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誰もがコミュニケーションできる世界を目指して 手話学習アプリケーション「ゲームで学べる手話辞典」を提供開始

ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)は、2014年2月6日より手話学習アプリケーション「ゲームで学べる手話辞典」の提供を開始しました。「ゲームで学べる手話辞典」は、豊富な辞書機能とゲーム機能で、遊びながら分かりやすく手話を学べるアプリケーション(以下「アプリ」)です。本アプリは、実際の手話の動きを取り込んだアニメーションなどで学びやすい点が評価され、公益社団法人 東京都聴覚障害者総合支援機構 東京都聴覚障害者連盟から推薦を受けています。

きっかけは「社会に貢献するビジネスアイデアコンテスト」

「ゲームで学べる手話辞典」を企画・開発したのは、ソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 サービス企画部の禹 英哲と工藤 景司です。二人は「聴覚障がい者と聴者の隔たりの無い、優しい社会環境を構築したい」との共通の思いから、「社会に貢献するビジネスアイデアコンテスト」に応募しました。

「社会に貢献するビジネスアイデアコンテスト」は、前例のないCSR活動のモデル作りを目的に、ソフトバンクグループ社員から社会に貢献する新規ビジネスアイデアを募るものです。これまでに3回開催され、今春には第4回の開催を予定しています。

「ゲームで学べる手話辞典」は、国内に約8万人とも言われる手話使用者だけではなく、銀行や駅、お店の接客担当者、学校の先生など、日常生活において聴覚障がい者に接する機会のある方々に使ってもらいたいという考えの下、企画・提案されました。その結果、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念を掲げるソフトバンクグループらしいテーマ選定と、社会インフラとしての将来性が評価され、プロジェクト化案件として優秀賞に選出されました。その後、サービス化に向けて本格的な企画検討、開発を経て、今般の提供開始となりました。

「ゲームで学べる手話辞典」の特長は、主に3点あります。1点目は、実際の人の動きを取り込んだ3Dアニメーションによって、直感的に手話を学べることです。2点目は、主人公が見せる手話の手の動きの意味を回答し、魔法でモンスターを退治していくゲームを通じて、楽しく手話を学べることです。3点目としては、3,000語を超える豊富な収録単語数が挙げられます。

企画・開発担当者インタビュー

「ゲームで学べる手話辞典」を企画・開発した禹と工藤に、開発の経緯などについてインタビューしました。

プロジェクトを振り返ってみて、いかがでしたか。

工藤: プロジェクトスタート時点で、私たちには手話に関する詳しい知識がありませんでした。そこで、手話に詳しい方に協力していただく必要があると考え、まずは監修者探しに奔走しました。
禹: その結果、手話教室などを展開している、株式会社手話あいらんどの皆さまに監修してもらうことができ、本当に感謝しています。
工藤: 開発にあたっては、一つ一つの手話の動きや口の形、表情、解説文など、全てをチェックして細かい調整を行いましたので、監修者の要望に応えられるような手話の動きが再現できたと思います。
禹: 限られたスケジュールの中で開発を進めなければいけない状況で、全ての調整を行うことは思った以上に難しく、落としどころを見つけるのが大変でした。しかし苦労のかいがあり、手話の動きはもちろん、その他の部分にもこだわりを出せて、自信を持って世に出すことができました。
工藤: プロジェクトを進めていく過程で、聴覚障がい者の方や、手話通訳師など普段から聴覚障がい者に接しているたくさんの方々とお話をしたのですが、この企画のコンセプトに賛同してくださる方が多く、自分たちがやろうとしていることは意味があることなのだと実感することができました。

特にこだわった機能などがあれば教えてください。

(左から)禹、工藤

禹: 開発パートナーを含めて、いろいろな人から話を聞いたり、意見を出し合っているうちに考えついた機能もいくつかあります。例えば、カメラの視点がキャラクターの後方に回ると、自動的にキャラクターの体が透けて、手の動きを自分の視点から確認できる機能は、「アプリで手話を勉強するときにどんな機能がほしいか」という意見を聞いていたときに出てきたアイデアです。また、ゲームで答えられなかった手話を辞典で復習できるようにしたところも、自分で気に入っている点の一つです。
工藤: こだわった部分を挙げると切りがないのですが、一つ言えるのは、このアプリに触れることで、多くの方の手話に対する意識が変わるのではないかということです。一人でも多くの方にご利用いただき、手話への関心を持っていただければうれしいです。

今後の展望をお聞かせください。

工藤: 日本でも今年1月に、「手話は言語である」と定義した国連の「障害者権利条約」を批准しました。また、2020年にオリンピックおよびパラリンピックが東京で開催されることもあり、今後ますます手話に対する社会的関心は高まっていくと思います。このアプリが一つのきっかけになり、人々の手話に対する関心が向上するように手助けができればと考えています。
禹: 今回のアプリ開発で培ったノウハウや技術、資産は、社会インフラに生かせると考えています。まだまだ多くの課題はありますが、将来的にIT技術を活用して、われわれの思い描く理想である「聴覚障がい者と聴者の隔たりの無い、優しい社会」の構築につなげていきたいです。

ソフトバンクグループは、今後も「情報革命で人々を幸せに」の経営理念の下、人々の幸せの実現に向けて、誰もがコミュニケーションできる、優しい社会環境の構築に取り組んでまいります。

(掲載日:2014年2月18日)