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純利益、投資損益が改善。将来的な成長拡大のためのAI投資に取り組む -ソフトバンクグループ株式会社 2024年3月期 決算説明会レポート

2024年5月13日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)の2024年3月期 決算説明会が開催され、取締役 専務執行役員 CFO 後藤芳光が連結業績と今後の方針について説明しました。

冒頭、2023年度を振り返り「一番大きなイベントはやはりアームのIPO。2024年3月末時点で株価は約125ドル(公開価格比2.5倍)に成長。過去最高水準の28兆円弱となったNet Asset Value(NAV)に、アームが一番大きく貢献した。今後も大胆に成長を続けていきたい。ダイナミックな変化をしているが、変わっていくことが最大のリスクヘッジ」とコメント。また、アームについて、SBGによる買収前の2015年度と2023年度のロイヤルティー収入、売上高、人員数を比較して、「大きな成長を遂げている」と説明しました。

アーム株価

NAV推移

連結業績について「売上高は6兆7,500億円となり、純利益は2022年度に対し7,400億円の増益と、大変順調に成長した1年。順調さは四半期推移でみると分かりやすく、1月から3月の純利益は2,300億円となり、直近2四半期連続で黒字。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)事業の投資損益が、昨年のマイナス5兆3,000億円からマイナス1,600億円まで大きく改善した」と説明しました。

重要指標

重要指標

続いて後藤は重要指標について、NAVが昨年から倍増して過去最高水準となったこと、経営の安全性の指標となるLoan to Value(以下「LTV」)が8.4%と、資産価値の増加などにより史上最低レベルにあること、そして手元流動性は高水準を維持していることを説明し、「これからも財務規律をしっかりと維持していくことで安全性と成長性の両面を実現していく」と述べました。「保有資産の構成は、アームが47%まで成長し、SVFも29%まで大きく増加。(2020年3月末と比較して)この変化は、AIシフトそのものを実現するためで、アームはソフトバンクグループのAIシフトの中核でもあります。AIを活用する企業群、アームとSBGが長く保有するアセット、SVFで種まきをした投資先などが新しい生態系を作っていくような企業戦略をとっていきたい」と話しました。

AIシフト

そして、2023年度の投資活動について、「SBGから戦略的な投資を行ったほか、SVFを通じた投資も少しずつ実行し、合計39億ドルの投資を実行した。また、戦略投資として2024年3月末時点でコミットしている金額が50億ドルある。つまり2023年度は90億ドル程度の投資案件と向き合ってきた」と2022年度と比較して、攻めのスタンスを実現してきたと説明しました。

投資スタンス

最後に2024年度の財務戦略について、「堅持しているポリシーは3点。絶対変えません。投資会社の投資戦略は経営戦略でもある。経営戦略とシンクロした財務運営をするのが、われわれの財務理念。あらゆる環境変化に対して柔軟に対応していきたい。株主還元と財務改善、両方がそれぞれのステークホルダーにとって重要なテーマ。その最適なバランスを追求していきたい。安全性を維持しながら、攻めに回す部分は回していくことが経営として重要」とコメント。

財務指標

「ステークホルダーにとって、SBGの最も重要な価値は、投資会社として将来のNAVを拡大していくこと。そのための成長投資をどのように実現するか、しっかりと取り組んでいきたい」と説明会を締めくくりました。

2024年3月期 決算説明会

免責事項

(掲載日:2024年5月10日、更新日:2024年5月17日)
文:ソフトバンクニュース編集部