Oh! B2Bマーケティング 第21回レポート
マーケティングとデザイン

2023年2月7日掲載

SoftBankのBtoBマーケティング担当者が語る「Oh! B2Bマーケティング」

今回は、マーケティングと深い関係にあるデザインについて、メンバーと一緒に考えていきます。

目次

第21回出演者紹介

山田泰志

山田 泰志

長年BtoBマーケティングを専門とし、ソフトバンクのBtoBマーケティングの戦略から実行まで広く行う役割を担う。世界レベルのBtoBマーケティングの仕組みや実践を知る専門家。

早川 真理奈

早川 真理奈

BtoBマーケティング経験は3年目。現在はソフトバンクで主にマーケティングオートメーション(Marketo)を使ったメールマーケティング活動を行う。

ソフトバンク 竹之内彩歌

竹之内 彩歌

2021年に、全く違う職業からBtoBマーケターに転身。日々BtoBマーケティングを学習中。現在は、早川さんと同じくソフトバンクでメールマーケティングを主たる業務として行う。

 

マーケターとデザイン

まず、今回扱う「デザイン」の定義から考えていきます。デザインという言葉は非常に広い意味をもちます。「デザイン」という言葉の本質的な意味は、ある目的のために情報やモノコトの構造を設計し、表現していくことです。つまり、見た目を設計していくグラフィカルな部分を指すこともあれば、より大きな枠組みで情報やモノの配置を考えることを指すこともあります。

今回は、前者にあたるグラフィカルなデザインについてお話をしていきます。

早川さん:私たちマーケターは、メールコンテンツやドキュメントコンテンツ、Webコンテンツなど、日頃いろいろなコンテンツを制作しています。その上で、どういった場面でデザインの知識が必要なのでしょうか?

マーケターは日々さまざまなコンテンツを制作しています。その中で、画像などのクリエイティブを制作する際には外部のデザイナーや協力会社にデザインを依頼することが多いのではないでしょうか?また、Webの制作を行う際も協力会社にデザインを委託している企業が大半かと思います。私たちマーケターはデザイナーではありません。したがって、全てのマーケターが上記のような画像クリエイティブの制作やWebページのデザインをできる必要はありません。

しかし、マーケターにはデザインの知識は必須です。それはなぜなのでしょうか。例えば、皆さんは次のような場面に遭遇したことはありませんか?

A社では、オンライン広告で利用する画像の制作を協力会社Bに依頼し、後日B社から3つのデザイン案が提出されました。1つ目は丸い雰囲気のデザイン、2つ目は四角い雰囲気のデザイン、3つ目は三角が基調のデザインです。

担当者 (20代):(なんとなく)私は丸い雰囲気が好きですね。

上司 (40代):僕は四角い雰囲気が好みだなあ。今回のターゲットは40代が多いから、今回は四角にしましょう。

このように好みやセンスによる意思決定がなされてしまう場面は、少なからず経験のある方は多いと思います。デザインの知識を基にデザイン案の取捨選択ができれば、「なんとなく」「雰囲気」で決める意思決定から卒業することができます。

 

デザインはセンスではない

早川さん:デザインはセンスではないとしたら、何なのでしょうか?

山田さん:デザインはセンスではなくて、技術です。

デザインが技術で成り立っているということは、デザインの技術をもっている人が3人いたら3人とも同じデザインを選ぶ再現性があるということです。また、論理的には1つの狙いに対して一番良いデザインも1つに定まります。なぜなら、目的に対してそのデザインがどういった理由でそのように作られているのか、説明が可能だからです。

こういったデザインの技術を学ぶには、まずは書店に並んでいるデザインの入門書を手に取ってみましょう。そこには、例えば文字の大きさの意味やボタンを置く位置の意味が説明されています。こうした基礎知識に触れて、技術のベースが確立されていることを理解しましょう。その上で、実際に自分たちが取り組むクリエイティブや各種コンテンツには、どんな技術が使われているかを見つけ、それが目的に沿っているかを判断すると、再現性のある意思決定ができるようになるでしょう。

マーケターはどこまでデザインをわかっていれば良い?

デザイナーという職種はマーケティングの中の1つの役割として存在していますが、一般的なマーケターはデザイナーとは違う役割を担っています。デザイナーではないマーケティング担当者としては、デザインについてどこまで知識を深めればよいのでしょうか?

まず、マーケターはデザインを自分で制作できる必要はありません。画像を一からデザインするのは、デザイナーの専門領域です。ただ、アウトプットされてきたデザインを見たときに、狙いや目的に対してどのようなデザインの技術が用いられて設計されているのか、という理解ができる程度までは勉強を進めましょう。また、委託をしたデザイナーの質を見抜くために、あえてアウトプットに対して「どうしてこのデザインなのか?」という質問をしてみるのも1つのやり方です。

その程度の知識や理解があれば、簡単なデザインであれば自分でこなせるようになってきます。例えば、ある程度型が決まっているメールテンプレートやバナー広告であれば、基本的な技術を用いて改良が可能です。こうした改善の判断をするにもベースとなる知識があることで迷う時間が減って業務効率も上がります。

早川さん:これから初めてデザインを勉強するマーケター向けに、おススメの本はありますか?

山田さん:初学者向けの本に書いてあるようなデザインの基本は、どの本でも大きく内容が変わることはありません。ですので、大きめの書店に並んでいる初学者向けのデザイン本の中から、自分が読めそうなもので構わないと思います。その中から、できれば2冊以上読んでみると、ある程度全体を俯瞰した知識が身につきます。

竹之内さん:私も最近デザインの本を読み始めたのですが、確かに同じようなことが言われているなと思っていました。2冊目を読み始めた頃から、知識が蓄積されてきた感覚があります。

ただし、Webページやアプリケーションのデザインは約5年のサイクルで大きくデザインが変わる分野です。ユーザが古いと感じてしまうデザインは、そこに掲載されている情報やコンテンツの信憑性や説得力を欠いてしまいます。したがって、その分野については常に新しいデザインを追いかけて自社のサイトやコンテンツをアップデートしていく必要があるでしょう。

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