SDGsとは。企業はどう取り組むべきか。

SDGsとは。企業はどう取り組むべきか。

(2020年12月21日掲載)

目次

いま、企業はもとより多くの人がSDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)への取り組みに注目しています。2015年の国連サミットで採択されたSDGsは、国連加盟193ヵ国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた「世界共通の目標」です。いま世界中でSDGsへの取り組みが進み目標達成への努力がなされていますが、日本は世界的に見ると取り組みが遅れていると言われています。今回はSDGsの具体的な目標や取り組み事例を紹介し、企業としての目標、また個人として取り組む意義と方法を紹介します。

SDGsとは

2000年9月に、国連ミレニアム・サミットで「国連ミレニアム宣言」が採択され、それをもとにして、開発分野における国際社会共通の目標として「ミレニアム開発目標」(Millennium Development Goals : MDGs)が2001年にまとめられました。

その後、2015年9月の国連サミットで、MDGsの後継として採択されたのがSDGs(Sustainable Development Goals)です。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている世界が目指す共通目標です。

MDGsでは8つのゴールと21のターゲットが示されており、開発途上国の目標として掲げられていました。2015年に採択されたSDGsには17のゴールと169のターゲットが示されています。また、この目標に取り組むのは世界のすべての国としています。

SDGsの17のゴールと特徴

SDGsと前身のMDGsとの大きな違いは、MDGsが開発途上国向けの目標であったことに対して、SDGsはすべての国が取り組むべき普遍的な目標となっている点です。企業、地方自治体をはじめ、すべての人が目標を達成すべく行動しなくてはならないとしていることが特徴です。SDGsが掲げている17のゴールは、社会、経済、環境の3つの側面から世界が取り組むべき課題を表したものです。

「① 貧困をなくそう」「②飢餓をゼロに」「③すべての人に健康と福祉を」「④質の高い教育をみんなに」「⑤ジェンダー平等を実現しよう」「⑥安全な水とトイレを世界中に」「⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「⑧働きがいも経済成長も」「⑨産業と技術革新の基盤をつくろう」「⑩人や国の不平等をなくそう」「⑪住み続けられるまちづくりを」「⑫つくる責任 つかう責任」「⑬気候変動に具体的な対策を」「⑭海の豊かさを守ろう」「⑮陸の豊かさも守ろう」「⑯平和と公正をすべての人に」「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」。

これら17の目標は、開発途上国、先進国いずれかの問題ではなく、包括的に地球が抱えている課題であると捉えることができます。そして、総合的に課題を捉えながら、持続可能なより良い未来を築くために、グローバル・パートナーシップを活性化しなくてはならないとした姿勢がうかがえます。

169のターゲット

上記で述べたように社会、経済、環境の3つの側面から17の目標が定められました。そして、それぞれの目標にターゲットが設定され、より具体的な課題が示されています。

例えば、「①貧困をなくそう」には、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人びとと定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」「2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、こどもの割合を半減させる」「各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する」など、具体的な目標数値を上げたものから「投資拡大を支援する」といった行動推進を促すものまで含まれています。

17の目標にこうしたターゲットが設定され、合計で169のターゲットが存在しています。 さらに169ターゲットを詳細かつ具体的に示した指標となるものが232策定(重複を含めると244)されています。

日本の取り組みの現状と最新テクノロジー活用への期待

では、日本の取り組みの現状を見ていきましょう。 日本政府は2016年12月にSDGs推進のための長期戦略として「SDGs実施指針」を策定しました。その後、2019年12月に改訂を行い、SDGsの17の目標を日本において具体的に達成するための優先課題を8つ提示しています。この8つの優先課題は、2030アジェンダに掲げられている5つのP(People, Prosperity, Planet, Peace, Partnership)に対応し、日本オリジナルの課題も盛り込まれています。

8つの優先課題

人間People:
1:(あらゆる人びとが活躍する社会・ジェンダー平等の実現)
2:(健康・長寿の達成)

繁栄Prosperity:
3:(成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション)
4:(持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備)

地球Planet:
5:(省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会)
6:(生物多様性、森林、海洋等の保全)

平和Peace:
7:(平和と安全・安心の社会の実現)

パートナーシップPartnership:
8:(SDGs実施推進の体制と手段)

そして、全省庁による具体的な施策を盛り込んだ「SDGsアクションプラン」を毎年策定し、国内・国際協力の両面で推進する方針を示しました。

実際、2017年12月に「SDGsアクションプラン2018」、2018年6月に「拡大版SDGsアクションプラン2018」、2018年12月に「SDGsアクションプラン2019」、2019年6月に「拡大版SDGsアクションプラン2019」と改訂を続け、2019年12月の「SDGsアクションプラン2020」の策定につながっています。

自治体SDGsモデル事業の推進

また、2018年から「SDGs未来都市」を選定しています。優れたSDGsの取り組みを提案する都市や地域を選定して、その取り組みに必要な資金を支援することで、より多くのモデル事例を形成していくことを推進しています。

日本の企業・団体の取り組みと現状

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)と地球環境戦略研究機関(IGES)は、GCNJ会員企業・団体を中心に、日本の企業・団体が持続可能なビジネスを推進する上で、17のSDGsの実現にいかに取り組んできたかを、2015年から2019年までに5回調査しています。

5回目にあたる2019年の調査結果をもとに、日本の企業・団体の取り組みと、現状を確認してみましょう。(今回の調査・ヒアリングをもとに考えるにあたっては、回答した企業のおよそ8割が大企業であり、その66%が売上規模1,000億円以上で、さらに、73%がグローバル市場で事業展開をしている企業であったため、中小企業の動向が反映されていない点には留意が必要です。)

この調査によると、売上規模1,000億円以上の企業において約90%の企業がSDGsの実施段階に入ったと回答しています。そして、取り組みが進展した要因としては「世間の認知度の高まり」「トップの意識の変化」がそれぞれ前回の調査と比べて43%から65%へ、33%から51%へと増加しています。また、SDGs推進活動の主体として多くの企業が回答したのがCSR部門でしたが、CEOや取締役会、経営執行会議体、経営企画部門が主体となっていると回答した企業も増えていました。

さらには、過去1年間における取り組みに対する連携についての質問では、従業員、顧客、取引先、株主・投資家、地方自治体との連携が大きく伸び、連携した動きが定着しつつある傾向を示しています。

今後の取り組みに対する姿勢への問いについては、「CSRの重点課題に反映する」という回答が減少しているのに対し、「自社の戦略・経営計画に反映する」と回答した企業が増加し、「評価の仕組み、指標を検討する」「SDGsに貢献できる新しいプロジェクトを立ち上げる」「外部との連携・パートナーシップを強化する」と回答した企業も増えていました。

つまり、企業内ではトップの意識もSDGsへの取り組みの重要性を認識するものへと変化し、企業活動を通して連携が進みつつあると言えるでしょう。また多くの企業はSDGsへの取り組みを経営計画や戦略に反映することを重視していると見ることができます。

実際にコーポレートサイトで事例を紹介するといったように、自社のSDGsへの取り組みを表明する企業が増えつつあります。

SDGsアクションプラン2020と取り組みを支える最新テクノロジー

日本政府が、SDGsへの取り組みを促進するために、新設したSDGs推進本部は、2019年12月に「SDGsアクションプラン2020」を公開しました。5回の改訂ののちに公開されたものは具体的な施策をまとめたもので、2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まりと位置づけられています。そして政府の具体的な取り組みが3つの柱として盛り込まれています。

1:ビジネスとイノベーション SDGsと連動するSociety5.0の推進
ビジネスでSDGsに貢献することを推進する内容が掲げられています。なかでも、Society5.0の推進として、IoTやAIといった最新のIT技術を活用してビジネスモデルの革新、経済発展、社会的課題の解決に向けての積極的な行動を進めていくことが示されています。 具体的には「人・モノ・技術・組織などがつながることで新しい価値創出が日本の産業の目指すべき姿である」として経済産業省によって提唱された「Connected Industries」やバイオ戦略、スマート農林水産業を推進していきます。

2:SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
未来都市や地方創生を推進する内容が掲げられ、「グリーンインフラの推進」や「大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現」といった取り組みを示しています。グリーンインフラとは、自然の機能を活用した、持続可能なまちづくりを目指すものです。また、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンとは、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指すものです。

3:SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
女性活躍の推進、次世代を育成するための学費支援など、人材を育むための取り組みが示されています。 特に、新学習指導要領を踏まえた持続可能な開発のための教育(ESD)の推進が盛り込まれたことによって、学校教育における持続可能な社会の創り手を育てる役割を重視していることがうかがえます。

最新テクノロジーが実現するもの

これらを実現するのがIoTやAI、ビッグデータ、ロボット、5Gといった最先端技術の活用です。AIの導入は多くの企業で取り組むが進められていますが、こうした環境が普及することで必要な情報を必要なときに得て、活用できるようになります。さらに自動運転やロボット活用が普及すれば高齢者や障害のある人にとっても活動しやすい社会が実現できると考えられます。最新テクノロジーを普及させることで誰もが活躍できる社会が実現されると予想されます。

世界のグローバル企業の取り組みと現状

では、世界のグローバル企業がSDGs達成に向けてどのような取り組みをしているのかを見ておきましょう。

企業が大きく関わる目標のひとつが目標12の「つくる責任、つかう責任」でしょう。持続可能な生産体制と消費形態を確保することは、企業の経営方針や企業戦略を考える要素のひとつだと考えられます。そうした取り組みを海外の企業はどのように進めているのか、具体的に見ていきましょう。

adidas
ドイツのスポーツ用品メーカadidasはParley for the Oceansと連携して「adidas × Parley COLLECTION」を開発しています。この製品は海岸や海沿いの地域で回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルしたもので、高性能なランニングシューズやトレーニングウエアとして販売されています。これらの製品はアスリートの優れたパフォーマンスを支える高機能なトレーニングウエアとして機能性が評価されているだけでなく、プラスチック廃棄物をアップサイクルした素材を75%以上使用し、地球環境にも大きく貢献しました。

また、「Run For The Oceans」という海洋プラスチック汚染を終わらせる活動も行っています。この活動では開催期間中に参加者が1km走るごとにadidasが1ドルをParley for the Oceansに寄付をし、その寄付金を若い世代が海洋プラスチック汚染について学べる環境教育プログラムに活用するというものです。

Fortum
フィンランドのエネルギー会社Fortumは、同じくフィンランドを拠点にエコロジカルな繊維を作っているメーカSpinnovaと協働して、世界で初めて麦わらを使った繊維素材を開発しました。製品はニットTシャツやジャケットなどに加工され、2019年10月にカナダのバンクーバーで開催されたTextile Exchange Sustainability Conferenceに出品されました。このTextile Exchange Sustainability Conferenceというのは、アパレル・繊維メーカのサステナビリティを向上させるために取り組んでいる国際NPO Textile Exchangeが開催している催しです。

今回2社の協働によって麦わらから作られた繊維は、環境影響評価がライフサイクルアセスメントによって検証された結果、原料抽出や加工、製造の段階における環境への影響が極めて小さいことが確認されました。

FortumとSpinnovaは、Fortumが建設を予定しているバイオリファイナリー(バイオマスを原料にバイオ燃料や樹脂などを製造する施設)で、農業廃棄物を使用した持続可能な繊維の開発、生産も計画しています。

なぜ企業はSDGsに取り組む必要があるのか

SDGsは2030年までに達成すべき持続可能な開発目標です。その目標を達成するために、すべての企業に対して、それぞれが持つ創造性およびイノベーションを活用して、取り組むことが強く求められています。国連に参加しているすべての国の、すべての政府によって取り組み推進が合意されていますが、取り組み活動の主体となるのは企業や団体、個人の行動や協働に依存していると言えます。影響力という観点で、主体となることを求められている企業、団体、個人を見ていくと、社会に大きな影響を与える活動ができるのは企業でしょう。言い換えれば、最も重大であると全世界が認識している課題を解決するための策や技術を、企業が主導して開発し、実行し、継続していくことが求められていると言えます。

そして、企業にとって世界規模の課題を解決するために活動をすることで、企業戦略を地球的優先課題につなげることになると言えます。

具体的に見ていくと、以下の点で企業にとってのチャンスになると考えられます。

ビジネスチャンスの見極めができる:
世界経済の流れ、投資の流れがSDGs達成のための取り組みを支援する方向に動くことが予想されるため、革新的なソリューションや抜本的な変革を進めていく企業が飛躍できるチャンスになると考えられます。例えば、省エネルギーやエネルギー蓄積、あるいは廃棄物の少ない製品開発に取り組むなど、持続可能で包摂的なビジネスモデルを通して、技術や解決策を提供することができる企業は、より広い市場を得ることが可能になると考えられます。

価値の向上ができる:
資源の効率的な利用や持続可能な代替策への転換を進めている企業の活動には、より高い価値が認められるようになると考えられます。

社会と市場の安定化ができる:
SDGsの達成に取り組むことは、世界の市場において持続可能な開発を目指したルールに基づく活動が要求されることでもあります。また、より健全で経済的にも安定した社会が実現することにもなります。具体的には、世界中の貧困を無くすことで市場が拡大すると考えられますし、充実した高度な教育が提供される社会では、多様な能力を持つ人材を確保することも期待できます。さらに、ジェンダー格差を解消することで、女性の地位向上が促進されることが期待されます。こうした社会こそ、企業が成功を目指せる環境が整っていると言えます。

企業の影響力、パフォーマンスを示すことができる:
SDGs達成への取り組みを進めることは、世界規模で相互に協力できるパートナーとの結び付きを強化することになります。これにより、企業はより効果的にステークホルダーと意見を交換する機会を得ることになるとともに、企業の影響力やパフォーマンスを一貫して示す機会を得ることになります。また、海外の事例でも確認したように、協力できるパートナーと強く結び付くことで、自社の得意分野を伸ばすだけでなく、付加価値の高い製品の開発や新しいビジネスの創出にもつながる可能性を広げることができます。

企業のSDGs達成に向けての取組事例

では、日本の企業がどのようにSDGs達成に向けて取り組んでいるのか、事例を見ていきましょう。

積水ハウス株式会社
積水ハウスグループのSDGsへの取り組みは、2005年に定めた「4つの価値」と「13の指針」からなる「サステナブル・ビジョン」を価値創造のベースとしたものです。また企業理念である「人間愛」を礎にした価値を創造し、提供するために、社会の変化やニーズに対応しています。

まず「住まい手価値」「社会価値」「経済価値」「環境価値」といった4つの価値を打ち出し、そして、それぞれの価値を創出するための行動指針を設けています。

「住まい手価値」には永続性、快適さ、豊かさといった指針を策定。「社会価値」には共存共栄、地域文化と縁起こし、人材づくり、「経済価値」には知恵と技、地域経済、適正利益と社会還元、「環境価値」にはエネルギー、資源、化学物質、生態系といった合計13の指針を策定しました。

こうした企業姿勢を貫きつつ、独自に策定した指針を実現することでSDGsの目標達成に貢献しています。

ソフトバンク
ソフトバンクは自社の強みであるテクノロジーの力をベースとした事業活動・企業活動を通じたSDGs達成への取り組みを進めています。政府が提唱しているSociety5.0を実現するためには、革新的な技術を最大限活用することが不可欠です。そのことはソフトバンクの事業そのものがSDGsの目標達成に貢献することになる、と考えられます。

そのため、ソフトバンクではSDGsを経営戦略と整合させ、社会課題の解決あるいはステークホルダーの要求に応えるために、持てる技術、知識を活用することをさらに拡大、定着させていくことをめざしています。またこうした活動が自社の成長の原動力になっていくと考えています。

具体的な取り組みとして5つのステップを設定しました。ステップ1では「SDGsを理解する」、ステップ2は「優先課題を決定する」、ステップ3

では「目標を設定する」、ステップ4では「経営を統合する」、ステップ5では「報告とコミュニケーションを行う」、としています。

具体的な取り組みは以下のとおりです。

ステップ1「SDGsを理解する」:
ソフトバンクの事業・サービスにとって重要度や必要性の高いアクションを各部門や経営層で議論・検討を行い、さらに従業員向けの研修も行っています。

ステップ2「優先課題を決定する」:
外部ステークホルダーやソフトバンクにおける重要度を基に6つのマテリアリティを特定しました。6つのマテリアリティは①DXによる社会・産業の構築、②人・情報をつなぎ新しい感動を創出、③オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出、④テクノロジーの力で地球環境への貢献、⑤質の高い社会ネットワークの構築、⑥レジリエントな経営基盤の発展、です。

ステップ3「目標を設定する」:
SDGs達成のために特定した6つのマテリアリティに対して、目標KPIを設定しました。

ステップ4「経営を統合する」:
マテリアリティを経営戦略「Beyond Carrier」推進のキードライバーとし、経営と一体となった体制を構築しました。

ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」:
社内外のステークホルダーへの発信・報告を積極的に行っています。

この5つのステップで経営層から従業員に至るまでSDGsの意義と実現の重大さを理解し、一丸となった体制を構築するとともに、積極的な社内外への発信・報告を通して、広く連携の取れる環境を構築することを目指しています。

ソフトバンクが特定した6つのマテリアリティ(重要課題)解決への活動としては、産業の発展やライフスタイルの変革を加速させる新たなソリューションとしていち早く提供してきた5G,IoT、AI、などの技術を活用したDXによって、「すべてのモノ、情報、心がつながる世界」をめざすことをコンセプトに取り組んでいます。

例えば、5GやAIを活用することで新しい産業を創出するとともに、地域社会を活性化させ、地域が抱える課題解決、地域に暮らす人びとの環境を整えること、多様な企業との共創を通じた新規ビジネスを創出することなどの実現を図っています。

ここで重要だと考えていることは、例えば、共創パートナーと新規事業モデルを作り上げて、売り上げや利益を出すことはもちろん大切なのですが、ここが最終目的ではないという点です。

言い換えれば、売り上げや利益を上げることができても、根幹となる業務プロセスやサプライチェーンを変えることができなければ、どこかに負担や歪みが生じる可能性があります。表面的にはビジネスモデルが変革され、新しい事業を興したように見えても、結局サステナブルではない、という課題が残されることもあります。そのため、製造から顧客へ届けるまでのすべてのプロセスを見直し、サプライチェーン全体のデジタライゼーションを図るなど、抜本的な変革が必要なのです。さらに言えば、こうした取り組みは課題を深く掘り下げ、ニーズを根本的なところまで深掘りしてビジネス化することが重要です。こうしたことが継続的な枠組みを創出することになり、SDGsの達成への貢献になると考えています。

さらに、2019年7月から「地域創生SDGs官民連携プラットフォーム」に参加しているほか、2020年6月からは「京都超SDGsコンソーシアム」に加盟し、京都大学における資源循環や京都市山間地域の維持など、SDGsの社会実装を目指した取り組みを推進しています。

株式会社ファーストリテイリング
https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/report/pdf/sustainability2019_jp.pdf
ファーストリテイリングは、ユニクロやジーユーといったさまざまなブランドを展開している企業です。生活も社会も豊かにする服を世界中に届けることを目指して、より良い世界と未来の創造に貢献する取り組みを進めています。そのひとつの表れとして「Life Wear」というコンセプトを打ち出しました。人種、年齢、民族、宗教、性別、性的指向を超えた、MADE FOR ALL(あらゆる人のための服)を提案し、ファッションという概念を超えた新しい発想で取り組んでいます。取り組むべき重要領域「商品と販売を通じた新たな価値創造」「サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」「環境への配慮」「コミュニティとの共存・共栄」「従業員の幸せ」「正しい経営(ガバナンス)」の6つを定め、それぞれの具体的な取り組み目標を以下のように策定しました。

商品と販売を通じた新たな価値創造:
原材料の調達から服を着なくなったあとまで社会や環境への影響に配慮した商品・サービスを提供することに責任を持つべき、と考え、顧客に安心して着てもらえる商品を届けることを意識しています。また取引先工場とのパートナーシップを強固にし、社会や環境へ配慮した生産工程の実現に貢献しています。

サプライチェーンの人権・労働環境の尊重:
世界各国に広がっている取引先工場の従業員の人権や労働環境を守ることの重要性を認識しています。そして、責任ある調達方針を策定して、適切な手順による発注を徹底することで、取引先工場の労働時間の適性化を図っています。

環境への配慮:
日々の企業活動においてあらゆる無駄をなくし、地球への影響を極小化することを意識しています。さらに国際機関や外部団体とのパートナーシップの構築と対話を深め、加速度的に取り組んでいきます。

コミュニティとの共存・共栄:
「2020年コミュニティエンゲージメント目標」を掲げました。そしてグループが出店している地域、取引先工場のある地域、グローバルな社会課題である難民・避難民問題を抱えている地域において、服をビジネスにしている企業の強みを生かし、世界が直面している課題解決に向けた取り組みを進めていきます。

従業員の幸せ:
多様な従業員が働く職場において多様性を尊重し、一人一人が力を発揮できる環境を整えます。従業員の安心・安全な職場環境の確保、教育機会の提供、公平な評価を受けることができる制度と企業文化を構築していきます。

正しい経営(ガバナンス):
実効性のあるコーポレートガバナンス体制構築のため、取締役の過半数を社外取締役にし、取締役会の独立性を高め、監督機能を強化しました。また、2018年度には人権委員会を設置し、人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、業務執行が適性に行われているかを監督し、助言する体制を整えました。また、行動規範の推進を図るため、従業員の行動規範「ファーストリテイリンググループオブコンダクト」を制定し、従業員に対して、確認・理解のための教育を行っています。

本業を通じて業績を上げながら世界を変えていくための取り組み

世界中の企業は、業績を伸ばし発展していくなかで、自然環境に負荷をかけたり、どこか別の地域の人々や他社に負担を強いたりするのではなく、持続可能な開発目標を世界で掲げ、それに向けての取り組みを進めています。社会、経済、環境の視点から持続可能性を見つめ、自社がどのように取り組んでいけるのか、考えなければなりません。超スマート社会・企業といわれる、デジタルの力を活用した環境の構築もSDGsの取り組みです。まずは、他社の取り組みや、世界の動きを知ることから始めましょう。

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