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これまでの配信では、BtoBマーケティングの3機能「戦略」「制作」「配信」について簡単に紹介し、戦略チームのメンバーや制作チームのメンバーをを交えてBtoBマーケティングを語ってきました。
今回は、メールマーケティングや広告などの配信を行うチームのマネージャーをゲストに迎えました。レギュラーメンバーの早川さん、竹之内さんは、普段メールマーケティングを主な業務として取り組んでいます。メールマーケティングのマネージャーとメンバーで、普段何を考えながらメールマーケティングを行っているのかお話していきます。
山田 泰志
長年BtoBマーケティングを専門とし、ソフトバンクのBtoBマーケティングの戦略から実行まで広く行う役割を担う。世界レベルのBtoBマーケティングの仕組みや実践を知る専門家。
早川 真理奈
BtoBマーケティング経験は3年目。現在はソフトバンクで主にマーケティングオートメーション(Marketo)を使ったメールマーケティング活動を行う。
竹之内 彩歌
2021年に、全く違う職業からBtoBマーケターに転身。日々BtoBマーケティングを学習中。現在は、早川さんと同じくソフトバンクでメールマーケティングを主たる業務として行う。
コンテンツをお届けする配信チームでは、主にメールマーケティングとGoogle広告などのオンライン広告を担当しています。1人のお客さまに対して複数のチャネルで接点を設けることで、お客さまが情報を欲しいと思ったタイミングで適切なコンテンツをお届けすることを意識しています。
そしてお届けする内容は、お客さまの興味関心に沿ったメッセージングになるよう、戦略チームが作成しているペルソナを軸に作成からレビューまでを行っています。一貫して特定のお客さまを想定して作成することで、対象となるお客さまに正しく伝わる内容になります。
また、タイムリーな変更がしやすいメールという媒体だからこそ、日々のニュースやトレンドを踏まえたワードチョイスも重要視しています。毎日大量に届くメールの中から自社のメールを見つけていただくには、お客さまの意識が向いている方向を捉えた件名や内容であることが必要です。
皆さんは、お客さまにお届けするメールを作成する際に何を意識しているでしょうか。前述の通り、お客さま目線な内容であることは興味を持っていただくために重要ですが、「お客さまに役に立つ情報をお送りする」ことを目的にすると、本来の目的を見失いがちです。
メールマーケティングの目的とは、「お客さまが次の行動を起こす」ことです。つまり、メールを送ることでお客さまにどのような行動を起こしていただきたいのかを反映したメールコンテンツであることが最重要ポイントです。具体的には、ドキュメントのダウンロードやウェビナーへのお申し込みを目的にしているメールが多くあります。
このような行動を起こしていただくための手段としてさまざまなライティングの技法やコツがありますが、ソフトバンクのメールマーケティングチームでは、緊急性・有益性・具体性・独自性という4つの軸を件名や内容を評価するポイントの1つとしています。
ソフトバンクでは、自分たちのメールライティング力を向上させるためにいくつかの取り組みをしています。今回はそのうち2つの取り組みをご紹介します。
①他社の配信メールを見る
毎朝メールマーケティングチームで集まり、他社が配信しているメールを共有する機会を設けています。共有する際にチェックしているポイントとしては、前述の4つの軸(緊急性・有益性・具体性・独自性)や、その件名や内容でクリックしたいと思えるか否か、などです。
竹之内さん:毎朝共有会をするようになってから、本で学んだことをさらに具体的かつ真剣に自分の業務に活かせるようになりました。他社のメールに対する他のメンバーの意見を聞くことで、自分のメールも客観的な視点を持てるようになったと感じています。
②共通の課題図書を読む
第2回配信でお話ししたようにソフトバンクのマーケティングでは本を読むことが推奨されています。そして、チームの中では全員が共通の本を読むことで共通理解の基礎を作り、より深い話ができるような体制作りをしています。特にライティングの基礎を作るために2つの本を共通課題図書としており、自身で文章を書くときはもちろん、レビュー時にも課題図書を基に行っています。
ビジネスにおける文章を書くためには、センスではなく技術が必要です。例えば、正しく伝わる語順や助詞の選び方にはルールがあり、それを守ることで誤解のない文章を書くことができます。文章自体のレベルが上がれば内容の検討に費やせる時間が増え、メール全体のレベルアップに繋がるため、一番最初の取り組みとしておすすめです。
〈メールマーケティングチームの課題図書2冊〉
中学生からの作文技術(本多勝一、朝日新聞社)
才能に頼らない文章術(上野郁江、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
マーケティングチーム内でさまざまな情報共有やディスカッションを行っている組織は一定数ありますが、その成果を感じられていない組織も多いのではないでしょうか。マーケティングにおいては、基礎となるマーケティングの理解が揃っていることが有益な議論を行うための条件です。共通の知識や理解がない状態で議論を行うと、話の軸がぶれてしまったり発言者の主観に左右されたりして本質の議論とはずれてしまうことがあるため、ディスカッションを行う前に前提となる知識や理解の統一が図れているか確認しましょう。
ここでもう1つ注意したいのが、マーケティング話の耳障りの良さです。マーケティングらしい雰囲気や聞こえのいい「お客さま視点だ」「オーディエンス・セントリック(audience centric)なコンテンツだ」といった言葉だけで、それらしい議論が成立してしまうのです。しかし、マーケティング活動はお客さまに次の行動を起こしていただくことが最重要目的です。
山田さん:メールであればお客さまにクリックしていただくことを考えなければならないのに、ついつい耳障りの良い話だけで終わってしまう、という落とし穴があります。
住谷さん:とてもわかります。耳障りの良い話で自己満足してしまうんですよね。自分で出来ているなと思い始めたときが、落とし穴にはまりかけているサインだと思います。
メールコンテンツの良し悪しを判断する際に陥りがちな落とし穴は、一番の目的であるお客さまにクリックしていただくには何をすべきか、という観点が抜けてしまうことです。メールマーケティングはクリック率がはっきり計測できてお客さまからの反応がわかりやすい手法です。まずは、クリックしていただくために何をすべきか、というポイントを追求していきましょう。
次回は、BtoBマーケティングにおけるWebマーケティングをテーマにお話しします。
また次回木曜日にお会いしましょう!
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