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90歳の生徒も!?スマホで人生を豊かにする教室に大橋未歩が迫る

90歳の生徒も?!スマホで人生を豊かにする教室に大橋未歩が迫る 90歳の生徒も?!スマホで人生を豊かにする教室に大橋未歩が迫る

ネットショッピングやスマホ決済など、便利なサービスが普及し、今やデジタルは私たちの生活に欠かせないものになっています。一方で、特に高齢者はスマホなどのデジタルデバイスを持っていない、使いこなせない人も少なくなく、必要な情報へのアクセスができない「情報格差」が広がっていることが問題となっています。
自らも両親との情報格差に直面した大橋未歩さんが、その実態に迫ります。

PROFILE

  • 大橋 未歩
    OHASHI MIHO

    フリーアナウンサー

    1978年兵庫県生まれ。上智大学卒業後、2002年にテレビ東京に入社し、多くのレギュラー番組で活躍。2013年に脳梗塞を発症後、約8カ月の療養を経て復帰。15年間勤めたテレビ東京を退社し、2018年にフリーアナウンサーに転身。2023年アメリカ・ニューヨークに移住。日米を行き来しながら、テレビ、ラジオ、イベントなど幅広く活躍中。

高齢者にこそ、デジタルの恩恵を受けてほしい

高齢者にこそ、デジタルの恩恵を受けてほしい

社会がデジタル化していく中、高齢者がスマホを使えないなどの理由で情報を受け取れないことによる情報格差について、大橋さんはどのような問題意識を持たれていますか?

大橋

私たちの世代ではネットショッピングが当たり前になって、重いものやかさばるものはECで頼んで自宅まで届けてもらうことが一般的になってきたと思います。ただ、高齢者の方は、そういったデジタルの利便性を活用できていないと感じることもあって…。車の運転や足腰に不安がでてくる高齢者こそ、テクノロジーの恩恵を受ける必要があるのに、本当に必要な人たちに届いていないかもしれないことにもどかしさを感じます。

大橋さんは2023年にアメリカに移住されて、ご両親と離れて暮らしていらっしゃいます。ご両親がスマホやパソコンなどの操作に慣れていないことで困っていること、心配に感じることなどはありますか?

大橋

両親はスマホを持っていますが、あまり使いこなせていません。以前、入院に必要な保険の手続きがあり、ネット上でも行うことができたのですが、自分たちで申込書をダウンロードしたり、写真をアップロードしたりすることができず、手間取っていました。
遠隔でやり方を教えるのは難しいと感じたため、帰省したときに私が実際にやってみせたのですが、次回自分たちでできるかは分かりません。何度も使いながら直感的に覚えていくものなので難しいですよね。

もっと心配なのは地域ならではの問題です。70代の両親は、関西の実家でふたり暮らしをしているのですが、家から歩いていける距離にスーパーやコンビニがないため、車がないと日々の生活が成り立ちません。ネットスーパーやネットショッピングを提案してみたのですが、「物を実際に見てから買いたい」という意識が強く、どうしても抵抗感があるようでした。

目や足が不自由になってきた両親が、車を運転して買い物に行っている様子を見て、ネットが使えない・使わないことは命の安全にも関わるかもしれないと感じました。ただ、高齢者がネットを使うことへのハードルは私たちの想像以上にありそうなため、その不安を丁寧に払拭(ふっしょく)する作業が重要になってくると考えています。

「自分で操作できる」を後押し

ソフトバンクでは、スマホを使ったことがないお客さまやスマホに不慣れなお客さまが安心かつ快適に利用できるよう、全国のソフトバンクショップでスマホ教室を開催しています。
また、総務省デジタル活用支援推進事業への参画や自治体との取り組みなどを通して、「誰もが情報を得られる社会」の実現を目指しています。

ここからはスマホ教室や「スマホなんでもサポート号」による移動型スマホ教室などの取り組みを、担当社員も交えて、深掘りしていきます。

スマホによるデジタル活用の戦略や推進を担当

ソフトバンク株式会社 営業第一本部 戦略統括部 スマホAD推進部 部長

萬壽 克一(ばんじゅ かついち )

大橋

ソフトバンクは2015年から、他社ユーザも参加できる無料のスマホ教室を開催されていたんですね。全国のショップで開催されているのを知って、思わず実家周辺の教室を探してしまいました。両親にぜひ行ってほしいなと。

萬壽

2022年9月末現在、全国のソフトバンクショップに約1,200名のスマホアドバイザーが常駐しており、お客さまにスマホの便利さや楽しさを知っていただくことで、「自分で操作できること」を後押しする活動を行っています。

大橋さんのご両親のように、身近に気軽にスマホの操作について聞ける家族がいない方や、家族に何度も同じことを聞きづらいと感じられている方に、ご好評いただいてる取り組みです。

スマホアドバイザー

お客さまがスマホの利活用を始める前後をしっかりサポートしていくことを目指し2015年に設立。全国のソフトバンクショップや自治体などの施設で各種教室を開催。スマホを使った写真の撮り方やメールなどの基本的な機能から、SNSや出前アプリ、災害への備えなど、幅広い使い方を無料で学べる。

大橋

スマホ特有の直感的な操作を、高齢者の方に覚えてもらうのは、なかなか大変なことだと思います。スマホ教室ではどのように工夫されているのでしょうか?

萬壽

“タップ” や “スワイプ” などの横文字は使わずに、例えば、「赤ちゃんのほっぺを軽くちょんと触るように触ってください」などと伝えています。スマホアドバイザーは、そのような誰にでもわかりやすい説明ができるように、トレーニングを受けています。具体的には、2週間の座学を行った後に、ソフトバンクショップでの研修、さらには400ほどのスマホ操作指導に関するチェック事項で、合格点を修めた者だけが独り立ちできるようになっています。

大橋

徹底的に訓練された方にスマホを教えていただけるんですね! しかも、最近はソフトバンクショップだけではなく、さまざまな場所で開催されているとお聞きしました。

萬壽

はい。当初は、ショップに来店いただいたお客さまに提供していたのですが、ショップでスマホ教室を実施していることを知らないお客さまも多くいらっしゃいます。
そのため、官公庁や自治体・企業と連携し開催するスマホセミナー、交通機関の不便な地域で車両が出向いて開催している移動型スマホ教室も開催しています。

いずれも、ソフトバンクのスマホをご利用中の方はもちろん、スマホを持っていない方、他社のスマホを契約中の方など、どなたでも無料で参加可能です。
電話やメールなど基本的な使い方や、ネットショッピング、さらにデジタル活用支援事業のマイナポータルの利用方法などの講座は、ショップだけでなく自治体施設や移動型スマホ教室でも受けることができます。

総務省公募「デジタル活用支援事業」

マイナンバーカードやマイナポータル、e-Tax(イータックス)、オンライン診療の利用方法などを学べるスマホ教室。総務省の「利用者向けデジタル活用支援推進事業」の一環として、ソフトバンクが実施。

総務省デジタル活用支援講座

移動型スマホ教室「スマホなんでもサポート号(スマサポ号)」

移動型スマホ教室の開催や、スマホの利用料金に関する相談や情報変更などの手続きを受け付けるための車両。2022年4月中旬から、群馬県富岡市など全国10地域で順次運用を開始

車内でスマホ教室!? 「スマホなんでもサポート号」で地域のデジタルデバイド解消へ

大橋

これらの事業は、これまでにどのような成果を上げられているのでしょうか?

萬壽

スマホ教室は2022年度までにのべ360万人、スマサポ号においては運用から1年半で約1.6万人のお客さまにご利用いただいています。デジタル活用支援事業では、マイナンバーカードの発行や設定サポートだけでなく、自分に適用される助成金が分かるなどの、具体的な利便性について理解が深まったというご意見をいただいています。

目的は、スマホを売ることではなく価値を伝えること

大橋

お話を伺って特に気になったのが「スマホなんでもサポート号(スマサポ号)」です。両親を見ていると、自分たちの普段の生活圏外に赴くこと自体のハードルが高くなってきていると感じます。交通が不便な地域に住む高齢者の方にとっても、ソフトバンクの方が巡回に来てくれるのはありがたいですね。

萬壽

まさにそのような方々に、気軽にスマホに触れていただきたいという思いで立ち上げた取り組みです。スマホを持っていない人にとっては、ショップに行くこともハードルが高いと感じられるかもしれませんが、身近な場所であれば、入っていきやすいですよね。
取り組みに関しては、喜びの声をお手紙でいただいたり、現場で心温まるご感想をいただいたりすることも多く、励みになっています。

萬壽

例えば、街まで車で1時間を超える山間部にお住まいの90代のご参加者さまは、以前はスマホを電話としてのみ使用されていたそうです。それがスマホ教室を受講することで、音声検索などをたくさん使うようになり、最終日にはスマホで飼育方法を学んだカタツムリの入った虫かごを持参してくれたんです。

大橋

そうやって、スマホが生活を豊かにしてくれることを実感できると、モチベーションが高まりますよね。私の父も、ゴルフの打ち方をネットで調べてゴルフに行く回数が増えましたし、母は飼っているペットを撮影したYouTube動画で仲間と交流しています。デジタルは、自分の世界をポジティブに広げてくれるものだと感じます。

大橋

ここに至るまでに大変なご苦労があったのではないでしょうか。

萬壽

スマホに興味がある高齢者の方は多いのですが、実際にスマホ教室参加へと一歩踏み出していただくまでには時間がかかるものです。そのため地域の広報誌などでの告知だけでなく、住民の集まりなどで説明会をする時間をいただくなど、地道な周知活動を継続することで、少しずつ安心して参加いただけるようになってきました。

萬壽

スマホ教室の運営において、特に “安心感” は大切にしています。例えば、ソフトバンクのスマホアドバイザーは、ショップの販売員のような「販売に関する契約行為はできない」ことになっているんです。スマホを売るために教える、ということではないんです。

大橋

確かに、教室に参加したらスマホを契約しなければいけないんじゃないか、と心配される方も少なくないですよね。そのうえで、他社キャリアの利用者も無料で参加できるようになさっているなんて驚きです。

萬壽

もちろん私たちにも、ソフトバンクをより多くの人に知っていただきたいという思いはあります。でも何より通信会社として、スマホの普及を通じて、多くの人々に便利で豊かな生活を送ってほしいという使命感もあります。

大橋さんにお尋ねしたいのですが、私たちの取り組みをもっと多くの人に体験してもらうためにはどのようなことが必要だと思われますか? 他にもご要望もあればお聞きしたいです。

大橋

今のシニア世代は、コミュニティに所属したいという欲求は少なくないように感じます。趣味や地域のコミュニティに、スマホ教室が接点を持っていただけると、参加へのハードルが下がるかもしれません。また、ネットはとても便利なものですが、情報の質が玉石混合でもあります。ネットリテラシーを学ぶ講座も、高齢者向けに開いてくださると子どもとしては心強いです。

萬壽

なるほど、コミュニティとネットリテラシーですね。特に、リテラシー教育については高齢者向けに特化した講座はなかったため、早速強化していきたいと思います。

大橋

ぜひよろしくお願いします。ネットは正しく使えば、ポジティブな変化をもたらしてくれるものだと思います。多くの人がその恩恵を受けられるように、頑張ってください。私も両親に受講を勧めたいと思います!