ソフトバンク会長、宮内がChatGPTを語る「生成AIの活用で仕事が秒単位に」

2023年6月21日掲載

ソフトバンク 宮内謙

世界の有力IT企業のトップや国内外のICT企業や専門家などを招いて6月5日より3日に渡って開催された「世界デジタルサミット2023」(日本経済新聞社主催、総務省・デジタル庁後援)。

その中でソフトバンク株式会社 取締役会長 宮内 謙が「テクノロジーの新潮流 ~今、世界が動き出す」と題し、生成AIやWeb3をテーマに講演を行いました。本ブログではその内容の一部をご紹介します。

目次

魅力的なサービスは爆発する!ChatGPTの脅威的なユーザー数

1990年代の半ばにインターネットが普及し、我々ソフトバンクも変革期を迎えました。今ではインターネットは私たちの生活に欠かせないものになっています。その後、もうひとつの大きな変化というのはiPhone の登場です。2007年にアメリカで発表され、日本では2008年の7月11日に発売し大きな話題を巻き起こしました。iPhone の登場によって、コミュニケーションの手段は劇的に改善し、世の中の人々の生活は大きく変化しました。このときのような大きな変化が今、起きようとしています。

今世界中が注目しているChatGPTとは、米OpenAI社が開発した自然言語処理ができるAIのことです。5日間でユーザー数が100万人を突破し、2ヵ月で1億人を突破しました。これは驚異的な数字と言えるでしょう。私自身もITの世界に長くいますが、今回のChatGPTの動きは、相当大きな地殻変動を生むのではないかと思っています。

ChatGPT ユーザー数

生成AI活用におけるリスクは「何もしないこと」

コンピュータによって人間の演算機能は一気に開拓され、インターネットの普及によって時間と空間の制約を超えました。そして、ChatGPTや生成AIが、我々人間の認識と判断の制約を一気にぶち壊すのではないかと思っています。

生成AIは、テキストを理解・解釈する能力として、米国の統一司法試験で上位10%に相当する成績を残すなど、驚くべき数字が出ています。言語生成のみならず、例えば冷蔵庫の中身の写真からどんな献立ができるかを瞬時に答えるというように、画像を理解・解釈する能力も進んでいます。生成AIについてはさまざまなリスクも語られますが、新しいテクノロジーにはリスクがつきものです。新しいテクノロジーをキャッチアップしない方が、企業にとっては大きなリスクなのです。

ソフトバンクグループを挙げて生成AIを活用。人間の能力を超えた結果も

生成AIによって、銀行・保険・ソフトウェア・エネルギー・通信等、特にインテリジェンス度の高い領域の仕事、認識判断を駆使する業務が一気に効率化や自動化ができるとみられています。

生成AI 効率化 自動化 業種

ソフトバンクには、グループ傘下にさまざまな企業があります。グループ全体で、どのようにして生成AIを使い、業務効率化できるかということを検証中です。AIが我々のビジネスにもたらす価値として、「業務効率化」「コンテンツ生成」「パーソナル化」の3つがあげられます。

まず、業務効率化の例として、グループ企業の生成AIの一例では、宛名と件名、簡単な内容を箇条書きで入力すると一瞬にしてビジネスメールが出来上がります。紙を使って文書を書いていた時代で言えば時間単位、PCやスマートフォンを使っている現在でも分単位で行っている仕事が、生成AIを活用すると秒単位になります。議事録の要約でも活用されています。議事録は書く人によって内容の書き留め方や、ポイントの要約にばらつきがありますが、生成AIを使えば内容やポイントを自動的に要約することができます。

次に、コンテンツ生成の例として、キャッチコピーの作成を取り上げます。例えば、エージェントサイトのキャッチコピーを作る際に、ターゲットの詳細を入れると、秒単位で複数のキャッチーコピー案が出来上がります。人間が考える以上にスピーディにできるのです。

実際にYahoo! JAPANでは、Yahoo!ショッピングに掲載する商品のキャッチコピーを生成AIで作成する取り組みをはじめています。キャッチコピーの6つの案が、たった10秒でスピーディに提案されます。しかも、実際に人間が作ったものよりも、生成AIで作ったもののクリック率のほうが平均で110%高いという驚異的な数字が出ています。このことから、生成AIはさまざまなリスクがあると騒がれることもありますが、知恵を絞ってリスクを解決し、積極的にAIを活用すべきではないかと考えています。

AI yahoo クリック率

最後は、3つ目のキーワードであるパーソナル化についてです。今後の取り組みとして、コンタクトセンターのオペレータ業務の自動化を進めています。コンタクトセンターに電話すると、用件に沿って対象の番号を押して、目的の答えにたどり着くのに時間を要したり、オペレータと話すまでに時間がかかる、という経験をした方も多いのではないでしょうか。 ソフトバンクでは、2022年8月からその仕分けと本人確認の部分を、LINE AiCallで自動化する取り組みを試験的に始めています。さらに今後、生成AIを活用することで、オペレータの応対範囲も含め、コンタクトセンター業務の8割が自動化できるのではないかと考えています。

ソフトバンク 宮内謙

このように、ソフトバンクではグループを挙げてAIを活用し、ざまざまな取り組みをスタートさせています。ChatGPTの登場により生成AIブームは大きく加速し、テクノロジーのブレイクスルーが進み、ビジネスは大きく変化しています。

宮内が講演で伝えたかったこととは?

また、宮内は「グループを挙げてAIを活用し、それをサービスとして提供していく」とも語っていました。

AI ビジネス 支援 ソフトバンク

ビジネスにおけるAIの活用により、生産性向上やコスト削減、高度な業務処理や顧客対応の高速化など、可能性は多岐に広がっています。新しいテクノロジーを取り入れれば、他社との競争力の強化にもつながるでしょう。今こそまさに、テクノロジーの転換期と言えるのではないでしょうか。

ソフトバンクは、これからもお客さまのビジネス改革、AIを活用した取り組みを支援していきます。

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生成AI(ジェネレーティブAI)の力でビジネスを進化

生成AI(ジェネレーティブAI)は、コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術です。これまで人間が実施していた「考える」や「計画する」をAIが実行し、アイデアやコンテンツを生み出します。ソフトバンクはAI活用のコンサルティングから基盤構築・運用を通じてビジネス価値の最大化までワンストップでの支援を提供します。

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