」と思われる方も多いかもしれませんが、新しい機器の選定や運用方法の策定、停波の手続きなど、管理者の立場として早いうちから準備を進めておくのがよいでしょう。

本ブログでは、今後使用できなくなる無線機のことや、運用におススメの手段をご紹介します。


【誤った情報の提供についてのお詫び】

記事中の記載につきまして一部誤りがあることが判明いたしました。該当部分を修正するとともにお詫びいたします。

また、今後はこのような事態が起こらぬよう、より一層の注意を払って情報収集・確認を行い、正確な情報をご提供できるように努めてまいります。読者の皆さまにはご迷惑をお掛けしてしまったことを心よりお詫び申し上げます。

 

目次

2024年12月1日以降、一部のアナログ簡易無線機が廃止に

無線機は通信出力の強さによって通信エリアが異なりますが、今回廃止されるのは簡易無線機に分類される一部の「アナログ簡易無線機」です。無線機にはアナログ方式とデジタル方式がありますが、アナログ簡易無線機が使用できなくなる理由には、無線機のデジタル化が関係しています。
携帯電話やテレビ、ラジオ放送といった身近なものから、消防や警備の現場など、当たり前のように利用している電波は、有限の資源です。今後、生活に関わるさまざまなものがデジタル化されていく際に逼迫することが想定され、アナログ方式に比べてより効率的に電波を利用できるデジタル方式が推進されるようになったためです。

では、具体的に使用できなくなる無線機にはどのようなものがあるのでしょうか?

使用できなくなる無線機の種類

アナログ簡易無線機(350MHz帯および400MHz帯)は廃止

今後使用できなくなる無線機は、周波数が350MHz帯および400MHz帯のアナログ簡易無線機になります。なお、150MHz帯のアナログ簡易無線機は継続して使用が可能です。当初は2022年11月30日までを使用期限と定めていましたが、これが2年延長され、2024年11月30日までに改正されました。延長が確定した2021年9月1日以降は、アナログ簡易無線機の免許は再免許の取得に限り認められており、新規での取得はすでにできなくなっています。
アナログとデジタル両方の電波を使用できるデュアル方式(デジアナ機)の無線機についても、アナログ方式の周波数を発することができないように設備を改修する必要があります。

※参考:総務省 電波利用ホームページ「簡易無線局のデジタル化について

「特定小電力トランシーバー」はどうなる?

「特定小電力トランシーバー」についても、一部の規格で2022年11月30日を使用期限として廃止が予定されていました。しかし、コロナ禍の影響により「当分の間延期」が決定されています。

※参考:総務省 電波利用ホームページ「無線設備のスプリアス発射の強度の許容値

※スプリアス:ここでは本来必要とされる所定の周波数帯を外れた不要な電波の全体を意味します。国際的な定義などの変更によって、「旧スプリアス規格」と「新スプリアス規格」の2つに分けられています。

電波法関連法令の改正以降、使用できなくなる無線機

3G停波によるIP無線機への影響

法改正の対象ではありませんが、携帯電話回線を利用して通信を行うIP無線機のうち3Gのみに対応しているIP無線機は、3Gサービス終了に伴って使用できなくなります。通信キャリアによって3G停波の時期は異なりますが、代替手段として4G対応のIP無線機への移行、または後述するトランシーバーアプリなどをご検討ください。

▶関連リンク:ソフトバンクでの3Gサービス終了について

もし、使用期限を過ぎたものを使ってしまったら?

対象のアナログ簡易無線機は期日までに無線の使用を停止しなければなりません。誤って使用期限を過ぎて使用してしまった場合は電波法違反となり、免許の取り消しのみならず1年以下の懲役または100万円以下の罰金、また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。
知らず知らずの間に現場で使用されてしまうことも考えられます。こうしたリスクを避けるためにも、管理者は早いうちから必要な手続きや、次の運用へ向けた準備を進めておくことが大切です。

トランシーバーアプリでスマートフォンを無線機に

現在お使いの無線機が使用できなくなる場合、今後も無線機の利用を継続するのであれば、代替の手段を検討しなければなりません。そこで、おススメの方法となるのが、トランシーバーアプリの活用です。

業務での利用が進んでいるスマートフォンにトランシーバーアプリを入れることで、スマートフォンを無線機として利用できるようになります。ほかにも、使用機器が無線機からスマートフォンに置き換わることで、運用面でもさまざまなメリットがあります。

代替手段として、なぜトランシーバーアプリを活用することがよいのか、具体的なメリットやアプリケーションの特長について「IP無線アプリ活用事例5選」でご紹介しています。ぜひご覧ください。

スマートフォンで利用できるおススメのIP無線アプリ

スカイトランシーバー プラス

音声通話はもちろん、グループ通話、チャット、位置情報の共有など、アナログ無線機やトランシーバーで欲しかった機能が搭載されています。スカイトランシーバー プラスは、業務での連絡手段や災害の備えとして幅広く活用できます。

スカイトランシーバー プラスについて詳しくみる

Buddycom(バディコム)

Buddycomは、無線機やトランシーバーのように一斉通話ができるIP無線アプリです。現場のコミュニケーションをスマートフォン1つで実現でき、現場の状況をリアルタイムに確認することができます。音声通話やグループ通話の他に、翻訳機能やライブキャストがついているため、言語の壁を超えて多くの現場で活用いただけます。

Buddycomについて詳しくみる

IP無線アプリの活用事例5選

スマートフォンが無線機に!?現場でのIP無線アプリの活用方法をご紹介します。

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