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2021年6月21日から1,000名以上を対象とした企業・大学の職域接種が始まりました。ワクチン接種の加速による経済活動の活性化を期待する一方で、ワクチン普及後の企業のあり方に悩む経営者も少なくないでしょう。その理由の一つがテレワークです。
結論からいうとワクチン普及後もテレワークは必要で、テレワークを継続あるいは新たに導入することで企業にさまざまなメリットが生まれます。本稿ではそのメリットを紹介します。
まずはじめにテレワークの実施率を見てみます。パーソル総合研究所が2021年1月に発表した「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、2020年11月時点におけるテレワーク実施率は全体で24.7%。従業員100人未満の企業ではわずか13.1%となっておりテレワークはさほど普及していなかったと言えます。
図表1:テレワーク実施率(全国平均)の推移
出典:パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
図表2:企業規模別(従業員数別)のテレワーク実施率
出典:パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
さらに、ワクチン普及前後のテレワーク継続意向を見ると、全従業員もしくは一部従業員にテレワークを推進する予定と答えた企業は、ワクチン普及前が35.6%なのに対しワクチン普及後は25.5%と約10%も減少しています。ワクチン普及後にテレワークをやめる企業が増えると予想され、従業員100人未満の企業でテレワークを実施する企業はますます減少していくと言えるでしょう。
図表3:ワクチン普及前後の企業のテレワーク継続意向
出典:パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
一方で、国土交通省の「令和2年度 テレワーク人口実態調査」によると、テレワークを経験した従業員の64.3%がテレワークに満足しており、81.5%がテレワークを引き続き実施したいと回答しています。その理由として多かったのが「通勤が不要、または、通勤の負担が軽減された」73.8%、「時間の融通が利くので、時間を有効に使えた」59.4%、「新型コロナウイルスに感染する可能性がある中で出勤しなくても業務を行えた」43.3%となっており、コロナ禍に関係なく、通勤の負担軽減や時間の有効活用などが評価されていることが分かります。
図表4:テレワークの満足度と実施意向
出典:国土交通省「令和2年度 テレワーク人口実態調査」
図表5:テレワークを実施してよかった点(雇用型テレワーカー全体)
出典:国土交通省「令和2年度 テレワーク人口実態調査」
その結果、企業と従業員間でテレワークに対する意向の乖離(かいり)が起きており、従業員の中には、テレワークを継続しない場合は会社を辞めるという声まであがっているといいます。そういった人が転職する際は、テレワークの有無を判断基準にすることも容易に想像できますので、テレワークを継続しないことで離職者の増加と人材確保の困難な状況を招くことになりかねません。逆を言えば、テレワークを継続、もしくは新たに導入することで離職率の低下と優秀な人材の確保に繋がりやすくなるとも言えます。
それではあらためて企業側のメリットを考えてみましょう。ここでは3つのメリットを紹介します。
出社人数を減らしオフィスの規模を小さくすることで賃料を下げたり、オンライン会議ツールを利用することで移動時間と交通費を削減したりできます。
オンライン会議ツールを使用することで、全国の新規顧客にアプローチできるようになります。
採用活動の範囲も全国に広げることができるので、離れた場所に住む優秀な人材を採用することが可能となります。
テレワーク実施のメリットはその他にもBCPや社内会議の効率化などがあります。
それらについてはホワイトペーパー「中堅・中小企業 経営者向け 今後も続けたくなる テレワークの7つのメリット」で解説しています。興味がありましたらぜひダウンロードしてください。
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにテレワークを導入した企業が、ワクチン普及によりテレワークを廃止しようとする動きがある中、「週2日出社、残り3日をテレワーク」といったハイブリッド型テレワークに切り替える企業も増えつつあります。それこそが、コロナ対策以外の観点でテレワークを評価し今後も継続を求める従業員の意向を反映した新しい企業の在り方かもしれません。
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