
毎日の暮らしに欠かせない家電には、たくさんの電気が使われています。
「どれがいちばん電気を使っているのかな?」 「やっぱりエアコンがいちばん?それとも冷蔵庫?」 そんなふうに思ったことがある方もいるのではないでしょうか。この夏は、家電を例に電気の電力消費量を親子で調べてみる自由研究に取り組んでみませんか?ゲーム感覚で楽しみながら、「家電の電力消費モンスター(=たくさん電気を使っている家電)」を見つけてみましょう。
目次
いつも使っている電気、見直してみよう

「今月も電気代が上がってるなぁ…(ため息)」
そんなひとりごとをつぶやいたら、それを聞いていた子どもがこう言いました。

「電気代って、どう使ったら高くなっちゃうの?もしかして、家の中にたくさん電気を食べちゃう家電がいるんじゃない?」
ドキッとする質問に、ハッと気づかされます。そういえば、どの家電が、どれくらい電気を使っているのか。知っているようで、よく分かっていないかもしれません。

「そうだね… どの家電がたくさん使ってるんだろう?」

「たくさん電気を使ってる家電は、“電力消費モンスター”だ!どの家電がモンスターか、調べてみようよ。モンスターを見つけ出す自由研究、楽しそう!」

今回は、家の中にある家電をいくつかピックアップして調べてみることにしました。使うのは「ワットチェッカー」という計測器。家電に流れる電気の量を数字で表示してくれる、家庭でも使える便利な道具です。
冷蔵庫やエアコン、テレビなど、どの家電がたくさん電気を使っているのか、実際に消費電力量を調べて、比べてちょっとした使い方を工夫してみる。この自由研究を通して、電気の使い方への気づきや、暮らしの見直しにつながるヒントが見つかるかもしれません。
電気の単位って意外と知らないですよね。電気予報士によるやさしい解説で予習しておくと、より理解が深まり、子どもからの質問にも自信を持って答えられるはずですよ。
今回調べるのは、わが家にあるこの6つの家電

調査を開始する前に「これがいちばんかも?」という予想を立てて、実際の結果を見比べながら進めていくと、思わぬ発見があるかもしれません。
- エアコン
- 冷蔵庫
- テレビ
- 洗濯機
- 電子レンジ
- ドライヤー
調査では、「消費電力量」という単位を使って、家電の電気の使われ方(=消費量)を見ていきます。
消費電力量とは?
家電が一定時間で使った電気の合計量のこと。例えば1時間で0.5kWh使ったと表示され場合、電気代の目安は約15円になります(1kWhあたり約30円で計算)
- ※
1kWhあたりの電気代は、お住まいの地域や契約プランによって異なります。この記事では現時点での 東京都(東京電力エナジーパートナー株式会社 従量電灯B) :約29.8円/kWh を参考に「1kWh=約30円」で計算しています。
いよいよ調査のスタートです。まずは、家電にワットチェッカーをつないで、どれくらい電気を使っているかを調べます。使いながら気づいたことをメモしておくと、あとで結果を比べるときに役立ちます。あわせて、どうすれば電気を少しでも減らせるかも一緒に考えてみましょう。
いざ計測!たくさん電気が消費されているのは果たしてどの家電?
予想を立てた順番に家電の電力消費量を調べてみます。調査では「消費電力量(kWh)」をもとに、実際にどの家電が多くの電気を使っているのかをチェックしていきましょう。
電気代(円)の計算の仕方

①まずは最有力候補!エアコンは電力消費モンスター!?
わが家の “電力消費モンスター” 最有力候補はエアコン。暑がりな家族がいるため、普段は設定温度を23℃にしています。測ってみると消費電力量は、1時間あたり約0.63kWhでした。

「1時間で約0.63kWhってことは…1kWhあたり30円で計算すると、約19.5円かかるのね。けっこう大きいかも」

「設定温度を上げて、節電モードにしたらどうなるかな?」
試しに、設定温度を25℃にして節電モードをONにして再計測してみると、なんと約0.56kWhまで下がるという結果に!
1日17時間、31日間使った場合の電気代を比べてみて、1カ月間でどれくらい違うのか、実際に計算してみました。
- 23℃設定:
0.63kWh × 17時間 × 31日 = 約332.01kWh
332.01kWh × 30円 = 約9,960円 - 25℃節電モード:
0.56kWh × 17時間 × 31日 = 約295.12kWh
295.12kWh × 30円 = 約8,854円
なんと、月に約1,100円近く差が出る計算です!

「ちょっとした設定で、これだけ違うなら試してみたくなるね」
- ※ 使用環境や機種によって電力消費量は変わります。あくまで一例として参考にしてください。

②ずっと動いているからこそ、じわじわと電気を使う冷蔵庫
冷蔵庫は24時間365日動き続けている家電。1時間あたりの使用量は約0.04kWhと大きくはなかったものの、24時間 × 31日間使った場合の消費電力量を計算すると…。
- 約0.04kWh × 24時間 × 31日 = 29.76kWh
- 29.76kWh × 30円 = 約893円

「冷蔵庫は、じわじわ系の電力消費モンスターかも!」

「そういえば、飲み物やアイスを取りに何度もドアを開けてるけど… 実はそのときに電気を使ってるらしいよ」
試しにドアの開け閉めを減らすように意識してみると、消費電力量が0.04kWhから0.00kWhに減る時間帯もありました。
- ※ 表示上は0.00kWhでしたが、わずかに使っていた場合でも0.00kWhとなる可能性もあります。

③次に調べたのは、明るさ設定で差がつく!テレビ
毎日3時間ほど視聴していたテレビ。1時間あたりの消費電力量は通常設定で0.02kWh、明るさを下げた設定では0.01kWhになりました。
1カ月(31日)分の電気代を計算してみると?
- テレビ(通常設定):
0.02kWh × 3時間 × 31日 = 1.86kWh
1.86kWh × 30円 = 約56円 - テレビ(明るさ調整):
0.01kWh × 3時間 × 31日 = 0.93kWh
0.93kWh × 30円 = 約28円

「明るさを変えるだけで、半分になるんだ!」

「ちょっとした工夫でも差が出るのね」
月に約30円の節約になる計算です。小さなことでも積み重ねると効果があるとわかりました。

④洗濯機はまとめ洗いが効率的?
洗濯機は、使うたびに大きな電力を使うイメージがあるかもしれませんが、実際に調べてみたところ、1回の使用で約0.06kWhという結果になりました。そこで、1日分と2日分の洗濯物で計測してみたところ、どちらも0.06kWhという同じ結果でした。洗濯物の量によって消費する電力量は大きく変わらないようです。
1カ月(31回)使った場合の電気代を計算してみると…。
- 0.06kWh × 31日 = 1.86kWh
- 1.86kWh × 30円 = 約56円

「だったら、まとめて洗ったほうが効率がいいね!」
乾燥機能を使うと大きく電力を使うこともあるので、できるだけ外干しにするなどの工夫もおススメです

⑤電子レンジはどっちがおトク?600Wと1000Wで比べてみた
「600Wで2分」「1000Wで1分」など、加熱モードによって時間が変わる電子レンジ。今回は同じお弁当を使って、どちらのモードでどれくらい電気を使うのかを比べてみました。
- 600Wで2分:約0.01kWh × 30円 = 約0.30円
- 1000Wで1分:約0.02kWh × 30円 = 約0.60円

「1000Wのほうが速く温まったけど、電気の使い方は逆に多かったんだ!」

「たった1分でも、出力が高いと電力は2倍になるのね」
また、温めすぎに注意したり、食材をあらかじめ常温に戻しておくことで、加熱時間を短くできることも。毎日のちょっとした工夫で、電気の使い方を変えることができます。
- ※ 商品によっては加熱時間や使い方の決まりがある場合もあるので、パッケージの表示に従いましょう。

⑥最後に調べたのはドライヤー。思ったより使ってる?
ドライヤーは、使っている時間は短くても一度に大きな電力を使う家電のひとつ。今回は、髪の短い子どもと、髪の長いお母さんで使った場合、それぞれの消費電力量を調べてみました。
- 子ども(3分使用):約0.05kWh × 30円 = 約1.50円
- お母さん(5分使用):約0.10kWh × 30円 = 約3円

「ぼくはお母さんの半分で済んだ!」

「毎日続けば、この差ってけっこう大きいかもね」
また、お風呂上がりにタオルでしっかり水分を取ってから使うだけでも、ドライヤーの時間を短くできることがわかりました。ちょっとした工夫でも電力消費モンスターをおとなしくさせられるかもしれません。

さて、いろいろな家電を調べてみたところで、どれがわが家でいちばん電気を使っていたのかを見てみましょう。話し合いながら進めていくと、使い方をちょっと変えるだけで、こんなに違うんだ!という気づきがたくさん出てきます。
どの家電がいちばん電力消費されていた?結果を見てみよう

調べた結果をグラフにまとめて、どの家電がわが家の “電力消費モンスター” だったのかを発表してみましょう。家電によって「使う時間の長さ」や「電気の強さ」が違うため、今回は次の2つの視点で比べてみました。1つ目は、短時間(例えば5分間)でどれくらい電力を使うかという「パワー」を見る視点。そして2つ目は、1日や1カ月など、実際の使い方を想定してどれくらいの電気を使っていたかという「電力消費モンスター度」とも言える視点です。「1回の消費電力量」は、家電ごとに設定した使用条件(例:1時間、1回、3分など)に基づいて計測した値です。
わが家の結果は、こちらのとおりです。
| 1回の消費電力量(kWh) | 1回の料金(円) | 月間の消費電力量(kWh) | 月間の料金(円) |
|---|---|---|---|
| エアコン(23℃設定):1時間×17時間×31日 | |||
| 0.63 | 18.9 | 332.01 | 9,960.3 |
| エアコン(25℃節電モード):1時間×17時間×31日 | |||
| 0.56 | 16.8 | 295.12 | 8,854 |
| 冷蔵庫(常時稼働):24時間 × 31日間 | |||
| 0.04 | 1.2 | 29.76 | 892.8 |
| テレビ(通常):毎日3時間 × 31日間 | |||
| 0.02 | 0.6 | 1.86 | 55.8 |
| テレビ(明るさ調整):毎日3時間 × 31日間 | |||
| 0.01 | 0.3 | 0.93 | 27.9 |
| 洗濯機:1カ月(31回) | |||
| 0.06 | 1.79 | 1.86 | 55.8 |
| 電子レンジ(600W):1回2分使用 | |||
| 0.01 | 0.3 | - | - |
| 電子レンジ(1000W):1回1分使用 | |||
| 0.02 | 0.6 | - | - |
| ドライヤー(子ども):1回3分使用 | |||
| 0.05 | 1.5 | - | - |
| ドライヤー(お母さん):1回5分使用 | |||
| 0.1 | 3.0 | - | - |
- ※ 回数や時間はわが家の使用状況をもとにした一例です。
- ※ 家電によって使い方や稼働時間が大きく異なるため、以下では「1回の使用あたり」の電力量・電気代を基本にしつつ、毎日使う家電は月間の試算も記載しています。消費電力量(kWh)× 30円で電気代を計算しています。
- ※ 月間の使用量・料金は、わが家での使用頻度をもとに31日間で試算しています。ただし、家電によっては毎日使わないものもあるため、実際のご家庭の使用状況に合わせて読み替えてください。
こうして比べてみると、1回あたりの電力が大きかったのは、ドライヤーや電子レンジのような短時間で高出力を使う家電でした。一方、1日や1カ月単位で見ると、やはり長時間稼働するエアコンや冷蔵庫が、トータルの消費量では上位となりました。 わが家の場合は、1日17時間、31日間フル稼働していたエアコンが、最終的に電力消費モンスターの座に決定です。

「やっぱりエアコンが一番だったんだ!」

「いつも何気なく使っている家電を、こうして調べてみるだけでいろいろわかるんだね。おうちでできる自由研究もいいね」
夏休みの自由研究としてはもちろん、家族で取り組めば省エネのきっかけにもなります。この夏、「わが家の電気」をテーマに、親子で楽しく学んでみてください。
(掲載日:2025年8月5日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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