CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは? つながりのないように見えるデータを集めて活用しよう

2019年11月14日掲載

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)が注目を集めています。インターネット環境が充実し、個人が所有するデバイスが増加したことによって、個人に関するさまざまなデータがいろいろな場所に存在する現在、それらのデータを効率的につなぐことによって、必要としている人に必要な情報をきちんと届けることができるのではないか。そうした発想で注目されているのが顧客データ基盤といわれるCDPなのです。今回は、CDPをビジネスに活用することで何ができるようになるのか探ってみましょう。

目次

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?

企業は顧客が本当に必要としているサービスや商品を創ります。それらの情報を顧客に届けて価値を伝えて顧客に購入したいと思ってもらい、行動に移すまでの流れを効果的に実現するためにマーケティングを行います。例えば企業は市場調査をします。顧客が求めているものを探り、広告宣伝活動によって情報を発信し、それらの行動の効果を検証し、次に生かそうとします。こうした活動で活用されるのが顧客データです。

個人は複数のデバイスを所有し、さまざまな形でデータを発信しています。それらのデータには個人の属性データや行動データなど、あらゆるデータが存在します。

こうした状況において、個人に関する多様なデータを効果的に収集・管理することができれば、適切なサービスや商品を提供できるようになると考えられます。そのためには、多様な形で存在しているデータを集め、管理し、分析し、使えるようにする必要があります。そのための顧客データ管理・活用ツールとなるのがCDPなのです。

CDPでなにができる?

CDPは顧客ごとの属性データや行動データといった個別のデータを収集・分析して使えるデータにするためのツールです。似た機能を持つツールにDMP(データマネジメントプラットフォーム)がありますが、この大きな違いはCDPがより顧客個人に注目して個人に紐づくデータを扱う点にあります。では、CDPを活用するとなにができるのかを確認していきましょう。

顧客の属性データや行動データを集めて、顧客の特徴を可視化する

CDPは複数のプラットフォームやデバイスから、同一の顧客に関する情報を集めます。顧客ごとの情報を統合し、蓄積することで、その顧客がどういった特徴を有しているのかを明らかにします。

顧客に最適なサービスやコンテンツをお勧めできる(必要な人に必要な情報だけを発信)

顧客の特徴が可視化されると、その顧客が興味をもっているサービスの提供や、興味を引きそうなコンテンツの情報提供ができます。求める人に必要とされる情報を的確に届けることで、「こういうのが欲しかった」と感じてもらうことができ、顧客自らの購入行動を促すきっかけを与えることができるようになります。

顧客データをセグメント分けして、多様な切り口で活用できる

例えば、ある顧客が海外旅行サイトを何度も訪問しているとしましょう。

その顧客に関するデータが収集されることによって、その顧客は「海外旅行に興味がある」というセグメントに分類されます。その結果、企業から海外旅行に関する情報が届けられるようになりました。これだけなら、確実にその顧客のニーズにマッチしているとは言いきれません。他のデータを分析すると、その顧客は子供服を購入したり、女性用の化粧品をサイトから購入したりしているデータが紐づけられ、顧客の特徴が「子どもがいる、旅行好きの女性」というところまで把握できるようになります。

その結果、家族で海外の動物園近くで宿泊できるホテルの情報が届けられるようになります。ただ旅行情報を提供するよりも、家族の休日海外旅行を促すのにより力強い情報提供が可能になるわけです。

より詳細な顧客データを収集し、蓄積し、分析してセグメント分けすることで、さまざまな切り口から顧客のニーズを把握することができます。最適なサービスやコンテンツを提供するための情報として活用できるようになるのです。

見えなかったインサイトを得て、さまざまな接点や切り口を見つけることができる

ここでCDPをマーケティングに活用するお話をする前に、インサイトについて触れておきましょう。マーケティング戦略を立てるとき、インサイトを知る、インサイトを得る、といった表現が使われます。日本語に直訳すると「洞察」という意味ですが、多くは「人を動かす隠れた心理」「人が行動を起こすときの心理」という意味で使われています。

つまり、戦略を立てる場合、顧客が購買行動に移るには、どういう心の動きがあるのかを知ることで、それを促す仕掛けをすることができるようになるわけです。そうした戦略をインサイトマーケティングと呼び、活用されています。

そして、CDPを活用して、顧客それぞれのデータ収集と同時に、セグメント分けすることで、インサイトマーケティングに活用することも可能になるのです。例えば、年齢層での分析を行い、そこからまだニーズとして認識されていないインサイトを見つけ、ニーズを呼び起こし、購入行動へと促すことも可能です。

またターゲットを絞った商品開発やサービス提供に活用することもできます。インサイトマーケティングは顧客が自分自身もまだ認識していないけれども、提供されれば興味を惹く可能性がかなり高いと思われるものを「洞察」することがスタートです。効果的にインサイトマーケティングを行うためにも、CDPを有効に活用できます。

CDPの導入事例:株式会社ストライプデパートメント

株式会社ストライプデパートメントは2018年から「大人のためのファッション系ECデパートメント」をコンセプトにECサイトを運営しています。 顧客拡大を目的に、顧客データを蓄積していましたが、それらのデータはECサイトを利用した顧客データのほか、LINEやInstagram、アプリなどさまざまで、それぞれが顧客ごとに統合されるのではなく、バラバラに存在していました。

そこで顧客データを統合して管理するためのツールとしてカスタマーデータプラットフォーム「Treasure Data CDP」を導入しました。カスタマーデータプラットフォームを一から作ると、膨大な時間とコストがかかることが課題でしたが、「Treasure Data CDP」を採用することで、開発工程と時間の削減が実現できました。

さらに自社サイトのみならず、他社サイトのデータの統合ができるため、顧客の行動データがより詳細に集積、統合、管理することができることも魅力の一つです。それにより精度の高いターゲティングを可能にし、効果的にマーケティング戦略を立案、実施することで顧客が必要としているサービスができることも期待できます。

まとめ

顧客データ管理から最適なマーケティング戦略を立案し、さらに顧客ごとに必要とされるサービスを提供することで、顧客との信頼関係を深める。こうした企業活動に効果を発揮するのがCDPです。CDPがもたらす効果を理解し、自社にどのように活用できるかを考えてみましょう。導入事例が豊富で、サポート体制も整っているソフトバンクに相談するのも、導入ステップの一歩となるでしょう。

関連サービス

「Treasure Data CDP(インキュデータ株式会社)」

ヒトとデバイスのデータをつなぐビジネスイノベーションのプラットフォーム「Treasure Data CDP」は、広告・マーケティング・CRMの領域を超えて顧客データとデバイスデータの一元化を実現し、顧客ロイヤリティの向上を促進することができます。

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