Oh! B2Bマーケティング 第9回レポート
内製で行うコンテンツマーケティング

2022年10月14日掲載

SoftBankのBtoBマーケティング担当者が語る「Oh! B2Bマーケティング」

前々回の配信では、BtoBマーケティングの3機能「戦略」「制作」「配信」について簡単に紹介し、前回の配信では戦略チームのメンバーを交えてBtoBマーケティングの戦略についてお話ししました。

今回は、BtoBマーケティングにおけるコンテンツマーケティングについて、制作チームのメンバーを交えて語っていきます。

目次

第9回出演者紹介

ソフトバンク 野邊慎吏
山田泰志

山田 泰志

長年BtoBマーケティングを専門とし、ソフトバンクのBtoBマーケティングの戦略から実行まで広く行う役割を担う。世界レベルのBtoBマーケティングの仕組みや実践を知る専門家。

早川 真理奈

BtoBマーケティング経験は3年目。現在はソフトバンクで主にマーケティングオートメーション(Marketo)を使ったメールマーケティング活動を行う。

竹之内 彩歌

2021年に、全く違う職業からBtoBマーケターに転身。日々BtoBマーケティングを学習中。現在は、早川さんと同じくソフトバンクでメールマーケティングを主たる業務として行う。

 

コンテンツ制作とコンテンツマーケティングの違い

コンテンツ制作、と聞くと、単にドキュメントを制作することだけをイメージする方も多いと思います。しかしソフトバンクの制作チームは単なるコンテンツ制作に留まらず、読んでいただいたお客さまの購買フェーズを前進させていくことを大事にしています。この「購買フェーズを前進させる」ことこそがコンテンツマーケティングです。

例えば、漠然と課題を感じている方には、さまざまな調査結果や法改正のポイントをご紹介することで課題が明確になる内容にしたり、よりフェーズが進んで課題がはっきりしているお客さまには、ソリューション選定時のポイントやユースケースなどをご紹介することで具体的な活用シーンをイメージしやすい内容にしたりしています。

また、読んでいただきたいお客さまにあわせて、内容はもちろん掲載する媒体も変えています。購買フェーズの初期段階のお客さまに向けたコンテンツであればWeb上で気軽に読めるブログ形式のコンテンツを制作したり、反対にじっくり検討していただくための材料としてコンテンツを制作する場合はPDF等手元に保管できる形式を選びます。

コンテンツの形式は購買フェーズだけで決まるものではなく、例えば役職別に経営層向けであれば高級感のある紙媒体の冊子を選択したり、映像の方が伝わりやすい内容であれば動画やウェビナーにするなど、最適な媒体を選択しています。

コンテンツ制作の流れ

1つのコンテンツを作り上げるには、準備、制作、公開という3つの段階に沿って進めています。準備段階では、制作と同程度の力をかけて戦略に沿ったアウトライン設計や執筆のための情報収集を行います。コンテンツの材料となる情報は、官公庁のレポートや弁護士やベンダなど専門家への取材、そしてお客さまへの取材も行いながら収集しています。

そして、制作段階で最も重要視しているのが、マーケティング関係者全員で行うコンテンツレビューです。ソフトバンクではこれを編集会議と呼んでいます。事前に考えていた戦略とマッチしているか、お客さまに伝わりやすい内容になっているかなど、マーケティング戦略とコンテンツが乖離することを防ぐ役割を担っています。後工程にあたる配信チームも編集会議に参加して直接コンテンツに関わることができるため、配信時のミスマッチが起きにくいこともよいポイントです。

竹之内さん:コンテンツが完成してから配信チームが関わるのではなく、完成する前に配信側の意見も取り入れていただく機会があることが非常に助かっています。

コンテンツマーケティングとマーケティング戦略

ソフトバンクのマーケティング戦略担当者が、制作担当者や配信担当者向けにペルソナや伝えるべきメッセージを定めている、ということを第8回配信で紹介しました。コンテンツマーケティングにおいて、ペルソナとメッセージは「ドキュメントの設計図」といえます。

お客さまの疑問点はそのコンテンツで解決すべきポイントに、伝えるべきメッセージはタイトルや見出しに反映します。このように戦略チームが作成したお客さま像は、戦略に沿ったコンテンツを作るための重要な材料として活用されています。

また、制作チームは取材等でお客さまと接する機会も多いため、実際に伺ったお話をペルソナやメッセージに反映するなど、双方向でお客さまに響くメッセージやコンテンツを作り上げています。

コンテンツマーケティングと戦略

内製でコンテンツマーケティングを行うコツ

コンテンツ制作は外部の協力会社に委託する企業が多い中、ソフトバンクでは全て内製で制作を行っています。内製化することによりマーケティング担当者がお客さまの声を直接聞く機会も増え、マーケティング活動で活用できる情報の量も増えます。

しかし、事例制作以外で実際にお客さまの実情をヒアリングしてコンテンツを制作するマーケターはかなり少ないのが現状です。野邊さんも当初はお客さまに電話をしたりドキュメントを読んだお客さまにお話を伺うことに抵抗があったと言います。

野邊さん:お客さまとのお話の中で予想外の反応や気づきを得られることが多く、当初は電話をかけるほうが怖かったのですが、今ではお客さまの反応がわからないことのほうが怖いと思うようになりました。

内製でコンテンツマーケティングを進めるためには、制作のスキルアップも欠かせません。

ソフトバンクの制作チームでは、表現力強化の一貫として他社コンテンツの調査に注力しています。競合他社や自社で扱う商材に関するものだけではなく、別業種のテレビCMや電車の中吊り広告などもチーム内で共有し、よい表現や真似すべきでない表現について議論しています。また書店に並んでいる経済紙から昨今のビジネストレンドをつかんだりもしています。

本などで身に着けられるスキルもありますが、他社コンテンツなど生の情報に触れることで、より実践的なスキルに繋がっているのではないでしょうか。

 

次回は、BtoBマーケティングにおける配信機能、特にメールマーケティングをテーマにお話しします。

また次回木曜日にお会いしましょう!

Oh! BtoBマーケティング
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