災害対策に車はどう役立つのか。東京オートサロンで災害支援車を見学

2024年1月26日掲載

災害対策に車はどう役立つのか。東京オートサロンで災害支援車を見学

2024年1月12~14日に幕張メッセで、自動車関連の最新のトレンドや技術が一堂に集まる日本最大カスタムカーイベントである「東京オートサロン 2024」が開催されました。今回は日産自動車の災害支援車「Disaster Support Mobile-Hub(ディザスタ―サポートモバイルハブ)」を取材してきました。災害時の活躍が期待されるこの車は衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business(スターリンクビジネス)」の固定用アンテナ「STARLINK HIGH PERFORMANCE DISH」を搭載しています。

目次

緊急・災害時に防災拠点となる支援車両「Disaster Support Mobile-Hub」

災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub オレンジと黒で塗装され、遠くからでもよく目立つ「Disaster Support Mobile-Hub」。

 

近年、地震や台風、洪水など自然災害が各地で起きており、もしものときに備えて日本各地で災害対策の強化が検討されています。日産自動車株式会社(以下、日産)のブースでは、キャラバンをベースとした「Disaster Support Mobile-Hub(以下、本車両)」が災害対策拠点として利用できる支援車両として参考展示されていました。

本車両は防災アドバイザー監修のもと、災害時に庁舎やオフィスが利用できない場合の自治体や企業の拠点となることを想定し、さまざまな機能が備えられています。

ここで、一部をご紹介します。

電気自動車のバッテリーを再利用している「ポータブルバッテリー from LEAF」

災害時に防災拠点として活用するには電力が欠かせません。そこで停電が起こったときのために、日産の電気自動車であるLEAFの再生バッテリーを活用したポータブルバッテリーを車両内に17台搭載し電源を確保していました。これらバッテリーは約100名の避難所で2~3日持つことを想定しており、車体の屋根に設置したソーラーパネルで充電する仕組みのようです。

災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub 車両内の様子。ポータブルバッテリーに加え、テーブルや椅子、マイクやPCも搭載。

それらの電気を用いることで、地域住民のスマートフォンを充電したり、リアシート箇所に備えた電子レンジや湯沸かし器などで食事を温められるようになっています。

災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub スマートフォンを充電できるケースが並ぶ。30個あり鍵をかけることも可能。
災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub 後部座席のリアシート箇所には、電子レンジなど生活架電に加えてAEDや簡易ベッドなどもあり、救護室としても活用できる。右側に見えるのは個室のドア。

拠点に重要な通信手段「Starlink Business」

災害時には、コミュニケーション手段である「通信」が電気や水道などと同様に重要なインフラになります。本車両には通信手段として、ソフトバンクが提供する衛星ブロードバンドインターネットサービスである「Starlink Business(スターリンクビジネス)」の固定用アンテナ「STARLINK HIGH PERFORMANCE DISH」が採用されています。

ソフトバンクはStarlinkの認定インテグレーターとして、2023年9月から国内の企業や自治体向けに「Starlink Business」を提供しています。特に自治体では、島しょ部や山間部における通信環境の整備や災害対策、一次産業における利活用などのニーズが多くなっています。

本車両では自治体の災害対応としての利用はもとより、地域の方々の通信手段としての利用も想定されています。

災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub 真ん中に写る白いアンテナが「Starlink Business」の固定用アンテナ「STARLINK HIGH PERFORMANCE DISH」。

Starlink Businessは、先ほど紹介したポータブルバッテリーの電源を利用でき、空を遮らない場所であれば利用することができます。本車両では避難住民の方々もインターネットができるWi-Fi環境を前提とした展示がされていました。

災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub 車両後部には画面が設置され、車両の機能が紹介されていました。画面が変わるとWi-FiのIDやPWについての案内もありました。
災害支援車両 Disaster Support Mobile-Hub

まとめ

今回は災害支援車として期待される「Disaster Support Mobile-Hub」とともに、通信インフラが不十分な地域でもインターネット接続を実現できる「Starlink Business」について取り上げました。今のところ「Disaster Support Mobile-Hub」の販売は予定されていませんが、ポータブルバッテリーや衛生通信など、もしものときに頼れる環境づくりについて考えるタイミングになれば幸いです。

Starlink Business

Starlink Businessの具体的な特長や利点、ご利用料金などを詳しくご紹介します。

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Starlink Business

通信速度が最大下り220Mbps、上り25Mbpsの法人のお客さま向け衛星ブロードバンドインターネットサービスです。 通信環境が整っていない地域や、事業継続計画(BCP)対策、海上・船舶での利用など、高速かつ低遅延なデータ通信を利用したい場合に適しています。

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