Oh! B2Bマーケティング 第16回レポート
Web分析の考え方

2022年12月15日掲載

SoftBankのBtoBマーケティング担当者が語る「Oh! B2Bマーケティング」

前回は、メール結果を例にして数字の見方を解説しました。今回はその続編として、WebサイトやWebページにおける数字の見方や改善アクションについて、Web分析の考え方を山田さんにお聞きしていきます。

目次

第16回出演者紹介

山田泰志

山田 泰志

長年BtoBマーケティングを専門とし、ソフトバンクのBtoBマーケティングの戦略から実行まで広く行う役割を担う。世界レベルのBtoBマーケティングの仕組みや実践を知る専門家。

ソフトバンク 竹之内彩歌

竹之内 彩歌

2021年に、全く違う職業からBtoBマーケターに転身。日々BtoBマーケティングを学習中。現在は、早川さんと同じくソフトバンクでメールマーケティングを主たる業務として行う。

 

機能的なWebとは?

ひと昔前、B2Bの事業をしている企業のWebサイトはただ情報を掲載しているだけのものが多く、あまり機能的なWebサイトとは言えませんでした。しかし、現在ではきちんと作りこまれた機能的なBtoBのWebサイトも増えてきています。コロナ禍に入ったこともあり、オンラインでの接点を強化する動きが高まって強化した企業も多いのではないでしょうか。

山田さん:機能的なWebと言われて、どのようなイメージがありますか?

竹之内さん:お客さまが情報を知りたいタイミングで存在していて、そのWebページを読んだことで次のアクションをしようと思えるページは機能的だと言えると思います。

これはまだ取引がないお客さまとのコミュニケーションの場合ですが、この他にも既に取引がある企業の方がWebを訪問する場合にはまた違ったポイントが存在します。例えば、既に製品を使っているお客さまであればメーカーのWebページに掲載されているマニュアルを目的にWebを訪問することがありますが、そのような機能を定めて設計していなければお客さまがWeb上でマニュアルを探すことが非常に困難になる場合が考えられます。

Web制作をする際に重要かつ抜けがちなポイントは、まずそのページにどのような機能を持たせるのかを定めた上で制作に取り掛かる、という点です。ページが持つべき機能を決めずに制作を始めると、ただ情報が羅列されているWebページになってしまう危険性が増してしまいます。Webはメールに比べてより一層ページが持つ機能が多様なため、何の数字を見るべきかを考える前に該当するWebページが持っている機能を明確にすることが第一歩です。まずはこのポイントを押さえましょう。

Web分析の考え方

今回は、いろいろな種類のWebページがある中でもブログページを例に数値の見方を考えていきます。基本的に、Webのパフォーマンスは1週間ごとに指標となる数字を追っていきます。Web制作や数値の分析を行う担当者は、Google AnalyticsなどのWeb分析ツールを利用してパフォーマンスを確認しています。こういったツールは便利な反面、さまざまな数字が自動的に表示されるため、どの数字を確認するべきなのか迷ってしまうことも多々あります。だからこそ、ページの機能を明確に定めた上で、目的に沿う指標の数値を選び取ることが必要なのです。また、選び取るためには分析ツールで確認できる指標の意味を理解しておくことも求められます。指標の意味を理解することで、次に取るべきアクションが明確になり、ページの改善につながるのです。

まず、このブログ記事は資料をダウンロードしていただくことを目的にしているという前提で考えていきましょう。このページは、記事のタイトルに続いて本文、そして末尾に資料ダウンロード、という構成となっています。このページのCVR(Conversion Rate)を改善するにはどうしたら良いでしょうか?

竹之内さん:記事の途中にも資料ダウンロードのボタンを増やすと、記事の途中で気になった方がすぐに資料ダウンロードにたどり着いていただけると思います。

山田さん:なるほど。資料ダウンロードをしてもらうだけが目的であれば、ページの先頭にボタンを置く、という手段が適切です。

ただし、もちろん目的が違えば取るべきアクションは異なります。例えば、ブログを読んでもらうことを目的にするのであれば違ったアクションが適切になるでしょう。このような目的に応じたアクションの引き出しを増やすことが、Webに携わるマーケターとしては必要です。

現在の日本企業におけるBtoBのマーケティング組織は未だ小規模なことが多く、ひとりマーケターも珍しくありません。いろいろな業務のうちの1つとしてWeb業務を担当しているなど、Webの数字の見方がいまいちわかっていない、という方は、まず基本となる指標の意味を説明できるようにすると良いでしょう。そして、そこから各指標を改善するためのアクションをつなげて理解できるように知識を深めていきましょう。

SEOで検索順位を上げるには?

Webマーケティング業務を行うときに必ず出てくる話題の1つに、「SEO対策」があります。SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンに自分たちのページを評価してもらうためのページの最適化を行う、という施策です。検索エンジンからのページ評価が高ければ、該当するキーワードの検索結果に表示される順位が高くなり、自然と流入量が増える、という仕組みです。いくら最適な形でCTA(Call To Action:行動喚起)ボタンを適切に設置しても、まずページの訪問数が増えなければお客さまとのコミュニケーション量は少ない状態のままになってしまいます。そのため、SEO対策は多くの企業でWeb施策の1つとして取り組まれているのです。

ひと昔前と比べて、現在の検索エンジンの性能は飛躍的に向上しており、人間がページ内容を理解するのと近い形で検索エンジンもページを理解・評価できるようになってきています。そのため、細かなテクニックを重視して対策を考えるよりも、対策するキーワードが検索される背景とユーザの意図を汲み取って、その検索意図に沿うページコンテンツを作成することが非常に重要です。

また、検索エンジンが理解しやすいHTMLを書くことも重要な要素です。プロブラム言語の1つであるHTMLには明確な書き方のルールがあります。例えば<h1>タグを乱用したり、<h3>タグの下の階層に<h2>タグがあるなど、検索エンジンが誤って理解してしまうようなタグの使い方をしない、などの基本ルールを押さえた記述を行いましょう。その上で、上記のような内容面にも気を配ることで、堅実に検索順位を上げていくことが可能となります。

Oh! BtoBマーケティング
BtoBマーケターのためのオンライン番組

BtoBマーケティングを実践的に深く取り組みたい人が集まり、BtoBマーケティングを探求する仲間が増えることを目指したオンライン番組。
YouTubeで配信中です。

BtoBマーケターの皆様、LinkedInでつながりませんか?

BtoBマーケター同士のつながりを深めるべく、LinkedInを始めました。今後本番組の案内やBtoBマーケティングに関する情報を発信していきます。ぜひ「Oh!B2Bマーケティングから来ました」とつながり申請をお願いします。

おすすめの記事

条件に該当するページがございません