Oh! B2Bマーケティング 第23回レポート
営業とマーケターの関係性①

2023年2月17日掲載

SoftBankのBtoBマーケティング担当者が語る「Oh! B2Bマーケティング」

目次

第23回出演者紹介

山田泰志

山田 泰志

長年BtoBマーケティングを専門とし、ソフトバンクのBtoBマーケティングの戦略から実行まで広く行う役割を担う。世界レベルのBtoBマーケティングの仕組みや実践を知る専門家。

早川 真理奈

早川 真理奈

BtoBマーケティング経験は3年目。現在はソフトバンクで主にマーケティングオートメーション(Marketo)を使ったメールマーケティング活動を行う。

ソフトバンク 竹之内彩歌

竹之内 彩歌

2021年に、全く違う職業からBtoBマーケターに転身。日々BtoBマーケティングを学習中。現在は、早川さんと同じくソフトバンクでメールマーケティングを主たる業務として行う。

 

「営業とマーケの仲が悪い」問題

突然ですが、皆さんのマーケティング組織では営業部門とのコミュニケーションはうまく取れていますか?今回は、マーケターが集まる場で必ずと言っていいほど話題に上がる、営業とマーケティングのコミュニケーションの取り方について、お話していきます。

ライブ視聴者の方にお聞きしてみると、「インサイドセールスとは話すチャンスがあるけれど、フィールドセールスとはほとんど話さない」「最近インサイドセールスとの交流は増えてきたけれど、こちらが質問するばかりで会話がなかなか広がらない」など、苦労されている様子が伝わってきました。

また、ソフトバンクを含め多くの組織で、直接お客さまとお話しするフィールドセールスとの距離が遠く、コミュニケーションが取れていないという課題も見受けられます。

実はこの問題は、日本だけではなく世界中のマーケティング組織で抱えている問題の1つでもあります。海外のプレゼンテーションで使われる資料でも、営業とマーケティング組織との間に谷や溝があるような風刺画が用いられるケースもあるそうです。

では、どうしたらマーケターの抱える「営業と話がかみ合わない」「営業と話が盛り上がらない」といった問題を解決できるでしょうか。

問題の原因は?

山田さん:どこに問題のポイントがあると思いますか?

早川さん:マーケターと営業が向いている方向が違うというか、別の数字を追っていることが多いからかなと思います。

山田さん:なんだかマーケティングの教科書に出てきそうな回答ですね(笑)。

マーケターが、営業が日々行っている活動の実態を知ることができる機会はあまり多くありません。もちろん、過去に営業担当として活動していたマーケターもいますが、今現在の営業組織が目指している方向やお客さまが直近で課題に感じているポイントなども、数年経てば情報が古くなってしまいます。また、営業職を経験せずにマーケティングを担当しているマーケターも少なくないでしょう。そんな中で、例えば、営業担当が追いかけている利益金額を意識しようと思っても、マーケティング施策と実際の利益金額が結びつくには数年単位の時間がかかることも多く、なかなか追いかけにくいのも理由の1つです。

とはいえ、同じ企業組織にいるからには、マーケティング担当者も営業担当者と建設的な話をして、施策を進めていく必要もあります。その中でよく話に挙がるのは、営業とマーケターが見ているお客さまが違うのではないか、というポイントです。この中身をよく考えてみましょう。

山田さん:営業担当者はどちらの方角を向いているのでしょう?

竹之内さん:お客さまです。

山田さん:ではマーケティング担当者はどちらの方角を向いていますか?

竹之内さん:お客さま…?

早川さん:営業のほうが、より購買意欲の高い1人のお客さまと向き合っているのに対して、マーケティング担当者は広く見ている、という感じでしょうか。

山田さん:広く見ている、というのは多くの場合どこも向いてないことがあります。

マーケターが特に陥りがちな罠としては、お客さまを見ているようで実際は、いつもお客さまと対峙している営業のことを見ている、ということがあります。皆さんは、お客さまとのマーケティングコミュニケーションを行うときに具体的なお客さまの像を意識して発信できていますか?営業のコミュニケーションは1対1で行われることが多く、意識せずともそういったコミュニケーションを取れますが、マーケティング施策においては、数百、数千、数万単位のお客さまとのコミュニケーションになることもあります。そういう場合であっても、事実に基づいたお客さま像を具体的にイメージして、お客さまと対話しているようなコミュニケーションを行うことが重要です。そこで、お客さま像を明確化するために必要なのはお客さまに関する事実です。そのためには、まず自分たちでお客さまと対話する機会を作ったり、お客さまと同じような知識レベルを身につけたりしてみましょう。自分の中にお客さま像をもった状態で、営業担当者と会話をすることでお客さま像をより具体的に補正できたり、もしくは営業担当者と持っているイメージが乖離している場合にはその原因を探ったりすることができます。もちろん、この場合も営業担当者が話していることが全てではありません。マーケティング担当者が知らなければならないお客さま像を正確かつ高解像度で説明してくれる営業担当者はほとんどいません。自分が思い描いていたお客さま像と営業担当者が話しているお客さまの話にギャップがある場合には、改めて自分でお客さま像を明確にする作業が必要です。

マーケターはまず自分の中でお客さま像をしっかりと構築し、その上で営業の話を聞きにいきましょう。そうすれば、お客さまという軸のもと、対等な立場で話をすることができ、関係活発化の糸口になるかもしれません。しかし、マーケティング活動で得られたお客さまの反応を営業側に共有したり、それを基に営業側からアクションをしてほしい、という依頼をしてもなかなか受け入れられない、という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。

次回は、このお悩みについてお話ししていきます。

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