データ活用とは? メリットや活用手順、事例をご紹介

2022年11月9日掲載

売上増に導くデータ活用とは? ~メリットや活用手順、事例をご紹介~

デジタル化が進み顧客の消費行動やニーズの変化が激しい中、データを活用することで変化に対応し成長する企業が増えています。しかし、自社にどんなデータが蓄積され、それをどう活用すればいいのかと考える方も多いのではないでしょうか。今回はデータ活用について、概要やメリット、事例をご紹介します。

目次

データ活用とは

データ活用は、自社や他社が保有するデータをもとにビジネスの方向性を決めることで、収益の向上などの自社の課題を解決する手段です。変化の激しい現在では、長年の経験や勘によってビジネスの方向性を見極めるのではなく、さまざまなデータを収集、それらを分析、活用し根拠にもとづいた施策を実行することが重要です。

どのようなデータがあるのか

データを活用する際、どのようなデータが活用できるのかを理解しておく必要があります。どんな企業でもビジネスを通じて多くのデータを取得しています。また、自社の持つデータだけでなく、国や地方公共団体のオープンデータや他社の持つデータの中にも活用できるものがあります。以下が主なデータの種類です。

●コミュニケーションデータ:電子メール、通話記録、問い合わせ履歴など

●販売データ:POSデータ、ECサイトの販売記録など

●行動データ:WebサイトやSNSなどのアクセスログ、動画・映像視聴ログなど

●業務データ:顧客データ、経理データ、業務日誌データなど

●IoT関連データ:GPSデータ、センサー・カメラデータなど

●オープンデータ:気象データ、交通量・渋滞情報データなど

参考:情報通信白書令和2年版「第2節 デジタルデータ活用の現状と課題」|総務省

データ活用で何ができるのか

さまざまなデータを活用することで何ができるのでしょうか。

現状の把握

データを活用すれば企業の現状を客観的に把握することができます。過去の売上データから売上予測を立てたり、仕入や人員の配置を決定する際も、根拠にもとづいた調整が可能になります。さらに、顧客とのこれまでの取引履歴を整理しておけば、より細かいフォローが可能になります。このように、データから現状を把握することで取るべき対応を素早く判断することができます。

ニーズの把握

企業の成長には顧客のニーズの把握が欠かせませんが、データからはこのニーズを把握できます。例えば、POSデータやECサイトの販売記録からはよく売れている商品、つまり、顧客の関心や嗜好を把握することができます。こうした販売データを気象データと照らし合わせて売上と天候の相関関係を見ることで、雨の日によく売れる商品を特定できるなど、より効果的に顧客ニーズをつかむことができます。また、Webサイトの閲覧時間やGPSデータによる人の動きなど、販売データ以外にもあらゆるデータから顧客ニーズをつかむことが可能です。

商品開発のヒント

データの活用は商品開発のヒントにも役立ちます。ある食品会社では、自らの活動や意見を積極的に発信しているアクティブシニアと呼ばれる層のSNSを分析し、豪華な食事の投稿が多いことが分かりました。このデータをもとに健康志向を目指していた商品展開をフカヒレスープやスッポンスープといった贅沢なイメージを与えるものへ展開することでシニア層に好評を得て、新たな商品の売り上げを伸ばすことに成功しました。

データ活用の手順

「データの収集」「データの分析」「データの可視化」「意思決定」の4つの手順があります。

データの収集

各部門が行う業務において収集したデータやインターネットを介して集まる顧客情報、IoT機器から集積されるデータなど、膨大なデータを取得して蓄積していきます。

データの分析

データを膨大に蓄積してもそのままではただのデータです。それぞれのデータを目的にあわせて分析し、一見無関係に見えるデータどうしの関連性を発見したり、データから一定の傾向を導き出します。

データの可視化

膨大なデータを分析しただけでは、まだ使えるデータとは言えません。ビジネスの施策や方向性を決定するためには、経営層や各担当者が納得する論拠を示す必要があります。そのために分析したデータをさらに数値、グラフなどを活用して次の行動へとつなげられる形に加工する必要があります。

意思決定

分析して使える形に加工したデータをもとに施策や方向性を決定します。データから分析された結果や社会状況、企業の状況などさまざまな要素も考慮しながら、最適な選択肢を選びます。こうした意思決定において具体的なデータから導き出された結果は大きな意味を持ちます。意思決定の論拠となるデータ分析が詳細で精度が高いほど、より具体的で確実な意思決定を行うことが可能となります。

データ活用のポイント

データの分断に注意

データを活用する際はデータが分断してしまわないように注意する必要があります。Webサイトの閲覧履歴はWeb管理部門のシステム、問い合わせ履歴は顧客サポート部門のシステム、広告施策の結果はマーケティング部門で管理されているといったバラバラの状態では部門単位でしかデータの活用ができず、顧客理解を深めることができない、施策の結果が伴わない、データの重複管理などの問題が出てきてしまいます。

複数のシステムに分断してデータを管理する様子

CDPの活用が有効

前述のように、データ活用には顧客に関するあらゆるデータを統合する必要があります。それを実現するのがCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。CDPとは、顧客に紐づくさまざまなデータを収集・統合・分析するマーケティングプラットフォームです。複数のシステムやデバイス、アプリケーションで集められる属性データや行動データを統合・分析することで、ニーズの把握や新たな商品・サービスの開発につなげることができます。(関連記事:これで誰でもCDPを説明できる!入門知識 一問一答

データを活用することで課題を解決し、企業は成長を進めることができます。しかし、企業が抱える課題は多彩で、課題解決のためのデータ活用も同じだけ多彩です。実際にデータ活用を進める企業がどのようにデータ活用を進めたのかを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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